冗談じゃない。皮肉でもない。
自称先進国の「エコ志向」や、「地球に優しい」つもりの消費者の行動は、
貧しい国の人たちにとっては致命的なのだ。
まあ、確かに今の私はうつ状態だから、考えも悲観的すぎるかもしれない。
でも、実際にこの目で証拠を見たこともある。だから、お気軽にLOHASなんか
信奉している人たちには、何とも苦々しい思いが常にある。
説明しよう。
今、ガソリンに代わって注目されているのが植物原料のエタノール(アルコール)。
これを燃料に車を走らせれば、環境にやさしい~、ってわけ。
自称「先進国」では、それですむ。
けど、このブームのため、植物原料の需要は急増している。おかげでエタノールの
原料になる作物(大豆、トウモロコシ、サトウキビなどなど)を大増産しようというのが、
今、世界中で起きている現象。
結果、どうなるか?
日本では、「おかげでマヨネーズの値段が上がる」といった能天気な話題が出る程度。
けど、実際に起きているのは世界規模の飢饉の危機だ。
なぜなら、人間が食べていたものの畑をつぶして、エタノール燃料用の穀物を生産する、
といった大転換が、世界中で起きているから。
豊かな国の人たちにとっては、それが意味するのはせいぜい「食料品の値上げ」ですむ。
けれど、ぎりぎりのところで食べている人たちは、「エコなエタノール燃料の生産」のため
に食料品の値段が上がったら、買うことができない。
今、スーパーで食料品を買うときに「遺伝子組み換えでない」という表示を確認している人
は多いと思う。でも、燃料用の穀物は食料用じゃないので、実際には「エコ燃料」のために
遺伝子組み換え作物の大増産が始まっている。
そして遺伝子組み換え作物は、手間いらずで生産量を上げるように改良されているので、
貧しい生活をしている世界中の人たちにとっては、今やそれしか手の届く食料がないのだ。
真剣な話。近々、世界規模の大飢饉が起きると考える学者は多い。
今でさえ、最悪、餓死するか、自称「先進国」の人たちが食べようとしない遺伝子組み換え
作物を食べて何とか生き延びるかしか、貧しい人たちに道はないのが現実だ。
これでも、あなたは自分のエコな生活を素晴らしいと思う?
私が目撃した「エコな原料」の正体の話をしよう。
それはパームオイル(ヤシ油)。今、洗剤などに使われている「天然原料」だ。
これまた自称先進国では大人気で、石油製品より環境に優しいという評判だ。
人気が急増したので、東南アジアではパームオイルの大増産が続いている。
私が見たのは、貴重な自然のジャングルを容赦なく焼き払って、パームオイルを採る
ためのヤシ畑にどんどん変えていっている現実。南アジアでは季節によって風向lきが
変わるので、山火事のために、毎年、秋になると南アジア一帯が煙霧に包まれる。
本当だ。濃い霧のような煙にすっぽり包まれる。健康注意情報も出る。
パームオイルの精製工場らしきものも見た。ヤシのプランテーション(大規模農園)の
中に、ハウルの動く城みたいな奇怪な建物がそびえたち、もくもくと黒煙をあげていた。
とてもじゃないけど、環境基準を満たしているとは思えない。ばい煙のひどさに驚いた。
あなたの使っている「植物原料100%」の洗剤やボディソープは、ジャングル(と、住民
の健康)を犠牲にして作られている可能性が大きい。
本当に「環境に優しい」エコな生活とは、自然を破壊したり、貧しい人たちを犠牲にしない
ものであるべきだ。
今、世界で起きていることは、あまりにもひどすぎる。
少なくとも、知って、考えて欲しい。