この本を読んでました。
韓国の性売買をしてきた女性が、
自分の体験を綴った本です。
なかなか重い内容でしたが、
自分に関係ない話だと思えませんでした。
この女性は、私と同年代で、
日本でも似たようなことはあって、
性売買は、全ての性暴力に繋がっています。
みんなが考えなければならない
テーマです。
筆者が、かつて自分が働いていた場所を
訪れる場面があって、抜粋します。
「私が働いていたガラス部屋も
建物が次々に撤去されている。
二度と思い出したくなく、
夢に出てくるかと思うと恐ろしい店だったが、
逆に私はこの空間にいやされた。
自分を殺しながらも懸命に生きた痕跡が
ここにもしっかりと残っていたからだ。
身体を売る汚い女というスティグマで
私を見る人がいるかもしれないが、
誰よりも忠実に人生を生きてきた私の姿が
ここに残っていた。
そんな過ぎた日の私の姿は、
崩れていく店の建物と一緒に消えていっていた。
ここで苦しくとも命をつなぎながら
搾取されていた女性たちの人生を
誰が覚えておいてくれるだろうか。」
読み進めるうちに、彼女は
よく生きててくれたなぁと思いました。
身体を売る仕事を辞めた後も
様々な後遺症に苦しむのですが、
「何よりも必要なことは、
私の人生を振り返り
自分が自分を抱きしめてあげる時間だった。」
彼女は、過去の自分自身と
しっかり向き合います。