常子、仕事と家庭の両立に悩む1
青葉と大樹は日曜日が来るのが
楽しみだった。
わくわくしている。
しかし、常子の会社ではそのころ
不信な男の話題となった。
ハンチング帽をかぶった男に
つけられたとか
見張られたとか

アカバネのもめ事以来
心配なことが多い。

そんなとき、印刷所から電話が
あった。
「原稿はまだですか?
記事を差し替えるので今までの分は
破棄してほしいといわれた。
が、代わりの原稿はまだか」と聞く。
常子は、記事の差し替えなど指示した
覚えはない。
藤野という人から連絡をもらったと
いうが、そんな人は会社にはいない。
それどころか印刷が止まったままだと
今のままでは
発行ができない。

「もう一度原稿を起こさないと」
といって常子は花山に頭を下げた。
「これもアカバネの仕業かしら」というが
花山は「そんなこと言ってられない」と
いって原稿をもう一度書き出した。

星野宅ではわいわいと
動物園息を楽しみに青葉と大樹が
話をしている。
そこへ常子から電話があった。

常子は事情を説明して動物園へ
いけれなくなったことを告げて
謝った。
星野は「仕方ありません、また次の
機会に」という。
常子は「子供たちにも謝りたいので」
といった。
大樹は、すなおに応じたが
青葉はわんわんとないで「おばちゃまの
うそつき」といった。

その日は会社で徹夜だった。
美子は常子を気遣った。
動物園行きのキャンセルを残念だったと
いった。
「また今度いけばいいわね?」というが
常子は、「立場上仕事優先になる
ので、また今度もこんな風に
なるかも」といって
ため息をつく。
「仕事と家庭の両立は私には無理
なのかも」といった。

「みんなわかっているから、まずは
やれるところからやりましょう」と
美子が言う。

翌朝まで常子と花山は原稿を
書いていた。

そこへ「ごめんください」といって
男がやってきた。
ハンチング帽の男である。
大東京新聞の国実という。

一晩、電気が消えなかったので
なにかあったのですかという。
そして常子たちの出版社は
広告もとらずに、商品試験など
素人のやり方でやって、
人のためにというが、どんな利益が
あるのか、また社長が女性である
ことにも世間は興味をもって
いることを話した。
よかれあしかれ
注目をされていることである。
花山は「今は忙しいので
取材は受けられない」と
いった。
国実は、「商品試験などをして
売り上げが落ちて
倒産するメーカーもあるのですよ。
そんなとんでもない試験をしてなんの
得があるのですか?あ、雑誌が売れるの
か・・。世間では時代の寵児との
うわさですが、本当はどう思っています
か?」
花山は「取材は受けないといっただろ」と
きつく言った。
国実は、納得して帰って行った。
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投石でガラスを割るどころか
一番、きついところへきました。
印刷所への印刷妨害と
原稿の間違った破棄です。
あってはならないことですが
常子は大打撃を受けました。

急いで原稿を上げることと
子供たちが楽しみにしている
動物園へ行くことを断ること
になりました。

こどもですから。
わかったといっても
心は傷がついています。
がっかりしています。
青葉は
わんわんなきました。
子供たちにこれほど
辛い思いをさせたことを
常子もつらかったことだろうと
思います。

ずっと見張っていた
ハンチング帽の男が
現れました。
国実という記者です。
あなたの暮らしに興味を
もっているのでしょう。
悪い男ではなさそうです。

おそらく、差し替えの件で
藤野となのったという男
でもなさそうです。

ずっと常子の会社を見張って
いましたね・・・
何か感づいたのかもしれません。