伝えたい気持ち | 元モデルとベンチャー社長の噛み合わない結婚生活

伝えたい気持ち

どんなにリンが想っても、届かない。

リンはいまだ、流産のショックを引きずっています。

女性にとっては簡単に割り切れるものではないですよね。

今こそ、夫が支えになってほしい。

普通なら、旦那さまが支えになってくれるでしょう。

ですが夫はやはり、支えになるどころか、リンをより傷つけます。

心ない言葉。

いかに傷つけるかを目的とした言葉。

そして、やめてと言おうが降り注ぐ罵り。

確かにリンに非がないわけではありません。

でも、そこまでのことをリンはしたのかな。

夫は支えてくれるどころか、リンを地獄に突き落とす。

どれだけ泣いただろう。

どれだけ自分を責めただろう。

もう心は疲れ果てたはずなのに、しっかり痛みを感じます。




それでも夫を信じたい。

夫はそんな人じゃないはず。

夫はそんな人なんかじゃない。

ただ、優しい夫に戻ってくれることを願うだけ。

夫と別れたいんじゃない。

優しい夫と一緒にいたい。

優しいといっても、ごく当たり前のことをしてくれるだけでいい。

流産した妻を気遣う、とか。

一言でも、「大丈夫?」と言ってくれたら。

リンはそれで笑って生きていけるのに。

リンの耳に入るのはその言葉ではなく、うざい、うるさい、黙れ、お前にはもうそんな風に思えない、などなど。

例えば流産してショックを引きずる妻に、「うざい」などとはなかなか言えないと思います。

よほどリンのことが憎いのでしょう。




でもリンにとっては世界でいちばん大切な人。

愛するほどに、心の痛みも増す。

今、泣き明かして腫れた瞼は視界を半減させています。

夫は、何事もなかったかのように寝ています。

リンはひっそり涙をこぼし、回復しない体調と、たった一人で向き合っています。

夫が変わることはないのかもしれない。

でも、僅かな可能性さえも捨ててしまうことはできません。

変わる人もいる、変わらない人もいる。




リンはまだまだ夫が好きです。

どうしようもない人でも、リンにとっては嫌いになる要素にはならない。

家族だから、いいところも悪いところも受け止めよう。

夫のことを愛しているうちは、別れよりも、どうよりよく暮らしていくかを精一杯やりたい。

今も以前も、そう思って夫と向き合ってきました。

夫のために何かしたいと常々考えてきました。

夫と、二人が二人とも笑顔でいれるように。

無理でもやらなきゃ、がんばらなきゃ。

リンが諦めてしまっては終わりだから。

リンも強くならなきゃいけない。

一心不乱に、二人共に歩く前を見てきました。

苦しみながらも、泣きながらも、血まみれでも、夫を信じる気持ちは揺らがなかった。

結婚って、そのくらい我慢や努力や許容が必要だと思っていたから。

結婚って、そんなに簡単に別れを選んでいいものではないはずだから。

あらゆる努力をして、最後の最後の選択肢が別れだと思う。

覚悟して、自分で選んだ道でもあるから。

夫の言動からして、夫は結婚というものに対してどう考えているんだろう。




どうか、優しい夫に戻って。

リンに戻せる方法があるなら、何だってする。

笑顔に戻って。

優しい夫に戻ってくれるなら殴られたっていい。

二人の赤ちゃんだったんだよ。

一緒に向き合ってよ。

二人の問題だよ。

なのに、リンは一人で苦しんでる。

こっちを向いて。