関東地域が冷え込んできて、ついに今年も最低気温がマイナスになった。

今住んでいるところでは、冬はそれで普通。大寒の時期には毎朝ー5C

ぐらいの日々が続く。


しかし、関西では気温がゼロ以下になること事体、ニュースなのだ。

神戸から東京の大学に来た時、寒さと乾燥にびっくりした。瀬戸内海の

そばでは、冬でもそんなに空気は乾かない。


結婚以来、東京よりずっと寒い関東の地方都市に住んでいるんだけど、

それもかれこれ通算8年ぐらいになる。なのに、全然この気候に感覚が

慣れない。自分でもあきれる。


まず、手袋やマフラー、帽子が必需品だというのがぴんとこない。厳寒期

でもしょっちゅう忘れて外出してしまう。神戸では、手袋やマフラーは防寒

というより季節感を出すためのアイテムだと思っていた。(帽子は、自転車

に乗るので、冬の乾燥した空気で髪がパリパリになるのを防ぐため)


それどころか、締めつけ感が不快で特にくつしたが大の苦手なので、冬も

しばしば素足にクロッグ(足をスポッとおおうタイプのサンダル)はいただけ

で出歩いてしまい、こっちの人に「はだし?!」と驚かれる始末。しかも寒く

ないわけじゃなく、実はすごい冷え性なのに…。


天気予報マニアだから気温はわかっているのに、どのぐらい寒いかの実感

が欠けている。生活習慣というか、生活感覚が適応できないらしい。


なぜ「習慣や感覚」かというと、実際の気候には、体はちゃんと適応するから。


冬のアラスカ(北極圏だ)に旅行に行った時は、たった数日で、ー20Cでも

昼間で日なたにいれば「おお、あったかい!」と感じるようになった。夜は

屋外でじっとしていると眼球の水分が凍りかけ、目が動かしにくくなるほど

寒い土地だ。けっこう大きな河でも冬中氷結するので、その上が近道に

なり、人や車が普通の道路のように使っていたりするぐらい。それでも、体

はあっというまに慣れてしまう。すごいもんだ。


赤道直下に住んでいた時は、常に気温が高いせいで体の代謝が活発に

なるせいか、髪やつめが伸びるのが早くなった。(本当!夫婦とも実感した)

しかも、常に湿度が高いところだったので、体がそれに慣れてしまうらしく、

日本に一時帰国したら皮膚がすごく乾燥する。(と、日本人は皆言っていた)

オイリー肌の私でさえ、「乾いてつっぱる」と思ったぐらいだ。


人間の体はすごい。


ちなみに、常に高温多湿の熱帯で暮らしてきた人には、いわゆる「身を切る

ような冷たさ」がわからない。雪が見たいというのでスキー場に連れて行っ

たりすると、大喜びで雪をさわりまくるんだけど、じき不思議そうに「手が痛く

なったよ?」と言う。


経験したことがないので、「冷たくてかじかむ」とか「痛いほど冷たい」という

感覚がわからない。これは面白い。「知覚」は経験と学習で作られるんだと

いうことがよくわかる。


熱帯はクーラーをガンガン効かすし、雨に濡れたりすると外にいてもけっこう

肌寒いので、普通の「寒さ」はちゃんとわかる。アイススケートリンクさえある。

でも、基本的に「氷」は冷凍庫の中にあるものなので、「気温が氷点下になる

と、普通の道路でも水たまりが凍って、滑るんだよ!」と、冬の様子を話すと

とってもびっくりする。(でも、実感はわかないようだ。無理もないけど)


気温ゼロ度以下=「寒波」の関西から来た私だって、いまだに路面凍結には

びっくりする。日陰では春まで凍ったままだったりするんだから! 日陰は

凍ってるかも、という認識が身につかないので用心することも覚えられず、

よく自転車ごと滑ってコケたりしている。(目が悪いので、見えてない)


やっぱり氷点下はつらい。