常子、花山伊佐次とあう2
滝子の具合は悪かった。
夕餉も心なしかおかずが少ない。
鞠子は、「じつは・・・」
といって卒業後は工場で
働くという。小説は仕事の合間に
かくといった。
清は、会社に勤めるという。
日本木材統制株式会社という会社ができる
というのだ。
戦争で木材を国が管理するための会社だそうだ。
こうすれば給料が入るからという。
美子は「日本が戦争にかてば
戦争は終わる」といった。
戦争が終わったら鞠子は
工場へ行かなくてもいいし
清さんも会社へ行かなくてもいい
のにという。
隈井は「あの~~」という。
「じつは・・・」

「隈井まで暗い話かい?」と滝子が
聞くと
そうではなく、隈井は
ひまひまに木材を集めて
おもちゃを作っていた。
飛行機だったり、電車だったり
である。
子供たちは喜んだ。
にぎやかな歓声を上げて
嬉しそうに遊んでいた。
それを見た常子はあるアイディア
がうかんだ。
それは、ユーモアで読者に
笑ってもらおうというもの
だった。
さっそく編集会議で提案すると
みんなうつむいた。
「このご時世だからこそ笑いが必要なのでは」
という常子だった。
このアイディアは少し前に谷が出したもの
と同じだった。
「このご時世だからこそ笑うことは不謹慎だ」
という意見で潰された。
「じゃ挙手をしよう。
ユーモア特集賛成は?」と谷。
手を挙げたのは
谷と常子だった。

しばらく
あって五反田が
手を挙げた。
「美しき女性の悲しそうな
顔を見たくないのでね」という。
相田は「それはないだろう」と文句を
いうが、自分もと手を挙げた。
「だったら」と言って富樫も手を挙げた。
全員一致でユーモア特集となった。
こうして原稿が集まり
「挿絵をもらいに行ってくれ」と五反田に
言われた常子だった。
その男は花山伊佐次という。
内務省に勤めているという。

「いい絵をかくのだが変わり者だから
気を付けて」と常子にいった。

内務省に花山を訪ねた。
その男はなにやら標語を考えているらしい。

「使って育てる代用品」
「臨戦態勢確立だ!」
「進め一億火の玉だ」

常子はそっとその男に近づき
「あの~~~」と声をかけた。
「帰れ邪魔だ。」
」「・・しかし・・・あの」

「帰れ邪魔だ」

「あの・・」
「帰れ邪魔だ。
三度も言わせるな!!!」

と怒鳴った。
*******************
この男がこれからの常子の
人生で大きな出版の仕事を
するためのパートナーだった。
変わり者というのはその通りかも
しれない。
その男が内務省とは
役人ではないですか。
役人がカットを書くのですか。
それは
才能が有り余っている証拠です。
そして、ユーモア特集は
売れるのでしょうか。

なんだかケチをつけられるような
気がします。

戦争は、だめです。
起こしてはいけませんが
自国は自国で守らなければ
なりません。
いつまでもアメリカに頼って
いては・・・
いつなんどき
アメリカも理由をつけて
日本から去って行くかも
しれません。
そんなとき
丸腰でどうしますか???
中〇や、北〇〇から侵略され
ますよ・・・
今一番危ないのが
沖縄と思います。
防衛は大事です。
攻めてこさせないために
大事です。