- 黄金の狩人2 (道化の使命) (創元推理文庫)/ロビン・ホブ
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激しくネタバレしてますのでご注意を。
ナイトアイズには、旅の中で彼にとって群れであった仲間を守り支えた、あの頃の、輝くばかりの若さはありません。
だからといって老いに逃げ込むわけでもなく、それでいて老いから目をそらすのでもなく、ただそうあるものとして自然に、正面から現在の自分を受け止めている。そして、いずれ訪れる喪失の準備が完全には出来ていないフィッツが彼の老いを目の当たりにして、慄きうろたえるのを、苛立たしげに皮肉りながら、泰然と、そのときが来るまではやるべきことをやるという態度をくずしません。ただただ、ものすごくかっこいいです。
ほんとうはいつだって彼は、フィッツとふたり、彼らの小屋のあたたかい炉辺に寝そべって静かにしていたいのに。老いた狼である彼の望みはもはや、それだけだったのに。
彼はもう馬についてゆくことができないし、体につもる疲労はかつての比ではなく、回復は遅く、もはや旅に耐えられる体ではないのに、それでもフィッツとともに走ることをやめません。そのことが最終的には彼の命を奪うことになるのだけれど、作者はそれを初めから終わりまで、とても丁寧に描き出していて、この物語はフィッツの再出発の物語であるのと同時に、ナイトアイズの死を描く物語でもあるのだな、と思いました。
シリーズ三部作のうちの、まるまる一部をつかって。
ナイトアイズの最後の戦いは、かつての、大地の果てまで駆けていけるような強靭な美しさは失われているかもしれないけど、気高く強く、あまりに愛情にあふれていて、泣けます。泣いたよ……。
現時点で、3冊目の終わりまではまだ読んでいないので、これは一応2のエントリーということに。
2ではまだ、そういうことにはなっていないんですけど。