常子、小さな幸せを大事にする3
国実は五社のメ―カーに
洗浄率の試験の仕方を
尋ねた後あなたの暮らし出版は
洗浄率をどう試験しているのかと
聞いた。
常子は、立ち上がり
自分たちは三種類の洗剤を使って
汚染布を使わずに
実際、汚れたシャツ、くつした、
シーツなどを使って実験したと
いう。
そして、きれいになったかどうかは
目視で確認したといった。
「目視ですか?」
国実は、馬鹿にしたように
いったので、会場内は
がやがやとした。
「しかし」、と常子は言う。
「ここで生地の傷み具合には注目すべき点が
ありました。
特に洗う時間の短いことを売りにして
いる杉芝電気さんは、あまりにも
力が強すぎてシャツの胸ポケットが
やぶれたり、生地が傷んだりした」と
いった。杉芝は「自分たちは汚染布を
つかって何度も実験したけどそんな
結果にならなかった」という。
花山は
「それは綿の汚染布をつかった
実験でしょう。」といった。
各メーカーは汚染布を使うが
常子たちは普通に洗うシャツを使った。
それは木綿だけではなく
ナイロンやビニロンなどの素材が
あることを訴えた。
そして、「こんなに生地が
いたんだ」とやぶれた
ポケットのシャツをみせた。
「おいおい、ひどいな」とアカバネが
いった。
花山は、「よごれおちが
不十分なのはどこのメーカーも
同じです」と言って座った。
常子は「各メーカーが汚染布を
使って実験をした結果
わからなかったことがもう一つ
あります。
こういうシャツですが・・」と普通の
シャツをだした。
洗ったシャツを
ローラーで絞るときに
シャツのボタンがひっかかり
むりやり絞ると
ボタンが割れたりしたことを上げた。
すべてのシャツでボタンがいたんだ。
汚染布ではわからないことだ。
「これでは、絞り率が
規定にあっているといっても
消費者は困ります」
国実は納得して、つぎの
項目にいった。
次に騒音の試験についてである。
各社騒音計を使ってモーター音を
テストしている。またある会社は
「機械に聴音機を
あてて人間に聞こえない異常音まで
調べています。」といった。
それはあなたの暮らしもおなじだった。
が、ある会社は
水を入れないで動かしているときと
水を入れているときのデータも
とっているという話をした。
常子にとってこれは気が付かなかった
ことだった。
水を入れると音が小さくなるし
水を入れないと大きな音になる。
「次の試験からはそのような要素を
取り入れたいと思います。」
「ほお~~」と、国実はいう
アカバネは、ここぞとばかりに
アピールをした。
「自分たちも騒音計を使います。
当社独自でやっています」という。
そしていちいち、国実に「これを書いて
くださいね」とアピールする。
アカバネはたちあがり、「わが社は
脱水だけではなく
乾燥ができる洗濯機を開発する予定です」
といった。
会場から
「ほお~~っ」と声が出た。
「来年には商品化される可能性があります。
ご期待ください・・・と
記事にかいておいてくださいな」と国実に
いった。
「来年ですか楽しみですね」と国実はいう。
村山や酒井はそんな話は聞いて
いないと社長にみみうちを
するが、「おまえにはがっかりしたぞ
村山、変われ、ここから俺が
話をする。」といった。
次に耐久性について
の項目にうつった。
日家電は
「無作為に100台の洗濯機を選んで
500回回してモーター等に
損傷がないかどうか調べて
います。」
「500回は普通ですか?多いのですか?」
「うちは700回です。」
「うちは1000回だ」とアカバネは言う。
すると「日家電さんの倍ですね。」と
国実が言うのでアカバネは
満足そうに笑った。
うちはもっと過酷な耐久テストをしていると
いう会社もあった。
ハンマーでたたいたりしているらしい。
花山は「自分たちがやった耐久テストでは
満足な結果を出したメーカーはなかった」と
いった。
アカバネは、怒ったが
花山は「どんな場所で耐久テストをしています
か」と聞く。
「う?むむむ・・」とつまるアカバネに村山は
「社屋の試験場です」と
いった。
花山は多くの家庭は排水のこと
もあって、屋外に洗濯機を置く場合が
おおいといった。
その場合、太陽に照らされっぱなしに
なって、特にアカバネの製品は
タイマーのつまみなどが
プラスチックなので傷んだり
とけたりするという。
そしてもう一つ、見えないところも
問題があって、
湿気の多いところで使うので
洗濯機のそこがそのまま丸見え
だと湿気が機械の中に入ってきて
錆びてしまうことも訴えた。
「これで耐久性があると言えますか?」
「アカバネの製品はもっとひどい」と
常子は言う。
「ほかのメーカーは水がいっぱいになって
もまだ10センチぐらい
洗濯漕の高さがありますが
アカバネはぎりぎりなので
いっぱい水を入れて
洗濯機を回すと・・・
水があふれます。」
するとアカバネは怒って
「そんなもの、見ていたらいいんだ」と
いった。
すると常子は「主婦は洗濯をしながら
お湯を沸かしたり子供が
怪我をしないかとみていたり
と忙しいのです。」
そんな主婦に洗濯機の監視をしろとは
なにごとだと常子はいうと
会場から康江や綾が「そうだそうだ」と
声を上げた。
「アカバネさん、主婦は三万円もかけて
この洗濯機を買ったのですよ。
見ていればいいという問題では
ないでしょう?」
会場は騒然となった。
アカバネは、「こんなのは認めん」という。
が、国実はそれをみていて
常子たちが使用者の立場に立って
試験をしていることを認めた。
常子は言った。
「洗濯機はいろんなものを
洗います。子供がおおければ
毎日洗濯をします。
枚数も多い。そして、主婦はじっと
ひとところにいるわけではないのです。」
「そうだ、そうだ」と声が上がった。
「アカバネさん、洗濯機のキャッチフレーズは
なんでしたか?」
社長が言葉に詰まった。
村山が、「洗濯機が主婦を解放する」と
いった。
常子は「確かに洗濯機のおかげで
大変な労働から解放されました。
これは夢の機械です。洗濯機だけ
ではありません。
そうよね、よっちゃん」と
常子はいかに主婦の労働時間が
短くなっているのかという
ことをアンケートに取ったことを
ここで発表しろと
いう合図をした。
美子は、アンケートの結果を発表した。
薪でご飯を炊いていた時代と比べて
電気ガマができてその分時間が
短くなったという。
「一日中、家事に追われていた主婦を
解放しました。」
「これはどうやって?」と国実が聞く。
1000人の主婦にアンケートをとったと
美子が言う。
「1000人?」
国実は驚いた。
そしてアンケートの山を見た。
常子は「だからこそメーカーの人たちには
志をもって作って欲しいのです。」という。
アカバネは「こころざしだって?持っているよ。
われわれは一円も安く提供しているのだ」
花山は言った。
「いくら安くても不良品を届けられたら
たまったもんじゃないよアカバネさん。」
「安いものを届けてどこがわるい?
ほしいものを安く買いたいと願うのは
当たり前のことだろうが!!
え???」
*********************
この公開試験は常子たちにとって
おおきな試練となったけど
また大きな成果ともなりました。
あの雑誌の書いてあることは正しいという
口コミです。
そして、新聞社をみごと自分たちの味方に
つけました。
これは大きな成果です。
常子が
あの大樹のやけどに心を痛めて
大樹が心まで傷ついて
悲しい思いをしている姿を
思い浮かべて、不良品を
ゆるさないという正義感に
燃えたのでしょうか。
いまでは考えられませんが
消費者目線などありませんから。
この続きが楽しみです。
国実は五社のメ―カーに
洗浄率の試験の仕方を
尋ねた後あなたの暮らし出版は
洗浄率をどう試験しているのかと
聞いた。
常子は、立ち上がり
自分たちは三種類の洗剤を使って
汚染布を使わずに
実際、汚れたシャツ、くつした、
シーツなどを使って実験したと
いう。
そして、きれいになったかどうかは
目視で確認したといった。
「目視ですか?」
国実は、馬鹿にしたように
いったので、会場内は
がやがやとした。
「しかし」、と常子は言う。
「ここで生地の傷み具合には注目すべき点が
ありました。
特に洗う時間の短いことを売りにして
いる杉芝電気さんは、あまりにも
力が強すぎてシャツの胸ポケットが
やぶれたり、生地が傷んだりした」と
いった。杉芝は「自分たちは汚染布を
つかって何度も実験したけどそんな
結果にならなかった」という。
花山は
「それは綿の汚染布をつかった
実験でしょう。」といった。
各メーカーは汚染布を使うが
常子たちは普通に洗うシャツを使った。
それは木綿だけではなく
ナイロンやビニロンなどの素材が
あることを訴えた。
そして、「こんなに生地が
いたんだ」とやぶれた
ポケットのシャツをみせた。
「おいおい、ひどいな」とアカバネが
いった。
花山は、「よごれおちが
不十分なのはどこのメーカーも
同じです」と言って座った。
常子は「各メーカーが汚染布を
使って実験をした結果
わからなかったことがもう一つ
あります。
こういうシャツですが・・」と普通の
シャツをだした。
洗ったシャツを
ローラーで絞るときに
シャツのボタンがひっかかり
むりやり絞ると
ボタンが割れたりしたことを上げた。
すべてのシャツでボタンがいたんだ。
汚染布ではわからないことだ。
「これでは、絞り率が
規定にあっているといっても
消費者は困ります」
国実は納得して、つぎの
項目にいった。
次に騒音の試験についてである。
各社騒音計を使ってモーター音を
テストしている。またある会社は
「機械に聴音機を
あてて人間に聞こえない異常音まで
調べています。」といった。
それはあなたの暮らしもおなじだった。
が、ある会社は
水を入れないで動かしているときと
水を入れているときのデータも
とっているという話をした。
常子にとってこれは気が付かなかった
ことだった。
水を入れると音が小さくなるし
水を入れないと大きな音になる。
「次の試験からはそのような要素を
取り入れたいと思います。」
「ほお~~」と、国実はいう
アカバネは、ここぞとばかりに
アピールをした。
「自分たちも騒音計を使います。
当社独自でやっています」という。
そしていちいち、国実に「これを書いて
くださいね」とアピールする。
アカバネはたちあがり、「わが社は
脱水だけではなく
乾燥ができる洗濯機を開発する予定です」
といった。
会場から
「ほお~~っ」と声が出た。
「来年には商品化される可能性があります。
ご期待ください・・・と
記事にかいておいてくださいな」と国実に
いった。
「来年ですか楽しみですね」と国実はいう。
村山や酒井はそんな話は聞いて
いないと社長にみみうちを
するが、「おまえにはがっかりしたぞ
村山、変われ、ここから俺が
話をする。」といった。
次に耐久性について
の項目にうつった。
日家電は
「無作為に100台の洗濯機を選んで
500回回してモーター等に
損傷がないかどうか調べて
います。」
「500回は普通ですか?多いのですか?」
「うちは700回です。」
「うちは1000回だ」とアカバネは言う。
すると「日家電さんの倍ですね。」と
国実が言うのでアカバネは
満足そうに笑った。
うちはもっと過酷な耐久テストをしていると
いう会社もあった。
ハンマーでたたいたりしているらしい。
花山は「自分たちがやった耐久テストでは
満足な結果を出したメーカーはなかった」と
いった。
アカバネは、怒ったが
花山は「どんな場所で耐久テストをしています
か」と聞く。
「う?むむむ・・」とつまるアカバネに村山は
「社屋の試験場です」と
いった。
花山は多くの家庭は排水のこと
もあって、屋外に洗濯機を置く場合が
おおいといった。
その場合、太陽に照らされっぱなしに
なって、特にアカバネの製品は
タイマーのつまみなどが
プラスチックなので傷んだり
とけたりするという。
そしてもう一つ、見えないところも
問題があって、
湿気の多いところで使うので
洗濯機のそこがそのまま丸見え
だと湿気が機械の中に入ってきて
錆びてしまうことも訴えた。
「これで耐久性があると言えますか?」
「アカバネの製品はもっとひどい」と
常子は言う。
「ほかのメーカーは水がいっぱいになって
もまだ10センチぐらい
洗濯漕の高さがありますが
アカバネはぎりぎりなので
いっぱい水を入れて
洗濯機を回すと・・・
水があふれます。」
するとアカバネは怒って
「そんなもの、見ていたらいいんだ」と
いった。
すると常子は「主婦は洗濯をしながら
お湯を沸かしたり子供が
怪我をしないかとみていたり
と忙しいのです。」
そんな主婦に洗濯機の監視をしろとは
なにごとだと常子はいうと
会場から康江や綾が「そうだそうだ」と
声を上げた。
「アカバネさん、主婦は三万円もかけて
この洗濯機を買ったのですよ。
見ていればいいという問題では
ないでしょう?」
会場は騒然となった。
アカバネは、「こんなのは認めん」という。
が、国実はそれをみていて
常子たちが使用者の立場に立って
試験をしていることを認めた。
常子は言った。
「洗濯機はいろんなものを
洗います。子供がおおければ
毎日洗濯をします。
枚数も多い。そして、主婦はじっと
ひとところにいるわけではないのです。」
「そうだ、そうだ」と声が上がった。
「アカバネさん、洗濯機のキャッチフレーズは
なんでしたか?」
社長が言葉に詰まった。
村山が、「洗濯機が主婦を解放する」と
いった。
常子は「確かに洗濯機のおかげで
大変な労働から解放されました。
これは夢の機械です。洗濯機だけ
ではありません。
そうよね、よっちゃん」と
常子はいかに主婦の労働時間が
短くなっているのかという
ことをアンケートに取ったことを
ここで発表しろと
いう合図をした。
美子は、アンケートの結果を発表した。
薪でご飯を炊いていた時代と比べて
電気ガマができてその分時間が
短くなったという。
「一日中、家事に追われていた主婦を
解放しました。」
「これはどうやって?」と国実が聞く。
1000人の主婦にアンケートをとったと
美子が言う。
「1000人?」
国実は驚いた。
そしてアンケートの山を見た。
常子は「だからこそメーカーの人たちには
志をもって作って欲しいのです。」という。
アカバネは「こころざしだって?持っているよ。
われわれは一円も安く提供しているのだ」
花山は言った。
「いくら安くても不良品を届けられたら
たまったもんじゃないよアカバネさん。」
「安いものを届けてどこがわるい?
ほしいものを安く買いたいと願うのは
当たり前のことだろうが!!
え???」
*********************
この公開試験は常子たちにとって
おおきな試練となったけど
また大きな成果ともなりました。
あの雑誌の書いてあることは正しいという
口コミです。
そして、新聞社をみごと自分たちの味方に
つけました。
これは大きな成果です。
常子が
あの大樹のやけどに心を痛めて
大樹が心まで傷ついて
悲しい思いをしている姿を
思い浮かべて、不良品を
ゆるさないという正義感に
燃えたのでしょうか。
いまでは考えられませんが
消費者目線などありませんから。
この続きが楽しみです。
