花山、常子に礼を言う1
あなたの暮らしは右肩上がりに
売り上げを上げて行った。
そんなとき、家庭と仕事の両立に
なやむ大塚スミ子が
退職を希望した。
仕事はしたいが、家事育児が
大変でそのため、会社も休んだり
早退や遅刻がありみんなに迷惑を
かけるからという。
常子はこれからの女性の社会進出
と、家族の核家族化の時代をうけて
自分たちの会社はどう対応するべきか
と考えた。
そして、昭和49年4月社内会議と
なった。
あなたの暮らしの読者は
どんな人が多いのかと常子は
問いかけた。
「女性です。」
「女性でもどんな女性ですか?」
「主婦です。」
「主婦とはどういう生活環境の
かたですか?」
「結婚して家庭に入った人です。」
「では、結婚して働いている人は
主婦ではないのですか。」
社員たちは常子が何をいいだすのかと
耳を傾けた。
「いままでの女性は結婚して
家庭に入るのがあたりまえと
されてきたが、これからは
核家族で自分で家庭を守りながら
仕事もするという女性が増えてくる
から、それに対応するため
職場環境を整えたいといった。
つまり、仕事の内容によっては
わざわざ出社しなくても自宅で
仕事をしてくれたらいい」という
のだ。
あまりの画期的な意見に社員たちは
わいわいといった。
「また、働く女性の現状を
取材して、働く女性たちの
役に立つ雑誌でもありたい」と
常子は言った。
会議がおわり、それぞれが退社して
いった。
常子は大塚に声をかけた。
「充分すみこさんの気持ちに
こたえられるような考えにならなくて
ごめんなさい」と
あやまった。
「でも、職場環境を整えるので
退職を考え直してほしい。
スミ子さんのような人が
うちには必要なのだ」と
いった。
大塚は、「もう一度主人と話し合い
ます」といった。
そこへたまきがやってきた。
会社では、たまきは
常子がおばであっても
常子さんと呼んだ。
働く女性の参考になる企画とは
について考えたという。
「女性が多く働く会社に取材したて
悩みややりがちなどを聞き出したい」
といった。
そして、たまきは
「スミ子さんにも手伝ってほしい」と
いう。
スミ子は嬉しく思った。
花山はあなたの暮らし出版は
100人いれば100の暮らしがある。
よって、これからは
それぞれの暮らしを尊重する
企画を作るという常子の考え
をほめた。
花山も、また新しいあなたの暮らしの
在り方を考えていた。
花山が心筋梗塞で倒れて以来
嫁に出た茜が実家に様子を見に
帰って来ることが多くなった。
森井あかねにはみのりという
小さな娘がいた。
花山の孫である。
花山が家に帰ると
「じいじ===」と
いってまとわりついてくる
みのりがかわいい。
そのたびに花山家に笑いが
広がった。
常子は仏壇に手を合わせた。
トトとカカの写真がある。
鞠子は、職場環境改善の話を
美子から聞いたという。
「トトねえは、社員にとっても
トトなのね。
トトも、喜んでいるに違いない」と
いった。
会社ではさっそくたまきと
大塚スミ子が
働く女性の取材にいって帰って
きた。
「いい話がたくさん聞けた。
スミ子さんのおかげで
たくさん話をしてくれた」と
たまきがスミ子に感謝して
お互いが喜ぶ。
「今後の取材方針を花山に聞きたい」
とたまきがいう。
ところが花山はお昼近くに
なっても出社していなかった。
そこへ花山から電話が来る。
いま広島で取材をしているという。
4日後に帰るからと言って
電話が切れた。
常子は広島で何の取材かしらと
不思議に思った。
******************
商品試験は主婦の立場からの
発送がありました。
使いやすい、安全な商品を
安く買いたいという消費者への
情報提供です。
これが、家電業界を大きく発展させて
いく原因にもなりました。
いいものを作ると
よく売れて
経済もよくなるという発展に
とってかわったのでしたが。
常子が目を付けたのは
働く女性であり
働く奥様であり
働く、お母さんでした。
彼女たちはどういう職場環境
にいて、どういう悩みと戦い
どういう幸せを見出しているのか。
また、社会に自分の力を還元して
いっているのかという
女性の労働について取り上げようと
していました。
昭和49年です。
日本はどんどん経済発展を
していきます。
メイドインジャパンは
世界中
どんなところへでも人が
いるところなら
商品を売りに行きます。
そして、いいものを手にしたと
いう消費者の笑顔を
エネルギー源として
休むこともやめて
仕事をするので
ワークホリックとも
エコノミックアニマルとも
呼ばれるようになります。
さて
いまの日本にこんなパワーが
あるでしょうか?
ありません。
なぜ?
少子高齢化社会だからです。
其れも世界一です。
であるならば
常子が提案した
出社しない働き方という
のが、いまの高齢化社会では
必要になって来るのではと思います。
常子の発想は
いつも前向き未来志向ですね。
あなたの暮らしは右肩上がりに
売り上げを上げて行った。
そんなとき、家庭と仕事の両立に
なやむ大塚スミ子が
退職を希望した。
仕事はしたいが、家事育児が
大変でそのため、会社も休んだり
早退や遅刻がありみんなに迷惑を
かけるからという。
常子はこれからの女性の社会進出
と、家族の核家族化の時代をうけて
自分たちの会社はどう対応するべきか
と考えた。
そして、昭和49年4月社内会議と
なった。
あなたの暮らしの読者は
どんな人が多いのかと常子は
問いかけた。
「女性です。」
「女性でもどんな女性ですか?」
「主婦です。」
「主婦とはどういう生活環境の
かたですか?」
「結婚して家庭に入った人です。」
「では、結婚して働いている人は
主婦ではないのですか。」
社員たちは常子が何をいいだすのかと
耳を傾けた。
「いままでの女性は結婚して
家庭に入るのがあたりまえと
されてきたが、これからは
核家族で自分で家庭を守りながら
仕事もするという女性が増えてくる
から、それに対応するため
職場環境を整えたいといった。
つまり、仕事の内容によっては
わざわざ出社しなくても自宅で
仕事をしてくれたらいい」という
のだ。
あまりの画期的な意見に社員たちは
わいわいといった。
「また、働く女性の現状を
取材して、働く女性たちの
役に立つ雑誌でもありたい」と
常子は言った。
会議がおわり、それぞれが退社して
いった。
常子は大塚に声をかけた。
「充分すみこさんの気持ちに
こたえられるような考えにならなくて
ごめんなさい」と
あやまった。
「でも、職場環境を整えるので
退職を考え直してほしい。
スミ子さんのような人が
うちには必要なのだ」と
いった。
大塚は、「もう一度主人と話し合い
ます」といった。
そこへたまきがやってきた。
会社では、たまきは
常子がおばであっても
常子さんと呼んだ。
働く女性の参考になる企画とは
について考えたという。
「女性が多く働く会社に取材したて
悩みややりがちなどを聞き出したい」
といった。
そして、たまきは
「スミ子さんにも手伝ってほしい」と
いう。
スミ子は嬉しく思った。
花山はあなたの暮らし出版は
100人いれば100の暮らしがある。
よって、これからは
それぞれの暮らしを尊重する
企画を作るという常子の考え
をほめた。
花山も、また新しいあなたの暮らしの
在り方を考えていた。
花山が心筋梗塞で倒れて以来
嫁に出た茜が実家に様子を見に
帰って来ることが多くなった。
森井あかねにはみのりという
小さな娘がいた。
花山の孫である。
花山が家に帰ると
「じいじ===」と
いってまとわりついてくる
みのりがかわいい。
そのたびに花山家に笑いが
広がった。
常子は仏壇に手を合わせた。
トトとカカの写真がある。
鞠子は、職場環境改善の話を
美子から聞いたという。
「トトねえは、社員にとっても
トトなのね。
トトも、喜んでいるに違いない」と
いった。
会社ではさっそくたまきと
大塚スミ子が
働く女性の取材にいって帰って
きた。
「いい話がたくさん聞けた。
スミ子さんのおかげで
たくさん話をしてくれた」と
たまきがスミ子に感謝して
お互いが喜ぶ。
「今後の取材方針を花山に聞きたい」
とたまきがいう。
ところが花山はお昼近くに
なっても出社していなかった。
そこへ花山から電話が来る。
いま広島で取材をしているという。
4日後に帰るからと言って
電話が切れた。
常子は広島で何の取材かしらと
不思議に思った。
******************
商品試験は主婦の立場からの
発送がありました。
使いやすい、安全な商品を
安く買いたいという消費者への
情報提供です。
これが、家電業界を大きく発展させて
いく原因にもなりました。
いいものを作ると
よく売れて
経済もよくなるという発展に
とってかわったのでしたが。
常子が目を付けたのは
働く女性であり
働く奥様であり
働く、お母さんでした。
彼女たちはどういう職場環境
にいて、どういう悩みと戦い
どういう幸せを見出しているのか。
また、社会に自分の力を還元して
いっているのかという
女性の労働について取り上げようと
していました。
昭和49年です。
日本はどんどん経済発展を
していきます。
メイドインジャパンは
世界中
どんなところへでも人が
いるところなら
商品を売りに行きます。
そして、いいものを手にしたと
いう消費者の笑顔を
エネルギー源として
休むこともやめて
仕事をするので
ワークホリックとも
エコノミックアニマルとも
呼ばれるようになります。
さて
いまの日本にこんなパワーが
あるでしょうか?
ありません。
なぜ?
少子高齢化社会だからです。
其れも世界一です。
であるならば
常子が提案した
出社しない働き方という
のが、いまの高齢化社会では
必要になって来るのではと思います。
常子の発想は
いつも前向き未来志向ですね。
