ひきこもりエイリアンにも、たまに、講演会のご依頼などというものがくる。

この間は、なぜか一週間に2件も舞い込んできた。

ところが、両方みごとに同じ時期にかちあってしまっていたので、悩んだ末、公平に両方をお断りすることに。


ひと月に2つの講演会をするには無理がある、というのも理由のひとつだけど、実はまた別の理由もある。

要するに、「何を話したらいいか、わからない」のだ。


私のWebサイトには、「講演に関しましては、「自閉症を疑似体験するワークショップ」 といった趣旨の

ものを主におこなっています。体験談などがメインのお話は、原則としてお受けしておりません」と、

あらかじめ断り書きをしてある。


けれど、それにもかかわらず、たいていの講演依頼というのは、「体験をお聞かせください」というもの。


『僕の妻はエイリアン』の軽快な印象が強いせいか、「自分の発達障害をポジティブにとらえる」とか、

「日常の面白エピソード」「生活の工夫、配慮してほしいこと」といった内容が求められているようだ。


こういう場合、何を話したらいいかわからなくて、真剣に困ってしまう。


発達障害は個人差が大きいので、配慮してほしいことなどは、その人ごとにかなり違うはずだから、

私の場合の話をしても、あまり役に立つとは思えない。むしろ、「発達障害のある人は皆そうだ」

という、間違った思い込みにつながるかもしれないと思うと、不安になってしまう。

発達障害を持っていることで悩んだり困ったりしていることの程度も、やはり人それぞれだし、

問題が深刻な場合も多い。そう簡単に「ポジティブになりましょう」なんて、私にはとても言えない。


(これに関しては、私以外の人もプレッシャーを感じるらしく、「現実をリアルに伝えつつ、希望が持てる

ような内容にまとめるのは難しい……」、というような声を、複数の人から聞いたことがある)


さらに私の場合、面白エピソードや生活の工夫・アイデアなどは、『僕の妻は~』と、『エイリアンの

地球ライフ』の2冊に、もう全部書いてしまった。


夫がプライバシーを守ってほしいと希望しているために、普段の生活について、あまりセキララに語る

ことは自粛している、という事情もあって、新たなエピソードは、そう簡単には生まれない。


……こうやって、いろいろと考えているうちに、結局、何を話したらいいかわからなくなってしまうわけだ。


なので、せっかく、たまに講演会のご依頼をいただいても、ほとんどはやむなくお断りするはめになる。


(大変申し訳ないのだけれど)


講演会について、何かアイデアがありましたら、どうぞ教えてください。