常子、職業婦人になる1
鉄郎は夜逃げをして
翌日からやくざの取り立てが始まった。
そんなとき、星野武蔵がやってきた。
常子の練り歯磨きを二つにおった紙の
なかに練りこんで売っている。
「これだと使いたいだけ使えない」といった。
そんな時美子が星野の観察ノートを見て
ひなげしの絵がきれいという。
「えのぐで色を付け始めた」と星野が
いった。
常子は絵具と聞いてある考えが浮かんだ。
練り歯磨きをチューブに詰めることである。
そしてやくざには今まで通り二つにおった
紙の中に練りこんだ練り歯磨きをうる
ことにした。
こうすれば、自分たちの商品のほうが
よく売れるはずだという。
また。お客さんもより使いやすくなるだろうと
いうもくろみがあった。
こちらのほうは少し高い目に売るという。
そして一週間たってまたやくざが来た。
練り歯磨きを出せという。
「これだけです」といって差し出した。
「これだけか」とやくざはいって
店の中を点検した。
すると大なべがあって「これはなんだ」と
聞いた。
そしてなかをあけると
そこには、チューブがたくさんあった。
やくざはチューブを開けてみると
中身は練り歯磨きだとわかった。
「どういうことだ、
ふざけているのか」と
大声で怒鳴った。
宗吉はなだめにいくが、「このさい
指を切るということもあるし
店を壊してしまうという事もある」
と脅しをかけてきた。
常子たちはこわくて
震えているところへ
大きな声がした。
「そのくらいにしな!!!」
声は滝子だった。
清や隈井、そして腕っ節の
よさそうな職人たちが
あつまってきた。
「これ以上事を荒立てると
私しらがだまっていないよ。深川を
相手に喧嘩するというのなら
受けて立つがね。!!!」
滝子のスカッとする啖呵だった。
やくざは「しょうがねえな・・・だったら手打ち
だ」という。
滝子はやくざの顔をみて
「顔色が変わらないのは
ほめてやるが、足が震えているよ」と
いった。

「どうなんだい???」

滝子の一声でやくざたちは震えながら
あわてて逃げて行った。

常子はほっとして「ありがとうございました
おばあ様」とお礼を言った。
「なにいってんだい。こうなる前に相談してくれたら
良かったのに」というが
そのとき
大変なことが起こった。

チューブが
パンパンと
破裂し始めたのだ。
店の中は大騒ぎとなった。
***************
チューブの中身が膨張して
破裂したのでしょうか?
それはそれとして
滝子さんの
かっこいい啖呵は
スカッとしました。
やくざは怖いですからね。
どこまでもお金を巻き上げに
きますからね。
でも何が起こったのでしょうか。
チューブが破裂するとは・・・・・