福子たちの疎開先の
上郡村にも米軍機が一気飛んできた。
ちょうど田んぼの真ん中に小屋があって
その周辺にいた福子、萬平、いとこや子供たちは
かくれて、難を逃れた。

萬平は、病気のため兵役を逃れられたが
なにもできないという負い目をおっていた。

だから、攻撃されても逃げること隠れることしかできない
わが身を呪ったわけだった。

鈴は萬平には萬平のできることがあると
いう。
福子はなにができるか、見つけてあげますという。

やがて、終戦を迎えた。

世間は無法地帯となり特に食べ物がなかった。

まだ、田舎にいたらよかったが、
大阪に帰った福子たちは
焼け野原になった大阪を見て、ショックを受けた。
とくに、鈴の家も萬平の家も会社も
焼けてしまった。
克子の家に居候をすることになったが
子供が四人。おとなが四人。食べることに
苦労した。

栄養を取ろうにも配給だけでは足りない。
やみいちには法外な値段で食べ物が売られている。

ここで買ってはいけないがここでかわないと
栄養失調で死んでしまう。

戦争とは不条理である。
克子の四人の子供たちも
克子に黙って靴磨きのバイトを始めた。
克子は、はじめての売り上げをもらったとき
うれしいような
情けないような
悲しいような
どういう感情だっただろう。

でも、まだ子供である。

学校の勉強も大事な時に・・・

夫はまだ、戦地から帰ってこない。

萬平は男として
どう、食べていけばいいのかと悩む。

そんなとき、世良にあった。

この不条理な世間で、まず
その不平等を受け入れることから
はじまるという
経済理論を展開する。
人は平等ではない。
持っているものが偉い。

着物とか、

安く買って

高く売るのが商売だという。

鈴の値打ちもんだという着物も
多少、高く買ったがその三倍の値段で
売るといった。

おかしな世の中を渡って行くには
これくらいの不条理なことは
あたりまえだという。

早く帰ってこい、発明家の立花萬平
と世良に言われて
萬平は
考え込んだ。

不条理と言えば
配給で。。。。と福子が話をする。

ある男が配給の列に奈良でいたが
身分を証明するものがないと
配給を受けられないと言われた。
男の家は全焼し何もかも亡くした。
ハンコも通帳も・・・
どうやって、そんなものを手に入れるのかと
男は絶望の怒りを表した。

配給の食料だけでも、足りないのに
このひとは配給すら受けられない。
どうやって生きていくのかと
福子は話した。

萬平の頭に電気がついた。

今まで真っ暗だった頭の中に

あるアイディアが浮かんだ。

そうだ・・・
身分を証明するものが必要なんだ!!!!

福子は、

驚いて萬平をみた。



いよいよ、発明家立花萬平の
登場なのでしょうか。

あの、憲兵に殴られたという
エピがないと
かれは、戦地へ行っていました。

でも、人の役に立つ仕事がしたいという
彼の原点からすれば、
戦後の
混乱期の今こそ
その力を発揮するときではと
思います。