トト姉ちゃん94感想

あなたの暮らし、誕生す4
花山が早朝にかかわらず
小橋家にやってきたのは
それなりの事情があった。
誰でも簡単に作れる服を
作って見せようとした。

そして、着物の反物を直線で
きって、君子にミシンで縫ってもらった。
すると簡単に確かに
簡単に作れる。直線たちなので端切れも
少なくて済む。
つまりコスパがいいのだ。

茜の散髪を見て思いついたという。
これは衣服不足に一躍買うと
確信できた。
和服を分解して、反物に戻して直線立ちを
して、洋服を作るというのだ。

これが創刊号の目玉になると常子は
喜んだ。

そして、これを写真で読者にうったえ
たいと花山が言う。
モデルは・・・
と言いかけて常子は
カフェー浪漫へいって
この話を教えて
上げたいといった。
案の定、女給さんたちは
おどろき、これもこれも
みんな直線で洋服になるのかと
驚いた。
そして、毎日同じものを着なくても
すむと喜んだ。
笑顔になる女給たち。
綾は久しぶりに笑ったといった。
こんな晴れやかな気持ちになったのは
久ぶりよ・・・。
花山はふと常子三姉妹と綾をつかって
モデルにしようときめた。

しかし、モデルなどやったことのない
常子たちは笑うことができない。
二時間も時間がたったが
うまく撮影ができない。
そこへ水田がやってきた。
邪魔だと花山に一喝された。
君子が水田にいつもお世話になって
いますというと
常子たちの母親としって
驚く水田。
驚いた調子に持っていたリンゴを落として
ころがしてしまった。
ころころとリンゴが転がる。
常子たちのすわっている
場所にまでリンゴが転がり
水田はあわてて
リンゴを回収するが
それがおかしくて
みんな大笑いをした。

こうして、素人のモデルでも
何とか笑顔ができて
写真となった。

そして創刊号の表紙を花山がかいた。
洋服ダンスと和ダンスがならび
ひきだしから
あれこれと、道具が顔を出している
楽しそうなおしゃれな
どこにでもありそうで
なさそうな夢のある
絵だった。
常子は、びっくりした。
雑誌の表紙は、モデルさんの
写真とか風景の写真
などが
ふつうである。
だが・・・
あえて、庶民の暮らしを豊かにする
雑誌の目的に応じて
楽しそうな暮らしを応援する
雑誌の表紙を作ったのだった。
いよいよ
あなたの暮らし創刊号が
発売される。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
花山氏のイラストは何気ない
普通の家の絵であっても
なにかしら、あたたかく
おしゃれで
楽しそうで
夢のある絵と思う。
かわいくて、実際ほほえんでしまう
ような、そんな絵である。
実際の暮らしは大変でも
この雑誌に書かれている
暮らしは、楽しそうで夢があって
楽しいものなのだろうと
想像してしまいそうなイラストで
ある。
私は、このイラストがすごく好き
である。
内容よりも・・・・

すみませんね、常子さん。