ドミニカ共和国〜ニューヨーク旅行記 特別編① ドミニカ市民の生活事情 | アリシアの気ままな日々

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北九州市を中心に糸かけアート作家&講師として活動中のアリシアです。
このブログはアリシアの個人的な生活を中心に、好きな音楽や旅、食いしん坊な日常などを自由気ままに綴ります。

前回はプンタカナのホテルを出て、ドミニカ中央部の町ラベガまでの道のりを書きました。

今日はその続き、日系移民1世のお宅へお邪魔したお話しです。
特別編として、私が感じた“市民の生活事情”について書いてみます。
 

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6月20日~7月6日まで、ドミニカ共和国~ニューヨークを旅してきました。

撮りためた写真とともに、少しずつ振り返りながら記録を残したいと思います。

 

なお、ここで書いているドミニカとはドミニカ共和国の事です。

 

旅人は、

私 アリシアと

スペイン語の講師 ドリス (この旅の案内人・日系移民2世)

私とともにドリスの教室へ通う エレナの3人です。

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旅日記5日目~6月24日(日曜日)続き

旅日記6日目~6月25日(月曜日)

※ 特別編のため、ちょっと日時が前後します。

 

ドリスのお姉さんのお宅で1泊させて頂いた私とエレナ。

そこで感じたドミニカ市民~特に日系人~の暮らしぶりについて書いておきます。

 

 

 

ドリスのお姉さんのお宅には、日系人ならではの工夫がたくさんありました。

その一つがこの「HANAUME」。花梅です。

 

 

日系人の工夫が詰まった「HANAUME」。

写真はディスカバーニッケイさんよりお借りしました。

 

 

この写真はブラジルの商品ですが、お姉さんのお宅では庭にこの花を植えて花を収穫し、手作りした物を食卓へ並べていました。

ハイビスカスの仲間だそうで、その酸味が効いているのか塩漬けにするとまるで梅干し!

 

 

私たちも朝ご飯に頂きましたが、食感はカリカリ梅みたいでした。

梅の木が育たないらしく、代わりになる物を…と工夫されたのでしょうね。

中南米に住む日系人は梅干し代わりによく作るそうです。

 

 

 

 

夕食後に洗濯機をお借りする事になりました。

 

と、言うのも、この時期のドミニカは雨季であり、ジメジメと湿度が高くて洗濯物も乾きににくい。

特に前日まで宿泊していたプンタカナは、洗濯物でなくてもジットリ…。

ハンガーに掛けていた服まで湿ってくるほどの湿度の高さでした。

一日中エアコンは付けっぱなしだったのにね。

 

そんなプンタカナで3泊した後だったので、湿気った洗濯物を山ほど抱えていました。

 

 

そこへお姉さんから「洗濯物がたまっているんじゃないの?」と、声をかけていただいたときは、嬉しかった~。

 

お宅の勝手口には広いサンルームがあり、朝日がよく当たるので洗濯物もすぐ乾くのだそうです。

 

なんとありがたい!!

 

早速、3人で洗濯機のある勝手口の方へ。

そこにあったのは、懐かしい2層式の洗濯機でした。

 

※ イメージ 写真は日立さんよりお借りしました

 

ドリスのお義兄さんが、大きな水瓶からバケツで洗濯槽へ、それが一杯になると次はすぐ横にある流し台やたらいなど、別に合計4つの入れ物に順に水をくみ入れていました。

 

どうするのだろう? と思っていると、

 

洗濯機で洗って、いったん横の脱水機に移して脱水するところまでは昔の日本のやり方と同じ。

違うのは、ここから。

 

水を貯めた4つの入れ物に順に洗濯物を入れ、軽く手でもみ洗いしては次の器へ、と、手際よくすすいでいくのです。

 

4つ全て回り終えたら、最後の脱水。

よーく絞ってしわを手で伸ばして、ロープに干していきます。

 

洗濯機内に残った洗濯液の入った水も無駄にしません。

同じ水に洗剤を足して、今度は色物を洗います。

 

同じ手順で同じ水を使ってすすぎます。

 

ずいぶん水を大事にするんだなぁ~と思っていると、

 

お姉さんが、「給水車が来たばかりで良かった~」と一言。

 

 

え?

 

 

え?え?

 

 

給水車?

 

 

・・・・!!!

 

そうなんです。

 

私たちがシャワーを浴びた水も、トイレで流した水も、洗濯で使った水も、

 

すべて給水車が運んできた水だったんです。

 

「いやいや、週に2回来てくれるから助かってるよ~」 「昔は川から汲んで運んでいたから。」とお姉さん。

 

聞けば、生活用水は週に二回の給水車による配給でまかなっているのだそうです。

 

すみません、そんな大事な水だとも知らずに…。

なのに。

お義兄さんも、お姉さんも、全く気にする様子もなく、ただニコニコと洗濯を手伝ってくれました。

 

 

ありがたい気持ちと、申し訳ない気持ちと…、そして温かい気持ち。

 

お義兄さんも、お姉さんも、日本に住む日本人よりも日本人としての誇りや強さ、優しさを持っている気がします。

それでいてちゃんとドミニカに暮らしを根付かせている。

 

真面目に、まっすぐに生きてきたんだろうな。

 

このお二人の話を聞いていると、不思議な気分になる。

 

会話の中に「熊本の○○さんが持ってきた種で…」とか、

「高知の○○さんが改良した苗で…」とか、

仲間の名前がポンポン出てくるんです。

 

てっきり近所付き合いがあるのかと思い、「この辺りに日系の方の家は何軒ぐらいあるのですか?」と、尋ねると、

 

「いや、この町にはウチだけだよ」 との返事。

 

みんな遠くに離れて暮らしているんだそうです。

 

なのに、会話の中にたくさんの名前が出てくる。

まるで昨日会って話してきたかのような感じで。

 

それだけ苦労を共にしてきたっていうことなんだろうなぁ。

 

日系人同士のつながりの強さや深さがよくわかる気がしました。

 

 

他にも、こちらに泊めていただいて初めて知ったことがたくさんありました。

 

そのひとつが、ドミニカのトイレ事情について。

14年前は10泊すべてホテルでした。

 

しかし、今回はドリスのご兄弟のお宅へ泊めてもらっています。

いわゆる一般家庭です。

 

ここはトイレにトイレットペーパーを流せません。

 

用を済ませた紙はバケツの中へ捨てます。

水が貴重だから…ということでしょうか?

ドリスのお姉さんは「紙が溶けないからね~」と言っていましたが、どうやら少量の水で流すので水圧が足りないからのようでした。

 

お姉さん曰く、

「サントドミンゴのホテルも同じでしょう?」と。

 

・・・・。

 

返答に困ってしまいました。

 

あ…。

そうかぁ。知らないんだ…。

 

サントドミンゴのホテルも、プンタカナのホテルも、

自由に流せます。

シャワーだって使いたい放題に使えます。

 

少なくとも私が前回訪れた14年前も大丈夫でした。

 

 

 

おそらく、お義兄さんもお姉さんも、ホテルに泊まることも外泊することも、

ひょっとしたら日帰りの旅行すらあまりしてこなかったのかも。

 

慎ましく慎ましく生きてこられたのだろうな…と感じました。

 

1世世代ならでは、かもしれません。

 

 

しかし自由に存分に水が使えるのは、『外国人が出入りする一部の場所』と、都心部のごく限られたエリアだけであることは確かのようです。

 

ここにも格差を感じました。

 

 

 

次に電気について。

 

はっきり言って『悪い』です。

停電は日常茶飯事。

 

ある程度の収入のある家庭は自家発電機を常備しています。

お姉さんのお宅にも自家発電機があり、何度かの停電時も快適に過ごせました。

 

そうでない家庭はひたすら電気が回復するのを待つだけ。

 

私たちが滞在したプンタカナのホテルでも2度停電しました。

 

1度目は数秒で(自家発電機によって)回復したのですが、2回目はシステム異常とかで、なかなか回復せず。

トイレの水も流せない状況になりました。

ちょうどマナティパークへ出かける時間に重なったので、運良く私たちは実害はなくてすんだのですが、ホテルに残っていた人たちはどうしていたんでしょうね?

 

また、この停電も都心部と郊外とでかなり頻度に差があるようでした。

やはり郊外…田舎町の方が頻繁に起こっている様子ですね。

都心部は比較的に恵まれているようです。

 

前回訪れた14年前(2004年)にはなかった地下鉄が、今は首都サントドミンゴを走っています。

かなり電気も使うはずですが、停電はしないようです。

 

その分を郊外へ回せないのかな…と考えてしまうのは私だけではないはずですが…。

 

 

また、貧困者層が住むエリアでは『盗電』という問題もあるそうです。

電柱、あるいは電線から勝手に電気を引いてしまうのだそう。

かなり危険だと思うのですが…。

 

私たちはそのようなエリアへは近づいていないので実際の様子は目にしていませんが、電線の扱いは都心部でもかなり雑だな~と感じました。

 

ドミニカ第2の都市、サンチアゴの風景。電線が垂れ下がっていた。

 

どう見ても危なっかしい電線。

どれも正規に引いているのだろうか?

 

 

 

最後にゴミについて。

 

観光客が訪れる場所は、どこもおおむねキレイに掃除されています。

ゴミも全く目にすることはありません。

植え込みの植物も綺麗に刈り込まれ、よく手入れされています。

 

しかし、一歩大通りを外れるとそこはゴミの山です。

ゴミの写真は流石に撮りませんでしたが、都心を外れれば外れるほど、ゴミの量は増えていきます。

住民のモラルや、環境への配慮など全く感じることが出来ません。

 

汚染物の怖さに関する関心度合いも、都心部に住む人々と郊外(田舎町)に住む人々との間には大きな差があるように感じました。

 

それはこの国だけでなく、カリブ諸国…、いや全世界的かもしれませんが、貧困や教育格差の表れの一つかもしれません。

 

 

 

難しい話になりそうなので、今日はここまで。

 

次回は旅日記に戻ります。

 

 

まだまだ続く…。