常子、初任給をもらう4
常子は早乙女が男子社員に、おいとか
君とかで自分たちを呼ぶなと
いったことで
考えさせられた。
帰り道、ふと祖母のもとによった。
ご相談があるのですがといった。
男性と女性が尊敬しあって
仕事をするのは難しいもの
なのですね。
女子は雑用係だと思われているし
女子は男子に甘くみられないようにと
雑用を拒否している。
常子は、困っている人を見たら
手伝うのは当たり前だと
思っているので
その辺がかみ合わないという。
すると滝子はお互いがうまくやって
行かなければという。
この世の中男と女しかいないの
だから、いがみあっているから
受け入れられないのだよという。
常子はそうですねといって
明るく帰って行った。
常子は総務部の山岸に
自分にできることは何でもするので
あの規則は撤回してほしいと
要求した。
自分にできることをすることは会社のため
にもなるからだという。
山岸は承諾した。
タイプ室に戻ると
男子社員が二名、常子を待って
いた。
「君は何でも手伝ってくれるのだろう?」
常子は「準備をして営業部へ伺い
ます」といった。
早乙女たちは怒った。
雑用禁止令をどうするのかと聞く。
常子は山岸に許してもらったと
いった。
早乙女たちは
今までの男子社員からの理不尽な
扱いをあなたは知らないから
そんなことが言えるのだという。
雑用を押し付けられ
失敗を自分たちのせいにされ
なんの評価もされない。
女だというだけでこの扱いである。
昨日今日は言ったあなたには
わからないでしょう。雑用を引き受けること
は、女性の評価を下げること
なの、どうせむだなことなの。
いいなりになることは有能さを求めて
いるのではなく、当然だと思っているから
だと早乙女が言う。
常子は、困っている人を見たら
助けたいといった。
そこへ山岸が喧嘩は困るよという。
早乙女は雑用禁止だったのではと
いうとあれは言葉のあやだよと
言ってごまかそうとした。
早乙女さんが間違っているのですかと
諸橋が聞く。ほかの女子社員達も
山岸にもんくをいいはじめた。
すると山岸は
小橋君が悪いといった。
君は新人なのだから
早乙女君たちの指示に従って
よ。手書きの聖書は一切必要なし
仕事は早乙女君の指示に従って
ね。わかったねといった。
そこへ総務の部長佃がくる。
取り込み中かい?
山岸は上司がやってきたので
いえ、何事もありませんと
作り笑いをした。
佃は小橋君はどこひとかなと
聞く。
なんでも、手書きの清書が
きれいにできているので、どんな
人がかいたのか気になったという。
見やすさはタイプライター
にも劣らない、見やすくてわかりやすい
といった。
またお願いするからと言われた。
山岸はそういうわけだから
これからは小橋君の思うように動いて
いいよと
前言をひっくり返した。
早乙女は上の決定ですので
雑用を引き受けてもいいと
いった。
ただし私とは考えが違います
のでそこは譲るつもりはないという。
まさしく一件落着である。
早乙女からは原稿が
渡された。
初めての仕事だった。
常子の仕事が丁寧なのでそれは
みんなに認められて
いった。
その話をお汁粉屋で
星野にした。
星野も最終学年なので論文に
忙しいという。
常子は、毎週日曜日にここにきて
一週間の報告をしあいましょうと
提案した。
常子は早乙女のお弁当が
とてもきれいなので
すてきですねという。
早乙女は少しでも早く起きて
作っているという。
そしてこの日は給料日だった。
常子は初めてのお給料を
もらって
まず滝子に
学費の返済を少しずつ
することにした。
隈井は感動した。
これではれてトト姉ちゃんだねと
滝子はいう。
自分の稼いだお金で
家族を養う。
それがやっと現実となった。
常子にとってそれは長い間
待ち望んでいた言葉だった。
********************
雨降って地固まるというが
タイピストたちの不満が
爆発したが
やはり、認めてくれる人も
いた。
捨てる神あれば
拾う神ありとは
このことである。
総務部長の佃は
常子の仕事を認めた。
タイプよりもきれいに
見やすい書類を
書くというのは
大変なことだと思う。
常子がいかに苦労して
仕事をしたのか。
この辺は、技術もさること
であるが
気持ちの問題だとおもった。
プロ意識ですね。
常子は早乙女が男子社員に、おいとか
君とかで自分たちを呼ぶなと
いったことで
考えさせられた。
帰り道、ふと祖母のもとによった。
ご相談があるのですがといった。
男性と女性が尊敬しあって
仕事をするのは難しいもの
なのですね。
女子は雑用係だと思われているし
女子は男子に甘くみられないようにと
雑用を拒否している。
常子は、困っている人を見たら
手伝うのは当たり前だと
思っているので
その辺がかみ合わないという。
すると滝子はお互いがうまくやって
行かなければという。
この世の中男と女しかいないの
だから、いがみあっているから
受け入れられないのだよという。
常子はそうですねといって
明るく帰って行った。
常子は総務部の山岸に
自分にできることは何でもするので
あの規則は撤回してほしいと
要求した。
自分にできることをすることは会社のため
にもなるからだという。
山岸は承諾した。
タイプ室に戻ると
男子社員が二名、常子を待って
いた。
「君は何でも手伝ってくれるのだろう?」
常子は「準備をして営業部へ伺い
ます」といった。
早乙女たちは怒った。
雑用禁止令をどうするのかと聞く。
常子は山岸に許してもらったと
いった。
早乙女たちは
今までの男子社員からの理不尽な
扱いをあなたは知らないから
そんなことが言えるのだという。
雑用を押し付けられ
失敗を自分たちのせいにされ
なんの評価もされない。
女だというだけでこの扱いである。
昨日今日は言ったあなたには
わからないでしょう。雑用を引き受けること
は、女性の評価を下げること
なの、どうせむだなことなの。
いいなりになることは有能さを求めて
いるのではなく、当然だと思っているから
だと早乙女が言う。
常子は、困っている人を見たら
助けたいといった。
そこへ山岸が喧嘩は困るよという。
早乙女は雑用禁止だったのではと
いうとあれは言葉のあやだよと
言ってごまかそうとした。
早乙女さんが間違っているのですかと
諸橋が聞く。ほかの女子社員達も
山岸にもんくをいいはじめた。
すると山岸は
小橋君が悪いといった。
君は新人なのだから
早乙女君たちの指示に従って
よ。手書きの聖書は一切必要なし
仕事は早乙女君の指示に従って
ね。わかったねといった。
そこへ総務の部長佃がくる。
取り込み中かい?
山岸は上司がやってきたので
いえ、何事もありませんと
作り笑いをした。
佃は小橋君はどこひとかなと
聞く。
なんでも、手書きの清書が
きれいにできているので、どんな
人がかいたのか気になったという。
見やすさはタイプライター
にも劣らない、見やすくてわかりやすい
といった。
またお願いするからと言われた。
山岸はそういうわけだから
これからは小橋君の思うように動いて
いいよと
前言をひっくり返した。
早乙女は上の決定ですので
雑用を引き受けてもいいと
いった。
ただし私とは考えが違います
のでそこは譲るつもりはないという。
まさしく一件落着である。
早乙女からは原稿が
渡された。
初めての仕事だった。
常子の仕事が丁寧なのでそれは
みんなに認められて
いった。
その話をお汁粉屋で
星野にした。
星野も最終学年なので論文に
忙しいという。
常子は、毎週日曜日にここにきて
一週間の報告をしあいましょうと
提案した。
常子は早乙女のお弁当が
とてもきれいなので
すてきですねという。
早乙女は少しでも早く起きて
作っているという。
そしてこの日は給料日だった。
常子は初めてのお給料を
もらって
まず滝子に
学費の返済を少しずつ
することにした。
隈井は感動した。
これではれてトト姉ちゃんだねと
滝子はいう。
自分の稼いだお金で
家族を養う。
それがやっと現実となった。
常子にとってそれは長い間
待ち望んでいた言葉だった。
********************
雨降って地固まるというが
タイピストたちの不満が
爆発したが
やはり、認めてくれる人も
いた。
捨てる神あれば
拾う神ありとは
このことである。
総務部長の佃は
常子の仕事を認めた。
タイプよりもきれいに
見やすい書類を
書くというのは
大変なことだと思う。
常子がいかに苦労して
仕事をしたのか。
この辺は、技術もさること
であるが
気持ちの問題だとおもった。
プロ意識ですね。
