鞠子、平塚らいてうに会う6
結婚式もにぎやかに進んでいく。
常子は小橋家代表で話をすること
になっていた。
原稿は書いたが、それをよむのは
人情にかけると思ったのか
しっかり暗記もしたといって
どきどきしていた。

水田國彦はごきげんですでによっぱ
らっていた。
正平の兄ですという兄弟を常子たちに
紹介して、サル顔でしょう?
うちはみんなサル顔なんですわ。
子供ができてもきっとサル顔だと
思うと気の毒でという。
そういえばサル顔である。

そこに花山が上司としてスピーチをした。
このたびは、ご結婚おめでとうございますと
通り一遍の挨拶をした。
そして、一つの内閣を
きめることよりも
一家の味噌汁の味を決めることは
難しいという話をした。
それは両家の文化が融合する事
になるので、またまた違った
文化が生まれる。
お互いが寄り添うことで生まれる味も
あることだから、ゆっくりとその味を
はぐくんでいただきたいという意味
だった。
みんなさすが!と思ったが
常子だけは青ざめていた。
それは、全く常子が考えた
スピーチの内容と一緒
だった。
自分も味噌汁の味がどうのという
話しだったのだ。

おなじではだめよね・・・・

と君子と美子に言うと

大丈夫
がんばれ
と言われた。

常子は金屏風の前にいくときに
花山をみた。
おもいっきり、ガンをとばしてしまった。

しかしあがってしまって
「小橋常子です」といって
またまた「小橋常子といいます。
あがっています」と
汗をかきながらいった。

・・・だめですね。
どこか間が抜けていて
失敗も多くて
でも、いつも鞠子がいました。
助けてくれました。
どろだらけになって
家に上がれなかったときも
てぬぐいをもってきて
くれたり
忘れ物を届けてくれたり
ねりはみがきを作るときも
鞠子がアドバイスをしてくれたり
冷静でしっかりものの鞠子です。
私が父親代わりと言いますが
支えてくれたのは鞠子です。

水田さん
きっと水田さんはこれから誰よりも
しあわせになることでしょう。
鞠子を嫁にもらってよかったと
数えきれないぐらい思うことが
あるでしょう。
だから、おねがいです。
私の大好きな妹を鞠子を
どうか幸せにしてください。
尾根がします。

そういうと水田は立ち上がって
一生かけて鞠子さんを
しあわせにします。
といった。

常子はありがとうございますと
いった。
鞠子は常子をみた。
花山は拍手をした。
みんなも拍手をした。
鞠子は立ち上がって常子に抱き着き
ありがとうと言った。

常子の目標だった鞠子を嫁に出すが
叶った日だった。
この日、鞠子は小橋家から嫁いでいき
ました・・・・
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結果、花山があの味噌汁の話をして
よかったのですよね。
鞠子とたくさんの思い出がある常子に
しか話せないことが話せてかえって
よかったですね。
本当に
鞠子の花嫁姿は
うつくしいです。

でも、常子、美子の振り袖姿も
素敵です。

結婚式っていいですね。
一生の思い出ですからね。