ミッチーとモモ。 -2ページ目

ミッチーとモモ。

小説風な実話に近い物語。

交わらないので、アニメを流し見しながら視力の話になった。








『私、目が悪いんだよねー。運転の時しかメガネかけないけど
0.1あるかないか……だから実はこのテレビも字とか細かいのは見えてないかも』





「えっ?見えてないの?この位置で?」





ガタッと立ち上がったミッチー。











バタバタバタ…










『え?ミッチー…どこいくの?!』








小走りで我が家の狭い2DKの、テレビがギリギリ見える部屋の端まで行った。













「俺、ココからでも見えるよ!」


テンション高めのミッチー。










(どのタイミングでミッチーのテンションが上がるんだ……まだ謎だらけだな)










モモはそう思いながら、すかさず近寄って同じ位置からテレビを見た。


『私、やっぱ視力悪い!!なんも見えない!やばーい、どうしよー!!待って、メガネ持ってくる!』






バタバタバタ……






メガネをかけて照れ臭そうにモモは再びミッチーの元へ。














『やっぱりメガネするとすごい良く見え……











るっうぁっ!!』











モモの顔をのぞき込むミッチー。









至近距離。
大接近。
心臓バクバク。



黒縁のアラレちゃんメガネ。



赤面する35歳。
しばらく見つめる30歳。














『……なに変?おかしい?!似合ってない?!』







「んにゃ……」







『???』






変な空気に包まれる。











「……どうする?」






ミッチーが突然、話を切り出した。









『ふぇっ?!……!!』







瞬時に感付くモモ。








『どうするって何が……』







すっとぼけるモモ。
するとミッチーは腕時計を見ながら










「帰るなら終電があるから……」

『あ……そっか』

「俺はどっちでも良いけど」

『は?』

「一応、男だから……」

『……今日はやらないよ。この間も言ったじゃん。』





「あそ……おけ、なら帰る。」





『私は気にならないから別室でいいなら寝てけば?』






「へ?!そんなの無理だよ
俺もオトコですから……」







『え?私、意外と平気かも。』







「はっ?!な……何言ってるの?!隣にいたら襲っちゃうから無理。帰る。」








『え?何も無いよー、きっと。ミッチーなら大丈夫だよ。』









「はー?!ムリだよ!そこに女の子がいたらやらない方がおかしい。」




『……はっ?!
女の子なら誰とでも良いってこと?』




「まぁーいたら……そうなるよね」





『はっー?!

なら尚更やらない。やらないって言ってるけど。。
てか、もうセフレとかめんどくさいし……やだよ、そんなの』







「フッ、よっぽどじゃない限り、隣にいたら誰だってやれるよ」







いま思うと、もうこの辺りから売り言葉に買い言葉だった。







『ハッ?!

……なら私じゃなくていいじゃん!』


「……俺、たぶん誰とでもできる。」







『てか、何?……何なの?
だったら何で来たの?何で連絡してきたの?!やりたいから?!

はぁー。意味分からない……

誰でも良いなら他の子に連絡すれば良かったじゃん!
なんでこんなリスクの高い私に連絡してきたの?!すぐやらせてくれるから?!
後腐れないから?!すぐ切れるから?!……っっっ』















モモは今まで言えなかった本音を、不安を、何もかも全部吐き出すかのようにミッチーに当り散らした。













「…………」




黙り込むミッチー。





『…………もう何でもいいや。』





吹っ切れたモモ。






「…………」

『忘れ物ない?気を付けて帰ってね』





「やだよ!一人で駅までいくの?!」

『アプリがある』






「道わからないから一緒に……」

『……ケッ、女子か』






「とりあえず一緒に……」

『…………あっそ、じゃー最後くらい送りますぅ』








無言で、でも嫌な顔一つせずいつもの様に身支度するモモ。

ミッチーはひょうひょうとしているように見える。しかし、明らかに口数は減っていた。



部屋を出る時、ミッチーの背中を見つめていたら蹴り飛ばしたくなった。












「鍵しめた?」

『しめた(。-_-。)』

「うん(*^^*)」













うるさい!
お前に言われなくてもしめるわ!!!!!