常子、子供たちの面倒を見る4
常子は美子が南から結婚を考えて
いるとつげられたという報告を
美子から聞いた。
常子はうれしくて、笑顔になるが
美子は気がかりがあるという。
それは常子のことだった。
ふつうなら姉の常子が結婚して
この家を出るはずだが
妹の自分が先に行くことに
躊躇している。
しかも、君子のことも常子に
押し付ける格好になってないかと
おもっている。
「いいのよ、私のことは」と
常子は言う。
いつもそうだ。
常子は自分のことよりひとのことを
優先するのである。
美子はそれが気になっていた。
「もっと自分を頼って欲しいし
もっと弱みを見せてほしい。
なぜ頼ってくれないのか
なぜ、本心をいってくれないのか」と
聞く。
常子は「自分は十分幸せだ」と
いった。
「鞠子も美子も好きな人の所へ
いって幸せになっていくことを
見届けることができるし
自分にとって会社や社員さんは
私の子供のようなもの。
みんなの成長がうれしい」と
いった。
星野のことはどう思うのかと
美子は気になっていることを
聞いた。
常子は
「星野さんは昔からの友人よという。
いま、星野宅へいっているのは
星野さんの力になりたいと
思っているからだ」といった。
そして、「弱音を吐くのは苦手なの
よ、心配かけてごめんね」と
いった。
美子は常子に弱音を吐いてほしいと
いった。
常子は
「わかった、やってみる」
といったので
二人は大笑いをした。
さて、トースターの商品試験の
雑誌が発行される日となった。
大評判でよくうれた。
また、編集室にも
問い合わせや、感謝の手紙やら
電話、手紙、はがきなどが
到着する。
また追加注文も来る。
会社は活気に満ちていた。
花山は、つぎは普及率50%に
なっている電気アイロンを試験し
ようという。
いま電球の試験も途上で
やっている。
そこになにやら騒がしい声が
した。
「責任者をだせ
おまえたちではだめだ」と
本木や扇田、岡がたちが
対応しても男が騒いでいる。
花山と常子はなにごとかと
編集室にいった。
ちとせ製作所の社長
田中利一だった。初老の
男性である。
「責任者は誰だ。」
「私ですが」と花山がいう。
「あんたが社長か」というと
「いいえ、私が」と常子がいいかけた
のを花山がとめた。
大手のメーカーのトースター
とともに小規模メーカーの
ちとせ製作所の
トースターも商品試験を
したのだった。
それが、結果的にいいものでは
なかった。雑誌に
粗悪品とかかれたので、
返品があいついでいる
という。
もちろん、納品も断られているという。
死活問題である。
田中の言い分は
「大手と比べて小さな工場だから
安い経費で作っているのだ。
そうじゃないと、売れない。
大手にかなうわけがない。
記事は公平公正ではない、
好き勝手でたらめ書きやがって
売り上げがガタ落ちではないか」
という。
花山は、「でたらめは書いてない。
制作費用がいくら
かかっていようとも、大手企業
の製品と同じ店に並べられると
消費者に一律に見定められる。
大手も小規模も
商品の在り方に違いはない」という。
田中は安い部品で低コストでうるしか
ない自分たちの会社の事情を
うったえたが。花山にとってはいくらで作って
いくらで売ろうが
それがいいものであれば
いいわけである。
しかし田中の会社が作るトースターは
結果、粗悪品だった。
花山はそこをいった。
「消費者をなめるな、責任をもつ覚悟で
作るべきだ。自分たちも
責任をもってこの記事を書いた」と
いう。
田中は「電気製品のシロート
に何がわかる。
えらそうに本屋がほざくな。
おまえら、覚えておけよ」
といった。
田中は捨て台詞を残して
さっていった。
シーンとしている編集部のメンバーに
花山は、「終わったから仕事に戻れ」と
いった。
常子は心配した。
「あれは口だけだ」、と花山がいうが
常子は「ちとせ製作所へいってきます。
きちんと話をしなくては、あのまま
ではなにをするかわからない」といった。
常子はちとせ製作所を訪ねた。
そこは小さな町工場だった。
事務所をのぞくと
先ほどの田中が
必死で受話器をもって頭を下げている。
返品やら、取引停止やらで
死活問題になっているのだ。
その妻らしき女性が
「どうしてこんなことになった
のか」と愚痴る。
田中は「直接出向いて頭を下げたら
なんとか、考え直してくれるだろう」
といった。
常子は声をかけられずに
去って行った。
会社に帰ると
カフェ浪漫以来の友人となった
源氏名こずえ、本名はともえが来ていた。
そして、剃刀の商品試験の手伝い
をしていた。
「日本製は、すぐにダメになるね」と
いう。
常子を見て「今日は大変だったのね。
でも気にしたらダメよ、まけないで」と
励ました。
その日は木曜日だった。
常子は帰るしたくをした。
あすの朝の仕事の確認を大塚
にして、荷物を持った。
美子が、常子が険しい顔をしている
ので「なんて顔をしているのよ」と
いった。
常子は、「そうね」といって無理に笑おうと
しながら会社を出た。
星野宅のまえにいくと
家政婦が帰ろうとしていた。
常子を見て、「子供たちが待って
いますよ、私も遅くまで
いられたらいいけど。この時間まで
なのよ。」というと
常子は「大丈夫です、来たくて
来ているのですから」といった。
家政婦はにこやかにあいさつをして
去って行った。
常子は、ドアの前に立ち
呼吸を整え
笑顔を作って
今日あったことをとりあえず
忘れようと
思った。
ドアが開いて青葉と
大樹が現れた。
そして、青葉は「おばちゃま~~」
といって
常子に抱き着いた。
常子を書いたといってお絵かきを
みせてくれた。
絵を見ながら、「ひげがあるよ」と
大樹が笑う。
「ちがうよ、ひげではないから」と青葉が
いう。
そのやり取りに常子は
明るく笑った。
*****************
常子は弱みを見せないというより
弱音を吐かない、鞠子もいっていたけど
自分が大変であればあるほど
周りに気を使って明るくしていると
いう。そんな性格である。
常子の幸せを思うと
妹の鞠子や自分が先に
結婚するのは美子にとって
気がかりになことなのであろう。
自分たちのために常子が
結婚できないとしたら
如何しようと思ったのだろう。
たまには弱音を吐いてよという
セリフは、これから起こる
事件?の予告かな???
とか思いますけど。
トースターの商品試験の
結論はいいものがなかったという
ことだった。
まともなものがなかった
のだった。
田中にとってこれくらいの
商品開発費用しかかけられない
なら、部品もこのくらいの
物しか買えないと
自分たちの資本力のキャパを
きめてしまって、この範囲で
作った商品を世に出している。
絶対いいものだから
安くてもいいものだから
使ってほしいという
制作者の良心がない。
花山は、読み手のことを考えて
いつも原稿には厳しかった。
ホットケーキのレシピを
鞠子に書かせたとき
あまりにもダメなので
どうだめなのかを水田を使って
現行通りにホットケーキを造ると
どうなるかという実験をした。
すると、料理慣れをしていない
水田は書いてある通りに造った
が、丸く焼けない、固くなる
こげてしまうなど
失敗作ができた。
しかし、書いてある通りに造った
のだった。
鞠子はやっと、自分の原稿が
いかに自分本位かということを
しったのだった。
こんな風に花山は、
きちんとした雑誌を
作ろうと必死だった。
美子が言う。花山は
一行一行に全身全霊をこめて
いるのだ。
それほど、自分の記事には責任を
もって、世に出している。
その花山だからこそ
いえることだった。
店にならべば大手も小規模もない。
消費者には平等に商品として
見極められるという。
そして使っていくほどに
思い通りにパンが焼けなかったりすると
これは、粗悪品と言われても仕方が
ない、というか、当然である。
田中の言い分はいったいなん
なんだろうと思った。
小規模会社をいじめるなということ
なんだろうか?
だったら、いいものを作れと
言い返したい。
安くてもいいものだったら
いいのである。
またあの場所で常子に
社長は私です
と言わさせずに
自分が社長だといった。
花山のこころ配りだった
のかもしれない。
常子には田中への
対応はできないと
思ったのだろう。
実際、何もできずに帰って
きたのだから、やはりとしか
いえない。
本日の最後のシーン。
あさいちの朝ドラウォッチャーの
有働さんが
「仕事で嫌なことがあっても
あれですよ」。
と、星野家のドアを開ける
常子の場面をいった。
「外であった嫌なことは家庭に
もちこまないという
世の働くお父さんお母さん
の思いですよ。」
常子はドアの前で
意識して笑顔を作った
のです。
・・・
きっと常子はその日の嫌なことを
青葉や大機と一緒に
すごすことで
癒されたと思います。
子供の力は
すごいですから・・・。
常子は美子が南から結婚を考えて
いるとつげられたという報告を
美子から聞いた。
常子はうれしくて、笑顔になるが
美子は気がかりがあるという。
それは常子のことだった。
ふつうなら姉の常子が結婚して
この家を出るはずだが
妹の自分が先に行くことに
躊躇している。
しかも、君子のことも常子に
押し付ける格好になってないかと
おもっている。
「いいのよ、私のことは」と
常子は言う。
いつもそうだ。
常子は自分のことよりひとのことを
優先するのである。
美子はそれが気になっていた。
「もっと自分を頼って欲しいし
もっと弱みを見せてほしい。
なぜ頼ってくれないのか
なぜ、本心をいってくれないのか」と
聞く。
常子は「自分は十分幸せだ」と
いった。
「鞠子も美子も好きな人の所へ
いって幸せになっていくことを
見届けることができるし
自分にとって会社や社員さんは
私の子供のようなもの。
みんなの成長がうれしい」と
いった。
星野のことはどう思うのかと
美子は気になっていることを
聞いた。
常子は
「星野さんは昔からの友人よという。
いま、星野宅へいっているのは
星野さんの力になりたいと
思っているからだ」といった。
そして、「弱音を吐くのは苦手なの
よ、心配かけてごめんね」と
いった。
美子は常子に弱音を吐いてほしいと
いった。
常子は
「わかった、やってみる」
といったので
二人は大笑いをした。
さて、トースターの商品試験の
雑誌が発行される日となった。
大評判でよくうれた。
また、編集室にも
問い合わせや、感謝の手紙やら
電話、手紙、はがきなどが
到着する。
また追加注文も来る。
会社は活気に満ちていた。
花山は、つぎは普及率50%に
なっている電気アイロンを試験し
ようという。
いま電球の試験も途上で
やっている。
そこになにやら騒がしい声が
した。
「責任者をだせ
おまえたちではだめだ」と
本木や扇田、岡がたちが
対応しても男が騒いでいる。
花山と常子はなにごとかと
編集室にいった。
ちとせ製作所の社長
田中利一だった。初老の
男性である。
「責任者は誰だ。」
「私ですが」と花山がいう。
「あんたが社長か」というと
「いいえ、私が」と常子がいいかけた
のを花山がとめた。
大手のメーカーのトースター
とともに小規模メーカーの
ちとせ製作所の
トースターも商品試験を
したのだった。
それが、結果的にいいものでは
なかった。雑誌に
粗悪品とかかれたので、
返品があいついでいる
という。
もちろん、納品も断られているという。
死活問題である。
田中の言い分は
「大手と比べて小さな工場だから
安い経費で作っているのだ。
そうじゃないと、売れない。
大手にかなうわけがない。
記事は公平公正ではない、
好き勝手でたらめ書きやがって
売り上げがガタ落ちではないか」
という。
花山は、「でたらめは書いてない。
制作費用がいくら
かかっていようとも、大手企業
の製品と同じ店に並べられると
消費者に一律に見定められる。
大手も小規模も
商品の在り方に違いはない」という。
田中は安い部品で低コストでうるしか
ない自分たちの会社の事情を
うったえたが。花山にとってはいくらで作って
いくらで売ろうが
それがいいものであれば
いいわけである。
しかし田中の会社が作るトースターは
結果、粗悪品だった。
花山はそこをいった。
「消費者をなめるな、責任をもつ覚悟で
作るべきだ。自分たちも
責任をもってこの記事を書いた」と
いう。
田中は「電気製品のシロート
に何がわかる。
えらそうに本屋がほざくな。
おまえら、覚えておけよ」
といった。
田中は捨て台詞を残して
さっていった。
シーンとしている編集部のメンバーに
花山は、「終わったから仕事に戻れ」と
いった。
常子は心配した。
「あれは口だけだ」、と花山がいうが
常子は「ちとせ製作所へいってきます。
きちんと話をしなくては、あのまま
ではなにをするかわからない」といった。
常子はちとせ製作所を訪ねた。
そこは小さな町工場だった。
事務所をのぞくと
先ほどの田中が
必死で受話器をもって頭を下げている。
返品やら、取引停止やらで
死活問題になっているのだ。
その妻らしき女性が
「どうしてこんなことになった
のか」と愚痴る。
田中は「直接出向いて頭を下げたら
なんとか、考え直してくれるだろう」
といった。
常子は声をかけられずに
去って行った。
会社に帰ると
カフェ浪漫以来の友人となった
源氏名こずえ、本名はともえが来ていた。
そして、剃刀の商品試験の手伝い
をしていた。
「日本製は、すぐにダメになるね」と
いう。
常子を見て「今日は大変だったのね。
でも気にしたらダメよ、まけないで」と
励ました。
その日は木曜日だった。
常子は帰るしたくをした。
あすの朝の仕事の確認を大塚
にして、荷物を持った。
美子が、常子が険しい顔をしている
ので「なんて顔をしているのよ」と
いった。
常子は、「そうね」といって無理に笑おうと
しながら会社を出た。
星野宅のまえにいくと
家政婦が帰ろうとしていた。
常子を見て、「子供たちが待って
いますよ、私も遅くまで
いられたらいいけど。この時間まで
なのよ。」というと
常子は「大丈夫です、来たくて
来ているのですから」といった。
家政婦はにこやかにあいさつをして
去って行った。
常子は、ドアの前に立ち
呼吸を整え
笑顔を作って
今日あったことをとりあえず
忘れようと
思った。
ドアが開いて青葉と
大樹が現れた。
そして、青葉は「おばちゃま~~」
といって
常子に抱き着いた。
常子を書いたといってお絵かきを
みせてくれた。
絵を見ながら、「ひげがあるよ」と
大樹が笑う。
「ちがうよ、ひげではないから」と青葉が
いう。
そのやり取りに常子は
明るく笑った。
*****************
常子は弱みを見せないというより
弱音を吐かない、鞠子もいっていたけど
自分が大変であればあるほど
周りに気を使って明るくしていると
いう。そんな性格である。
常子の幸せを思うと
妹の鞠子や自分が先に
結婚するのは美子にとって
気がかりになことなのであろう。
自分たちのために常子が
結婚できないとしたら
如何しようと思ったのだろう。
たまには弱音を吐いてよという
セリフは、これから起こる
事件?の予告かな???
とか思いますけど。
トースターの商品試験の
結論はいいものがなかったという
ことだった。
まともなものがなかった
のだった。
田中にとってこれくらいの
商品開発費用しかかけられない
なら、部品もこのくらいの
物しか買えないと
自分たちの資本力のキャパを
きめてしまって、この範囲で
作った商品を世に出している。
絶対いいものだから
安くてもいいものだから
使ってほしいという
制作者の良心がない。
花山は、読み手のことを考えて
いつも原稿には厳しかった。
ホットケーキのレシピを
鞠子に書かせたとき
あまりにもダメなので
どうだめなのかを水田を使って
現行通りにホットケーキを造ると
どうなるかという実験をした。
すると、料理慣れをしていない
水田は書いてある通りに造った
が、丸く焼けない、固くなる
こげてしまうなど
失敗作ができた。
しかし、書いてある通りに造った
のだった。
鞠子はやっと、自分の原稿が
いかに自分本位かということを
しったのだった。
こんな風に花山は、
きちんとした雑誌を
作ろうと必死だった。
美子が言う。花山は
一行一行に全身全霊をこめて
いるのだ。
それほど、自分の記事には責任を
もって、世に出している。
その花山だからこそ
いえることだった。
店にならべば大手も小規模もない。
消費者には平等に商品として
見極められるという。
そして使っていくほどに
思い通りにパンが焼けなかったりすると
これは、粗悪品と言われても仕方が
ない、というか、当然である。
田中の言い分はいったいなん
なんだろうと思った。
小規模会社をいじめるなということ
なんだろうか?
だったら、いいものを作れと
言い返したい。
安くてもいいものだったら
いいのである。
またあの場所で常子に
社長は私です
と言わさせずに
自分が社長だといった。
花山のこころ配りだった
のかもしれない。
常子には田中への
対応はできないと
思ったのだろう。
実際、何もできずに帰って
きたのだから、やはりとしか
いえない。
本日の最後のシーン。
あさいちの朝ドラウォッチャーの
有働さんが
「仕事で嫌なことがあっても
あれですよ」。
と、星野家のドアを開ける
常子の場面をいった。
「外であった嫌なことは家庭に
もちこまないという
世の働くお父さんお母さん
の思いですよ。」
常子はドアの前で
意識して笑顔を作った
のです。
・・・
きっと常子はその日の嫌なことを
青葉や大機と一緒に
すごすことで
癒されたと思います。
子供の力は
すごいですから・・・。
