常子、初任給をもらう2
常子の残業で君子たちは
夕ご飯を待っていた。
八時半になってやっと
常子が帰ってきた。
でもまだ仕事を抱えて帰ってきた
といってまたまた部屋で仕事を始めた。
この日は徹夜だった。
営業部にもっていくと
面倒くさそうにそこへ置いてて
といったり、邪魔だからあっちへ
いってと言われたり。
誰もご苦労様と言ってくれない。

早乙女は女子を雑用係としか
みていないという男性社会と
戦っていた。
だから、雑用を引き受けない。
常子が引き受けた雑用は
タイプ部が引き受けたものではない
のでといってタイプライターの
使用を禁止した。
常子はしかたなく、手で書いた。
君子は徹夜をした常子をきずかっていた。
四時になってやっとできた書類をもって
営業部へいく。
もっていくと
そこへ置いててという。
だれもご苦労様とか
ありがとうとかいわない。
そして邪魔だからさっさと
出ていってくれという。
常子はがっかりした。
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早乙女の言うことはもっともです。
これが女性への扱いです。
どれほどがんばっても
ご苦労様とか
ありがとうとか
一言でもあればいいのですが

そこへ置いて
邪魔だから出ていってと
いうのです。
そしてまた
困ったときには
誰か手伝ってくれと
言いに来るのです。
女だから
手伝うのは当然だと
いうのですね。
しかしです
給料が安いのであれば
その給料に見合った
仕事をするということで
女性の仕事は大したものでは
なかったとしても
合点がいきますが
大変なお仕事の場合・・
この場合は
タイピングですが
これは会社の取引に使う大事な
書類ですから
タイピストはそれなりにいいお給料を
もらっていのでしょう。
つまり
安いオーエルさんは
お茶だしとか
書類運びとか
書類整理とか
電話の応対とか
その程度のことだったので
しょうね。