常子、小さな幸せを大事にする2
赤羽根社長赤羽憲宗は
常子がたちが公開試験に踏み切って
くれたことをうれしく思った。
「恥をかかせてやる。」

アカバネは
戦後小さな町工場から苦労をして
いまの大企業に成長した。

食うや食わずの時代、貧乏のどん底で
苦労をしてきたのだ。

「あの暮らしに戻りたいか?」と
赤羽根は酒井と村山に聞く。
「いいえ。」

「今や日本は豊かなものがあふれる
時代となり、いまに世界一の
経済大国になるだろう。
日本を世界一の豊かな国
にするために金持ちになって
貢献するんだ。
まけられない」といった。

常子たちはメーカーとの公開試験の
日にちをきめ
洗濯機の商品試験もテスターを増やし
た。
その中にはあのやすえと綾がいた。
「このままではくやしいから、
なんとかがんばる」と
康江はいった。

また、美子は
森田屋で顔見知りの主婦を集めて
一日の時間のスケジュールの
アンケートを取った。

家電が行き渡るようになって
主婦の家事にかかる時間が
ずいぶんと短縮された
ので、家ではどうすごしている
のかというアンケートである。

「そういえば、」と鞠子は
「かかは、一日中
家事をしていたわ」といった。

君子はずっと台所
にたっていたことを
おもいだした。
「今は便利になったから
楽になった」という。

厨房では宗吉が南に「はやく結婚したい
のではないのか」と冷やかしていた。
南は美子の仕事を理解していて
「今はまだ落ち着かないから」と
いった。

そのころ、電気店で販売をして
いた村山に酒井が聞く。
「社長はあの件は知らないだろうな」と。
村山は「すぐにどうなるというわけでは
ないから、一回ぐらいの試験では
大丈夫だ。」となにやら
怪しげな会話をしていた。

商品試験をしている
常子の会社では
一キロの衣類を1時間で
洗剤は〇〇を使うという
設定で洗濯試験をしていた。
花山がやってきた。
「何回目になるのか」と聞くと
社員は「666回です」という。
花山は「さっきと違う音がする」と
いった。
すると、いきなりある洗濯機の
コンセントがショートして
大きな音をたてて火がついた。

花山は中止をしながら
コンセントを抜き
その中身を外してみると

「これは・・・」といった。
本木はカメラに収めた。
その洗濯機はアカバネだった。

会社では照代が食事に来た
お客さんに書いてもらったと
いって美子のアンケートを
できた分持ってきてくれた。

常子はそれをじっと見て
考えていた。

やがて
昭和33年6月。
大東京新聞の主催で
公開試験が行われた。
参加メーカーは5社。

そして、あなたの暮らし出版
からは常子と花山が参加した。

アカバネはじっと常子を見て
なんだか笑っているようだった。
常子は緊張した。
花山は「いつものとおりにやれば
いいんだ」といった。
国実は
各社に
それぞれの項目のうち
どれにどんな試験をしているのか
を聞いた。
洗濯機の洗浄率は35パーセントと
決められている。
すぎうら電機は
洗濯時間を短くすることに
努力をして5分で35%になるといった。
自社の試験では汚染布を使うという。
ワザと汚した布を用意する。
それは、すみや、食べ物や
化粧や、珈琲や油など
生活によくでてくる汚れを
ワザと布につけて洗ってみた結果
の洗浄率クリアだった。

またドロ専用にきれいになるように
作っているという会社もあった。
そこは、実際の農作業の服を
使って試験をするという。

またどんな水でも対応できる
洗濯器ですという会社もあった。

アカバネは
村山がいった。
うちは大容量であらっても洗浄率は
45%ですといった。

それに対してあなたの暮らし出版は?
と試験結果を求められた。

常子は、データに目を落として
話を始めた。
******************
いよいよ始まりました。
常子の日頃の考えが
実を結びますように。。。と思います。

アカバネも結構苦労されたのですね。
だからと言って不良品を世に出したら
だめですよ。
どんな事故が起こるかわからないから。
現にあなたの暮らし出版で
商品試験をしていた時
プラグから火が出たではないですか。

あぶないですよ~~~

そして村山のいみしんな
発言が。。。

アカバネ社長に内緒にして
いる何かがありそうです。