トト姉ちゃん15
常子、はじめて祖母と対面する3
常子は番頭の隈井に聞いた。
「おばあ様とはどんな方ですか?」
隈井は「いってみれば
青柳家そのものですね」という。
そこへ祖母の滝子がはいってきた。
君子は両手をついて
あいさつをした。
「ご無沙汰いたしています。
この度はお世話になります。」
常子たちも君子に倣った。
滝子は「御上げなさい」と顔を上げるように
いった。「長旅は疲れただろう。東京は
浜松より熱いかい」と聞く。
常子ははっとして答えられなかったが
美子が「どっこいどっこいです」といったので
滝子は笑った。
「こんなに大きくなったのかい。」
君子は以前の家を出たときの話から
今回厄介になるまでの話をしようと
したら、滝子は「よしとくれ、昔のこと
なんて」といって、「お帰りなさい」といった。
番頭の隈井は男泣きをした。
それをみて滝子は
「だから、おまえには黙っていたんだよ」と
いった。
その夜、寝付けない君子は木場の風景を
窓から見ていた。
隈井がやってきて大正12年に東京で大震災
があったことを話した。店も火災にあったと
いう。
君子は「そんな大変な時にお手伝いができなくて
すみません」といった。
君子は滝子に会うまでは不安だったという。
何でも自分の思い通りにしようとする
ひとだから。
君子へのしつけも厳しかった。
箸の上げ下げから挨拶の仕方まで
しっかりと叩き込まれた。
隈井は君子が家を出てから
滝子は変わったという。
人の意見を聞くようになった。
「この15年間の年月を取り戻して
下さい」と隈井は言った。
常子は君子を呼びに来たが
つい、話を聞いてしまった。
常子たちはノートにだれがどういう関係かと
いう家系図を書いて、確認した。
滝子の夫は早くに死んだ。
君子の父親である。
再婚した夫との間には清という息子が
いる。
彼が若旦那である。
常子は翌朝、木場のいせいのいい働きっぷりを
見にいき、あらためて竹蔵が家族を守ってくれと
いったことばを思い返した。
家に入ろうとしたとき
声をかける人がいた。
「なんのよう?」というので
「自分はここの家の」
といいかけて、その人を見た。
青柳清だった。
清も常子が君子の娘だとわかって
「思ったよりきれいだね」といった。
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見た感じ厳しそうなおばあ様です。
小橋家ではなぜ、あんなに礼儀正しいのか
と疑問でしたが
わかりました。
君子は木場の老舗の娘だったのですね。

しっかりしつけを受けていたと
いうので、常子たちは
ただしく丁寧な言葉使いができて
いたのだなと
思いました。

そのおかげで青柳家にきても
常子たちはきちんと
挨拶もできて言葉つかいも
ちゃんとできていて
良かったことだと思いました。

それにしても
君子と竹蔵はどういう
いきさつで出会ったのでしょうか。

竹蔵もきちんとした言葉使いを
していました。

そこが興味があるというか・・・