トト姉ちゃん99感想

常子、花山と断絶する3
花山が買ったのは大量の木箱
だった。
りんごなどをいれる木の箱である。
それを使ってテーブルやいすにする。
常子はそれを見てある考えが浮かんだ。

東堂宅でさっそくお部屋作りをはじめた。
花山はテーブルやソファや本箱を
次々と作って行く。
常子はその箱にプリントがされている
模様がついた紙を貼りつけた。
こうして花山が考えたテーブルが
華やかな紙でかざられ、
本箱も
座布団を置いただけのソファも。
それが、箱を置き換えると
ベッドになるという優れものである。
東堂夫妻はあの狭い六畳の部屋がこんな
すてきになるなんてと
喜んだ。
テーブルや本箱を飾る紙は
昔、東堂が自分が呼んでいる本を
百貨店の包装紙でかざり、
折り紙でポイントを作って
いたことから
学んだことだった。
小さなこころがけが
小さな幸せを産むと
いう東堂の指導通りだった。
体の不自由な東堂の夫も
椅子だと楽だということも
よろこぶ材料となった。

そして、雑誌に載せる写真を
たくさんとった。

花山にとって、自分が
考え出した木箱を使った
部屋作りのアイディアを
もっといいものにしたのは
常子の模様のついた紙を貼ること
だった。
そこまでは考えられなかったので
花山は翌日
女性はすばらしいといってスカートを
はいてきた。
スカートをはいているというのは
こういうものなのかと
いう。
女性の目線というものが必要だと
いった。
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リンゴの木箱をあつめて、本箱にしたり
テーブルやいすにしたりと
それは、よくあることだと思った。
が・・・
きっとあの時代はそれは斬新なことで
しかも、誰でも真似ができそうな
ものだったので、評判になったと思う。
六畳の物置小屋で暮らされる東堂先生
にとったら、きっと
目の覚めるような幸せなことだったのでは
と思う。
近年は、カラーボックスなどをかってきて
積み上げてつかったりしますが
もう少し昔は
コーラや、ジュースのコンテナを
集めて、重ねたり、並べたりして
テーブルやいす、ベッドなどを
作っていた記憶があります。