はじめての作業系のバイトはハム工場だった。

配置されたのは,ソーセージをつくるところ。


うすい皮にお肉を入れた状態の,ながーいものを

くるくると食べられる大きさに巻いたり,

(これは,リズムがあって楽しい)

その巻いたものを,よいしょよいしょとベルトに乗せたりした。


長い足まで届く,ゴムっぽいエプロンはお気に入りだった。

肉やの孫だもの。


ベテランになれば,お肉を入れたりするみたい。

わたしたちは,その日その時間によって,

バランスよく配置される・・・予定だった。


だが,力持ちに見えるせいか,わたしも友人も

よいしょの仕事が続いたことがある。

これはもう,ほんとうにきつい。

よるごはんを食べないまま,

ぶっつづけると,ジムで機械運動しているように

腕がやせたものだ。


わたしは,腹がたち仕事が終了したとき,ロッカーに向かう途中の小部屋

に入るなり,みなにむかって

おかしいよ!ってなことを言った。

誰が?(采配してるの?)と,誰かが聞いた。

「あったまくる。あの!ちっちゃい人お!!」というと,

その人はわたしの後ろにいた。

それからは,バランスよく仕事に就くことが出来た。



だが,他の人もそんな風に仕事が偏っていた

ようだった。

帰りのバスのなかで,女の人が泣きはじめた。

おとなしそうな,品のいい人だった。


話しをしてくれたところによると,研究者の人と

結婚して生活には困らないんだけど,実家のお父さんが病気に

なったので,自分もなんとかしたいと

バイトに出ているらしい。だけど,その哀しみと

きっと,家でのやりくりとがあるのだろう。

そのうえ,仕事が偏って,重い仕事ばかりに

なってしまい,嘆いてしまったのだ。


その時,中国の人もいた。

若いが,品位があり,それは美しい人だった。

はっきりした人で,

わたしは普段しないんだけど,なぜかその子に,


結婚していますか?

とかコドモさんは?とか聞いてしまったら,

きりりと怒っていた。


はあ,外国の人だ。映画みたいと思った。

優秀なので,夫とふたりで国から大学に勉強に

出してもらっているとのこと。

なのにバイトもしているんだ。


その子にも仕事は偏っていたみたいだった。

よく覚えていないけど,今思えば人種差別だったの

かもしれない。

わたしは憤慨し,なにか話しあって,

あなたはいい人だ,といわれて電話番号を教わった。


わたしは,いつもそうなんだけど,

人づきあいも苦手だし,

そんな優秀な人と,どうしていいかもわからなくて

そのままになってしまった。

どうしているだろう,国に戻り

国になくてはならない人として働いておられるだろうか。


先輩が,こっそりと呼んでくれて,

できたてのソーセージを食べたときの驚き!。

絶対に味わえないの,買ったものでは・・。

おいしかったなあ。