国王夫妻が国賓として訪日され、連日マスコミに取り上げられて、知名度急上昇中のブータン。

先王の時代から、その独特の政治ポリシーや、親日的なことで有名だったし、
個人的にも長年行ってみたい国のひとつだったので、今さらなぜ急に?って気もするけれど、
日本人がこれを機会に、ブータンにもっと注目するようになるのなら、それはとても良いことだ。

先王(ブータンを王政から立憲君主制へと移行させ、その際に退位された方で、現王の父君。
近代化よりも国民の幸福を第一にする今の国政のあり方を築いた)は、とても賢明な方だと思う。

例えば、隣国インドまで行った私が、なぜブータンには行っていないのかというと、
ブータンが外国人の自由旅行を受け入れていないから。
旅行会社とツアーの契約をしないと、入国できないようになっているし
外国人観光客の数にも、制限が設けられている。(年間わずか数千人程度)

むやみに観光開発したり、国民が外国の文化と過度に接触したりすることは、
必ずしも国民の幸福にはつながらない、というふうに考えられている。

目先の収入アップにとらわれず、国の伝統を守りつつ国民が満足できる生活を目指す政策は
こんな所にもしっかりとあらわれている。

今の日本は、西欧化の道を突っ走った末に、心の豊かさや幸福を見失っている感があるので
国王夫妻来日にともなって紹介された、ブータンのゆるがないポリシーは、
一種の驚きをもって受け止められたようだ。

日本人にとっては、自分たちの文化について改めて考える、いい機会だったのかもしれない。

若き国王夫妻は「とても礼儀正しい」という印象を受けた日本人も多かったようだけれど
それはお二人のエレガントな振る舞いの中でも、西欧文化にない「合掌」という伝統的な挨拶が
日本文化での丁寧な態度と、ちょうどぴったり合致したせいも大いにあると思う。

日本では僧侶くらいしかしない、合掌する挨拶。
実のところ、南アジアや東南アジアの広い一帯では今でもごく一般的で
例えばタイでもインドでも、当たり前のように、相手に向かってさっと両手を合わせる。
(特に年長・目上の相手にはそうする)

人を拝む挨拶は、一般人同士でも実にサワヤカで、気持ちの良いものだ。
実感としては、慣れないとなかなかタイミングが難しいのだけど、ぜひ見習いたい習慣だと思う。

合掌する習慣のある国にいらした際は、あなたもぜひ、チャレンジしてみてはいかがですか?