木田の周りの情報から推測する限り、多くの地球人は1年が過ぎる毎にこれを祝い、気持ちを新たにするようだ。
もっとも、この男は実家との往復をしただけで、気持ち新たに生活するのかと思いきや、引き続きひきこもりをはじめた。
片道半日かけて実家に帰ることはできるのに仕事には行かないようだ。周りからすれば、とても理解し難いことかもしれない。
年が明けてから、目が覚めたら仕事を休む連絡を入れ、食事、テレビ、動画、漫画、ゲーム、読書するだけで、1日が終わる。年末には仕事に行き、気持ち新たにしようという素振りはあったのだが、それを忘れてしまったかのようだ。
この男の生活ぶりは、ここの社会では珍しいことではないようではあるが、決して好ましいとは言い難い。
観察するだけでは、何故、木田がこのような生活をおくるようになったのかを解明するのは困難なため、我々の技術 ー精神世界を通して空間を超えて移動する技術ー を使って彼のこれまでの経過、思い、考えや行動を考察していこうと思う。