常子、小さな幸せを大事にする5
宗吉は南に店を譲りたいといった。
「大将、ありがとうございます。」
南は宗吉と照代におじきをして
美子と一緒に店を出た。

「ついでくれるかしらね?」
照代はつぶやく。
「あとは、あいつしだいだ。
人生何があるかわからないな。」

そこへ客がやってきた。
宗吉は「いらっしゃい」といった。

南は美子と歩きながら
いった。
「美子、おれにおみおつけをつくってく
れないか。」

美子は、突然のことに、どういうことか
わからなかったが・・・

毎日作って欲しいという。
つまり、プロポーズだった。

その夜、ふたりは、小橋家に行き
君子と常子を前に
あいさつをした。

南は、「美子さんをください」という。

君子と常子は
座布団から降りて
座りなおして
常子がいった。
「ふつつかな妹ですが
どうぞよろしくおねがいします。」

南も「よろしくお願いします」という。
そして常子は「おめでとう」と美子に
いった。
「ありがとう、カカ
トト姉ちゃん・・・」

次の休日のことだった。
小橋家でお祝いの食事会と
なった。
南は店を継ぐことになり
これからのことを思って
披露宴の経費をおさえるために
披露宴はしないことにした。

水田は美子に「お付き合いのきっかけ
は?」と聞いた。

美子が森田屋に食事に行ったとき
ポテトサラダがおいしくて
宗吉に聞くと南が作ったと
いった。
南は、そのころ、つけあわせの
ポテトサラダの研究をしていた。
南もおいしそうに食べる美子に
心を奪われたようだった。

仏壇のトトの写真の前に
ポテトサラダをお供えした。
そして食事会がはじまった。
水田は南たちにどこに住むのか
と聞く。
団地に住むという。
この時代、団地がはやっていましたね。
小橋家はカカと常子の
二人暮らしになる。

水田は常子に「いずれ大きな家に住みたい
とおっしゃっていましたね」という。
「その時は、いっしょに住まわせてください」と
いった。
仕事に忙しくても鞠子とたまきが
君子のもとにいたら安心だ
というのだ。
すると南が
「俺たちもいいですか」と聞く。

君子はうれしくて
「夢みたい。楽しいでしょうね」といった。
みんなが常子に
「大きな家をお願いします」と
声をそろえた。

そこへ、来客があった。
常子が出るとそこには
鉄郎がいた。
ながらく、姿を見かけなかった
おじである。
現れると
なにかしら、事件を起こして
さっていく。
驚く常子に嫁だと言って幸子を
紹介した。
幸子と一緒に魚沼で
農家をやっている。
おどろく常子と
鞠子と君子に美子。
鞠子は、自分の結婚式のとき
確かに魚沼に招待状をだした
ことを思い出した。
そのときはハタハタ漁に手を出して
破たんしていたので
来ることができなかったらしい。

「ところで
常子、雑誌を出してないじゃないか」と
いう。
常子は、「え?」と驚く。
あなたの暮らしを出しているのに
なぜそういうかというと

鉄郎は「スタアの装い」をいって
いるのだった。

まず鉄郎と常子たちの
あれからの人生を埋める会話が
必要となった。
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いよいよ、常子の目標のひとつ、
美子を嫁に出す。
そんな小橋家の喜びの中で
鉄郎が帰って来る。

そのまえに、
大きな家で、鞠子たちとの同居
の計画に、君子はうれしそうだったが
それに、南も載ったのだから
益々、君子はうれしいだろうと
思った。

ひとり
ひとりと

娘たちがいなくなり

常子とふたりっきりに
なることを
覚悟していた君子
だったと思うが

その常子の目標のひとつ
に、家を建てることと
あった。
それがかなえられる日が
くるという。
その喜びの中で
鉄郎がやってきたのだ。

男手がない時代に
鉄郎が不器用ながらも
常子たちを守ってきた
のは確か。

それより君子さんは
本当に幸せなかたですね。

娘たちに守られて
戦争戦後を生き抜いて
また、娘たちの伴侶からも
一緒に住みたいと
いわれて、本当に
しあわせだと
思いました。
じじぬきとかババ抜きとか
言われましたが
にぎやかなほうがいいに
きまっているでしょ?