御嶽山噴火から、一ヶ月。
いまだ行方不明の人々が残ったまま、山に早くも冬が来てしまったのは
本当に辛いことだ。

あの時、真っ先にニュースに飛びこんできた視聴者映像を見て
「これを撮っていた人は無事だったからこの映像が入ってきたのだろうけど、周囲で同じように
噴煙を撮影していた人たちがきっと何人もいたはず...一体どうなった?」と考えて、ひどく
恐ろしくなったのを思い出す。

今回の火山の噴火に限らず、最近ではスマートフォンの普及もあって、自分に向かって竜巻が
迫って来るとか、乗っている船がどんどん沈んでいくとか、明らかに大変なことが起きている
危険な状況で撮られた映像(動画)を目にする機会が、とても多くなったような気がする。

そして、そういう映像を見るたびに、私はその衝撃的な内容についてどうこう、というより
何より、撮影者に向かって

「そんなもの撮ってないで、早く、早く逃げろーっ!!」
と叫びたい衝動にかられてしまう。

だって、撮影している人は火山学者やツイスターハンターじゃないのだ。
危険な状況に巻き込まれたら、何よりもまず全力で自分を守り、できれば周囲の人とも協力して
可能な限りその場にいる皆の身の安全を確保することが、最優先にこなくちゃいけないのでは?

私はそんな危機一髪の場面に遭遇したことがないから、わからないだけかもしれないけれど
衝撃映像を撮影している場合じゃない、といった切実な危機感は、意外と感じにくいもの
なのだろうか?

衝撃的な「視聴者映像」を目にするたびに、気になってしかたがない。
何か凄い映像が撮れそうだ!と思って撮影を続けているうちに逃げ遅れてしまう人が、
実際に出ていたりは、しないのだろうか?

あなたなら、撮る?それとも、逃げる?