あなたの暮らし、誕生す6
雑誌は売れて増刷となった。
重版出来です。
直線たちは物資不足で服のない
生活をしている女性たちに
大人気となった。
まだまだ、注文はきている。
常子はこれを機に
直線断ちの講座をひらきませんかと
花山に相談した。
新聞社に講座の広告を載せて
受講生を募集する。
それだけでも、雑誌の広告となるし
受講生が集まれば、受講費用が
入ってきて、会社の経営にも
プラスになると常子は考えた。
花山は、賛成した。
それから、常子は新聞社にかけあって
後援をしてもらうことになり
広告を出して受講生を募集した。
そして、その受付事務を水田に頼んだ。
先着100名が当選で
あとは、丁寧にお断りのハガキを出すこと
だった。
こうして水田は常子たちの会社に
入社となった。
ところが鞠子は
そんな水田が気になって
いる。
またドジらないか。また
失敗しないかとハラハラして
いるという。
君子にいうと
それは恋をしているといった。
鞠子はびっくりして恋ではないと
いうが、君子は
笑った。
美子のアイディアで直線断ちでも
ちょっと違う、デザインの服も
数にいれた。

やがて、その講座の日となった。
椅子を運び
机を運んだ。

受付の準備もした。

新聞社も取材に入った。

ところが、
午前の部では誰の来ない。
まさか住所を間違えて送ったのではと
鞠子は水田に言うが
常子は自分も確認したので
間違いはないという。
午後の部も誰も来ない。
そこへ、あの洋裁学校の校長が
部下を連れてやってきた。
誰も来てないので
大笑いをして、また講座の時には
読んでね。わたしはあなたたちのファンです
からといって
去って行った。
花山はあの人が妨害をしたと
わかったという。
講座を邪魔するために席を抑えた
のは彼女だという。
おそらく、人の名前をつかって
たくさんのハガキを書いて送った
のだろう。
これが商売というものだと
花山は常子に言った。
常子は社長として
みんなに謝った。
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あの校長がこんなことをする
とは、と驚く。
あまり詳しく、ドラマでは
取り上げていないが
どうも、直線断ちの洋服の
講座は世の中の話題にも上らなかった
のでは、と不安に思っていたら・・
やはり、誰も来なかった。
つまり・・・
あのたくさんの講座の応募は
妨害だったわけだ。
手の込んだ妨害をするものだと
思った。
これが食うか食われるかの
商売の世界だともおもった。