夢を見た
今は、もうない、生家の夢を
なつかしさに、心乱れ
目覚めた時には
自分が今、どこに居るのかわからないほどだった
翌日
身体の弱い兄から
「父親の命日だ
みんなで食事に行かないか」
連絡があり
ちょうど、みんなの休みが合った日に
逢うようにした
そして
見違えるように変化した兄の姿に、驚愕した
ほんのひと月ほどの空白だったのに
やせ衰えた姿・・・・・
ほほは、こけ
顔の皮に、たるみが見受けられ
目ばかりが目立つような顔
腕も、細くなり
まるで高齢者のように、シワくちゃの肘(ひじ)
動きも緩慢で
歩くコトさえ、億劫そうに見えた
お父さん
私たちを・・・・
お兄ちゃんを、守ってください
幼い頃から
甘やかされて
自由に、わがままに、好き放題してきた私と違い
兄は
「商家の跡継ぎだから」
「長男だから」
と、厳しく育てられ
まじめで、まっすぐで
自分に厳しい人間ゆえに
損の多い人生・・・・と、思われる
どうか
どうか、そんな兄に幸を