四つ葉のクローバー2
良子は夫が帰ってきたと
おもって勢いよく玄関
の戸をあけたが・・・
良子には
龍一という子供がいた。

すみれも、紀夫を待っている
との話を一緒にした。

みすぼらしい、住まいだった。
経済的に困窮している。
時計はそのために売った。

すみれは、龍一の服を見て
ポケットが多いので
その機能性に良子らしいと
思った。
物を入れても落ちないように
作っている。

君枝だったらすてきな
デザインを考えるだろう
なぁと話をしていると、ふと
すみれは君枝の消息を
良子にたずねた。

さて、大阪の闇市の
ゆりは、商売に励んで
いた。

出ていく潔になんで私を置いて
行くのかと聞く。
二人で一緒に父の作った会社を
立て直すのではないのかと
潔に聞く。
「いまが一番苦しい時だから
こそ、一緒にやりたい」というが
潔はゆりを置いて
いった。
ゆりは、かなしくて
納得がいかない。

君枝の家を訪ねる良子と
すみれ。
進駐軍に使われているのが
君枝の家だったが
君枝はその裏の使用人の
建物に住んでいた。
姑の琴子がでてきた。
君枝は体を壊して臥せって
いた。
君枝も夫の帰りを待っている
身だった。
そこへすみれたちが
やってきた。
お互い声を掛け合って
会いたかったという。
君枝にも子供がいた。
健太郎という。
三人の子供たちはそれぞれ
似たような年頃だった。

「日本が負けて食べるものも
なく物もなく、たのしみもなく
・・・」と愚痴る。

三人ともどうやってこれから
生きていこうと話をする。

君枝の部屋ですみれはミシンを
見つけた。
すみれは、思い切って
手芸で自分で作ったものを
売って生活したいことを話した。

あさやで、雑貨を置いている。

写真いれとか
小物入れとか・・・

今の時代そんなものを買う人は
いなかった。
でも、売れるものはあると
すみれはいう。
「子供のものだったら売れるのでは」
といった。
母親としては自分のものを
買うより子供のものだったら
買うだろうという。

すみれは、一緒に三人で
しようという。
良子は商売はできないと
いった。
君枝も頑張れば報われると
いうものではない・・と
いう。

すみれは、がっかりしたが
帰るとき
姑の琴子が商売に誘わないでと
いった。
君枝を巻き込まないでという。
友情は時を経て変わって行くのだと
すみれは思った。
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何事も困難はつきものです。
でも一人でできるものなら
すみれも友達を誘わないと
おもいます。
なかなかできないことだからこそ
三人だったらなんとかできると
思ったのでしょう。
でも、時代は変わり
気持ちはしずみ
力を出そうにも
食べるものがない時代です。

パワーも出ないと思います。