常子、出版社を起こす5
スタアの装いは
こうして出来上がった。

綾はそれを知って喜んでくれ
近所の奥さんたちはおんなだてらに
会社経営といってうわさをした。

五反田はあるおでんやで
花山と話をしていた。
こんど五反田の小説が雑誌に載るが
その挿絵をお願いしたいという。
花山はもう編集の仕事はしないと
言って断った。
五反田はそういえばといって
常子の話に切り替えた。
なんと花山は常子を覚えて
いた。
常子が雑誌を作るという話に
女の人の役に立つ雑誌を作りたいと
いっていたと五反田は
はなした。

昭和21年7月。
ついに、スタアの装いができ
あがった。
これを売らないと
お金にならないといって常子は闇市に
いって本を置いてもらえるようにと
店主たちに交渉した。

店主たちは、なにげにいいよといったが
なんと本は完売した。

そして一週間後
常子たちは増刷
1000刷をもって
また闇市にやってきた。
ところが
今度は売れない。
なぜかというと・・・・
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常子たちの作った本は
売れました。
最初はね。
本はあの時代、みんなが求めるもの
でした。
よほどひどいものでなければ
うれるはずですが・・・

テレビの画面を見ていると
スタアの装いのイラストは
あまり腕のいいイラストでは
ないですよね。
それがこの時代の文化水準だったの
ですね。