やってしまった。
相方(夫)との生活も十数年を数えるまでになり、夫婦ゲンカもめっきり減った今日この頃……のはずだったのに
先週末、久々に怒鳴り合いのケンカをやらかしてしまった。
そもそものきっかけは、車で靴屋に連れて行ってもらったこと。
普段、二人で行く買い物といえば、ほぼ食料品や日用品に限られる。
私の買い物に付き合ってもらうと、たいてい彼がすぐ退屈してしまい、早く帰りたそうな顔になってしまうからだ。
(男性と買い物に行くのはそんなものだ、と私の周囲の女性は皆言うので、これはウチだけではないと思う)
だから、服や雑貨はたいてい通販ですませるのだけど、さすがに、靴となると試着が必要なので、久しぶりに
郊外型のディスカウント靴店に連れて行ってもらった。
Webでリサーチしておいた靴を手際よく試着して、靴屋の用事は早々に完了。ほとんど待たせずにすんだ。
問題は、その後。
最初から、「帰りにスーパーに寄って、お惣菜コーナーでお昼に食べるものを買いたい」というのは聞いていた。
ところが、靴屋をすばやく切り上げたものだから、相方いわく、「ちょっとだけ電気屋、行ってもいい?」
うん、まあいいよ。電気屋に寄ってから、スーパーに行く。で、帰って昼ごはんにすると。
ところが電気屋に行く途中、大型スポーツ用品店の前を通りかかった。
「あ、ちょっと見ていっていい?」
「……」
結局、スポーツウェアをあれこれ試着した後、電気屋へ。「ちょっとカタログをもらいたいだけだから」というので
車の中で待っていたんだけど、よく晴れた日だったので、車内はじりじりする暑さ。待ち時間はとても長く感じた。
彼が車に戻ってきたのは、すでに私のいつもの(時間的には早めの)昼食時間帯にさしかかった頃。ううっ。
「妻限界がきた~!」予定が想定外に変わるのはひどく苦手だし、お腹もすいたし、暑いし。もうグッタリだ。
「じゃあ、切り上げてもう帰る?」
「けど最後にスーパーに寄らないと、夫の昼食、手に入らないじゃない?」
というわけで、内心かなり焦りながらも、ようやくスーパーへ。
「他の買い物持ってくるから、カゴ持ってお惣菜売り場で待ってて!」と彼に言い残し、ダッシュで店内を一巡。
急いでお惣菜売り場へ。
ところが。相方の姿はなぜか、そこになし。
ささっと周囲を見て回り、あげくの果てに携帯まで鳴らしたけど、出ない。
レジ周辺をもう一度探してようやく発見した時には、こちらはもう、完全に怒りモード。
「お惣菜売り場で待っててって言ったのに、なんでいないのよ!!」
「いたよ!!」
「いなかったよ!!」
レジ前での押し問答は、車に戻るとさらにエスカレートして、怒鳴り合いに。
まったく、いい大人同士が相手より大きな声を出そうとしてわめいているほど、バカバカしいことはない。
ぎゃんぎゃんウルサイだけでうんざりだし、そもそも私は、大きな音がひどく苦手だ。
「うるさいから、大きな声出さないで!」
「お前こそ黙れ!!」
「……(言い返すとさらにエスカレートするので、スルー)」
何というすれ違いっぷり。こちらは文字通りの意味で「(音が)うるさい」と言っているのに、ケンカの売り言葉だと
受け取られて、買い言葉で返されてしまう。こう激しいのはまれだけど、この手の食い違いはけっこうよくある。
自閉系人がたいてい文字通りの意味でしか使わない「言葉」を、地球人は何とも感情的に解釈するものらしい。
地球人て、めんどくさい。常に言葉の裏やら行間やらを、深読みしながらコミュニケーションしてるのだろうか?
エキサイトした相方は、さらにあーだこーだ怒鳴り続けている。
「しばらく黙ってて!」
「あーそうか!じゃあもう、絶対口きかないからな!!」
少なくとも、これで静かにはなった。
以前はこの手の言葉を私がいちいち真に受けていたので、ケンカはしょっちゅうこじれ、数日にわたって続いたり
していた。今では私も学習したので、多少は受け流せるようになったし、パニックで怒り発作を起こすことも減り、
立ち直りもずいぶん早くなった。(「二度と」「絶対」といった引っ込みのつきにくい言葉を使わない知恵もついたし)
今回も、帰宅して昼ごはんを食べて一息入れると、気分はおさまった。無事、その日のうちに仲直りも完了。
やれやれ。
実際のところ、彼が持っていたカゴの中には衣料用洗剤も入っていたから、ずっとお惣菜売り場で私を待って
いたはずはない、と思う。でも、そこを指摘したらおさまるものもおさまらないから……今回は言わないでおこう。