金曜日と聞くと、現代人の多くは「ブラックフライデー」のセールを思い浮かべるだろう。でも、本当に記憶されるべき「黒い金曜日」は別に存在する。1307年10月13日、フランス王フィリップ4世の命令で、テンプル騎士団が一斉に逮捕されたのも金曜日。栄光と信仰に満ちた彼らが、国家の思惑の中で切り捨てられた日だ。






この作品では、金と黒を主調とした舞台の中、騎士たちが石畳の階段を踏みしめ進んでいく。まるでT台のように見えるが、彼らはファッションの主役ではない。「今日、金曜だな」と誰かが口にする。それは、忘れられた歴史を静かに語る呟きでもある。


11月のバーゲンに夢中になる前に、一度立ち止まって、歴史に埋もれた「金曜日」にも思いを馳せてほしい。何を信じ、何のために歩むのか。時代を超えて、そんな問いを私たちに投げかける一枚だ。