常子、失業する6
常子は森田家との別れのあと
吹っ切れたように
明るくなって就活にはげんだ。
鞠子はタイピスト募集の新聞の
切り抜きを集めてノートに
まとめてくれた。
美子も同じことをしていた。
思わず笑う姉妹たちだった。
常子はそのノートと切り抜きを
もって一軒づつ会社回りを
したが・・
このご時世、なかなか就職が
ない。
あっても、とてもじゃないけど
給料が安くて家族を養っていけない。
悩んでいるとふとかばんに会社を
やめるときもらったキャラメルが
あと一個残っていたので
鼻歌を歌いながら食べた。
キャラメルを包んでいた
新聞に目をやると
なんと
事務員募集との記事が。
男女は問わない・・・
月給25円・・・
甲東出版とある。
常子は、がばっとおきて
荷物をもってこの会社へ行った。
すると、中に人がいなくて
困っていると
男性社員と思しきひとが
「もしかして募集の記事を見て
きたの?だったらこれを手伝って
欲しい」という。
発行した雑誌の
どこかに検閲にかかった
場所があってそれを
張り替えていく作業だった。
常子はとまどっていると
「四時までに仕上げない
といけないんだ」
と困った顔で言う。
困っている人を見ると助けたく
なる常子は、作業を引き受けた。
そして、四時までに
仕事を終了できた。
その男は常子を見てはじめて
「あれ?かわいいじゃない?」と
いった。
彼は五反田という。
そこへ男が入って来た。
「だれだ?」と聞く。
常子が訳を話すと
自分は社長兼編集長だと
いった。谷という。
常子は雇ってほしいと
いうと谷は大変喜んだ。
人使いが荒いので入社しても
すぐにやめていくという。
常子は「お願いします」というと
谷は「こちらこそ」といって
挨拶をした。
******************
やりました。
出版業との出会いです。
出版業とはなんぞやと
思って、仕事に
男女差とかあるのか
と出版関係者に聞いた。
男だから編集で女だから
校正とか
そんな男女差はないそうだ。
男だろうが
女だろうが
一緒に雑誌や本を作っていくと
いうのだ。
それは常子にとって
大変ラッキーなことではないのかと
思った。
今までの商社だと
男の社員がかいた手書きの
書類を清書するだけのことで
ある。
また、男性社員のお手伝いで
書類整理などの雑用である。
何かダメなことがあると
すぐい責任を押し付けられると
早乙女が言っていた。
大変理不尽な扱いを受けるという。
しかし、この会社は・・
なんと、自由な風がふいている
ことだろうかと
思った。
常子は森田家との別れのあと
吹っ切れたように
明るくなって就活にはげんだ。
鞠子はタイピスト募集の新聞の
切り抜きを集めてノートに
まとめてくれた。
美子も同じことをしていた。
思わず笑う姉妹たちだった。
常子はそのノートと切り抜きを
もって一軒づつ会社回りを
したが・・
このご時世、なかなか就職が
ない。
あっても、とてもじゃないけど
給料が安くて家族を養っていけない。
悩んでいるとふとかばんに会社を
やめるときもらったキャラメルが
あと一個残っていたので
鼻歌を歌いながら食べた。
キャラメルを包んでいた
新聞に目をやると
なんと
事務員募集との記事が。
男女は問わない・・・
月給25円・・・
甲東出版とある。
常子は、がばっとおきて
荷物をもってこの会社へ行った。
すると、中に人がいなくて
困っていると
男性社員と思しきひとが
「もしかして募集の記事を見て
きたの?だったらこれを手伝って
欲しい」という。
発行した雑誌の
どこかに検閲にかかった
場所があってそれを
張り替えていく作業だった。
常子はとまどっていると
「四時までに仕上げない
といけないんだ」
と困った顔で言う。
困っている人を見ると助けたく
なる常子は、作業を引き受けた。
そして、四時までに
仕事を終了できた。
その男は常子を見てはじめて
「あれ?かわいいじゃない?」と
いった。
彼は五反田という。
そこへ男が入って来た。
「だれだ?」と聞く。
常子が訳を話すと
自分は社長兼編集長だと
いった。谷という。
常子は雇ってほしいと
いうと谷は大変喜んだ。
人使いが荒いので入社しても
すぐにやめていくという。
常子は「お願いします」というと
谷は「こちらこそ」といって
挨拶をした。
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やりました。
出版業との出会いです。
出版業とはなんぞやと
思って、仕事に
男女差とかあるのか
と出版関係者に聞いた。
男だから編集で女だから
校正とか
そんな男女差はないそうだ。
男だろうが
女だろうが
一緒に雑誌や本を作っていくと
いうのだ。
それは常子にとって
大変ラッキーなことではないのかと
思った。
今までの商社だと
男の社員がかいた手書きの
書類を清書するだけのことで
ある。
また、男性社員のお手伝いで
書類整理などの雑用である。
何かダメなことがあると
すぐい責任を押し付けられると
早乙女が言っていた。
大変理不尽な扱いを受けるという。
しかし、この会社は・・
なんと、自由な風がふいている
ことだろうかと
思った。
