常子、竹蔵の思いを知る3
君子は滝子を訪ねた。
隈井を使って学費をはらってくれたことを
「外堀を埋めるのか」といった。
清と常子との結婚を拒めないように
しようとしているというのだ。
滝子にはそんな思いはない。
しかし、昔、君子は滝子から束縛されていたことを
おもいだして、常子たちもそうしようとしている
それも学費をえさに、と思ったようだった。
そして、「自分が娘たちを立派に育てるから
かかわらないでください」
といって学費を断って去って行った。
滝子はむかし、子供の君子に
「安心おし、私が守ってあげるから」と
言った言葉を思い出していた。
君子が家に帰ると常子と鞠子が待って
いた。
君子は学費の話は断ってきたという。
自分がりっぱに学校を出すからと
いう。
常子は「どうしてカカはおばあ様には
そんなに固くなのか、昔何かあったのか」
と聞く。
君子はどうしても滝子に頼ることはできないと
いった。
そして、学費のために早朝から夕方まで森田屋で
はたらき、夜遅くまで内職をした。
学校へは学費の支払いを待ってほしいと
頼みに行った。
美子はおやつをもらいに、滝子のところへ
いくと、滝子は、「もうここに来ないでほしい」と
いう。
美子は、おやつはもらえないし、友人たちは
おなかがすいたからと言って
家に帰って行くし
森田屋に行って常子に遊んでほしいというと
「カカの分まで働かなくては」といって
遊んでくれない。
美子は面白くなかった。
困ったものだと常子と鞠子は
話しながら歩いていると
青柳の家に入ろうとする
杉野を見つけた。
浜松でお世話になった社長である。
常子は森田屋に招き入れて話を
聞いた。
常子が
どうもおかしいと思ったのは杉野が
当たり前のように知ったように
青柳の家に入ろうとしたこと
「君子さんと滝子さんは仲良くなったのか」と
知っているように話すことだった。
「なにか、かかとおばあ様のことで
知っていることがあるのですね」と
常子は聞く。
「もう時効かな」と杉野は竹蔵と内緒にしていた
話があると
いった。
**********************
この時代、おんなが子供を育てるのは
大変なことです。
男女差がありまして、
同じ八時間労働で
同じ会社で
同じ仕事で
あっても
男女差の賃金がありました。
女だからという理由で
大変安いのですね。
だから、女手一つで子供を
育てることは簡単ではないと
いうのです。
女が怠けているとか
能力ないというのでは
ありません。
当然のように、お家に入って
旦那様に養ってもらうのが
女の人生だったのです。
だから、仕事をもっている滝子は
大変恵まれているし
有能な女性なのです。
それを
君子はなぜ・・・嫌うのでしょうか。
君子は滝子を訪ねた。
隈井を使って学費をはらってくれたことを
「外堀を埋めるのか」といった。
清と常子との結婚を拒めないように
しようとしているというのだ。
滝子にはそんな思いはない。
しかし、昔、君子は滝子から束縛されていたことを
おもいだして、常子たちもそうしようとしている
それも学費をえさに、と思ったようだった。
そして、「自分が娘たちを立派に育てるから
かかわらないでください」
といって学費を断って去って行った。
滝子はむかし、子供の君子に
「安心おし、私が守ってあげるから」と
言った言葉を思い出していた。
君子が家に帰ると常子と鞠子が待って
いた。
君子は学費の話は断ってきたという。
自分がりっぱに学校を出すからと
いう。
常子は「どうしてカカはおばあ様には
そんなに固くなのか、昔何かあったのか」
と聞く。
君子はどうしても滝子に頼ることはできないと
いった。
そして、学費のために早朝から夕方まで森田屋で
はたらき、夜遅くまで内職をした。
学校へは学費の支払いを待ってほしいと
頼みに行った。
美子はおやつをもらいに、滝子のところへ
いくと、滝子は、「もうここに来ないでほしい」と
いう。
美子は、おやつはもらえないし、友人たちは
おなかがすいたからと言って
家に帰って行くし
森田屋に行って常子に遊んでほしいというと
「カカの分まで働かなくては」といって
遊んでくれない。
美子は面白くなかった。
困ったものだと常子と鞠子は
話しながら歩いていると
青柳の家に入ろうとする
杉野を見つけた。
浜松でお世話になった社長である。
常子は森田屋に招き入れて話を
聞いた。
常子が
どうもおかしいと思ったのは杉野が
当たり前のように知ったように
青柳の家に入ろうとしたこと
「君子さんと滝子さんは仲良くなったのか」と
知っているように話すことだった。
「なにか、かかとおばあ様のことで
知っていることがあるのですね」と
常子は聞く。
「もう時効かな」と杉野は竹蔵と内緒にしていた
話があると
いった。
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この時代、おんなが子供を育てるのは
大変なことです。
男女差がありまして、
同じ八時間労働で
同じ会社で
同じ仕事で
あっても
男女差の賃金がありました。
女だからという理由で
大変安いのですね。
だから、女手一つで子供を
育てることは簡単ではないと
いうのです。
女が怠けているとか
能力ないというのでは
ありません。
当然のように、お家に入って
旦那様に養ってもらうのが
女の人生だったのです。
だから、仕事をもっている滝子は
大変恵まれているし
有能な女性なのです。
それを
君子はなぜ・・・嫌うのでしょうか。
