常子、妹のために走る5
工場長の話とは?
すごくいいにくそうに
話をした。
会社には竹蔵のように
結核で亡くなる社員が
何人か出たので
そのため
資金繰りがわるくなり
会社からの援助金をやめさせて
欲しいとの話だった。
これは、生活には
大きな痛手となった。
大安売りの帰り玉置兄弟と会う。
運動会で自分たちに
勝ったからっていい気になるなと
二男が言う。
しかし長男は常子たちが持っていた
野菜を見てぼそっと
「安かったのか?」と
きく。そして
「よかったな」といって
去って行った。
いつもの長男ではない。
「なんだあれ」と二人は考える。
常子と鞠子は歩きながら
そんな話をしていると
鉄郎の姿を見た。
他人の家の塀の下にいた。
「おじさん」とよぶと
鉄郎はあわてて去って行った。
この辺で空き巣が横行しているが
それは鉄郎ではないかと
常子がいうが
鞠子はそんな大それたことを
できるひとではないといった。
「せいぜいあの、枇杷の木の枇杷を
盗むぐらいが関の山だ」と
いって笑った。
天気は一転した。
急に振ってきた雨に打たれて
帰ってきたふたり。
すると・・・畳の上で
美子がぐったりしている。
美子はカカに心配させたく
ないからという。
運動会あたりから具合が悪いという。
お金のことを思って
がまんしていたが
美子は倒れてしまった。
君子は「ごめんね」という。
その夜とにかく常子は
医者を呼びにいこうと
雨の中、合羽をきてでていこうとした。
君子が「あなたは女の子だから
暗いからダメだ」という。
鞠子も「一緒に行く」という。
二人は合羽を着て医者をよびに
雨の中へ走って行った。
途中でだれかがつけてくる。
気持ち悪くて
立ち止まって
顔を見ることにした。
つけていたのは鉄郎だった。
医者は風邪だと言って薬を
くれた。ふたりは
夜道鉄郎がいたので助かったと
いった。鉄郎は雨のために
野宿ができないので
常子の家に泊めてもらおうと
思ったけど
ちょうど
常子と鞠子がでてきたので
後をつけたといった。
「声をかけてくれたら」というが
「気まずかった」という。
米を食ってあれほど怒られた
ので、それほど困っている
のかと気まずかったらしい。
昼間見かけたとき
あのときなぜ走って逃げたのかと
鞠子がきくと
枇杷の実を取ろうと思っていたと
いう。
常子と鞠子はやっぱりと
顔を見合わせ
大笑いをした。
美子の熱は下がった。
日曜日なので君子は
美子のそばにいるという。
そこへ大家さんが来た。
大家さんは小橋家がお金に困って
いるらしい話を聞いたという。
鉄郎から聞いたらしい。
家賃をまけてやってくれと
いわれたという。
それはできないといったといった。
そして、もしも・・・お金がない
って時が来たら
援助してくれるひとを
紹介するからという。
援助する人とは・・・
妾を募集している金持ちの男
らしい。
住所を教えておくから
その気になったらいってと
大家は言う。
それを聞いていた美子は
鉄郎に
「妾って何?」と聞く。
おどろく鉄郎。
しばらくして、鉄郎は常子と
鞠子を呼び出して
妾の話があると
いった。
当然ふたりとも
驚いた。
**************
このころ、妾というのは
普通にあったらしいです。
ちょっといい感じの人妻で
夫の先立たれて
生活に困っているとすれば、お妾
さんになったら?という
話しになるわけです。
今では考えられませんが
いまは、女性でも
働きながら子供を育てることが
できる世の中だから。
当時と全く違います。
女性が働きながら子供を育てるなんて
できるわけがありませんでした。
それは、あさが来たでも
話しが何度も出てきたとおり
女性の自立が否定されていた時代
だからです。
女性は、男につかえて家を守ると
いうのが使命で
外で働いてお金を儲けるのは
できないことだと
言われていました。
女性の経済的自立は
ありえないこととされて
いました。
だから、女が一人で子供を育てる
というのは、大変なことだった
のです。
美子はそんな経済苦をわかっていて
病気で具合が悪くても
いいだせなかったわけですね。
今なら、母子家庭では
さまざまな援助がありますけどね。
工場長の話とは?
すごくいいにくそうに
話をした。
会社には竹蔵のように
結核で亡くなる社員が
何人か出たので
そのため
資金繰りがわるくなり
会社からの援助金をやめさせて
欲しいとの話だった。
これは、生活には
大きな痛手となった。
大安売りの帰り玉置兄弟と会う。
運動会で自分たちに
勝ったからっていい気になるなと
二男が言う。
しかし長男は常子たちが持っていた
野菜を見てぼそっと
「安かったのか?」と
きく。そして
「よかったな」といって
去って行った。
いつもの長男ではない。
「なんだあれ」と二人は考える。
常子と鞠子は歩きながら
そんな話をしていると
鉄郎の姿を見た。
他人の家の塀の下にいた。
「おじさん」とよぶと
鉄郎はあわてて去って行った。
この辺で空き巣が横行しているが
それは鉄郎ではないかと
常子がいうが
鞠子はそんな大それたことを
できるひとではないといった。
「せいぜいあの、枇杷の木の枇杷を
盗むぐらいが関の山だ」と
いって笑った。
天気は一転した。
急に振ってきた雨に打たれて
帰ってきたふたり。
すると・・・畳の上で
美子がぐったりしている。
美子はカカに心配させたく
ないからという。
運動会あたりから具合が悪いという。
お金のことを思って
がまんしていたが
美子は倒れてしまった。
君子は「ごめんね」という。
その夜とにかく常子は
医者を呼びにいこうと
雨の中、合羽をきてでていこうとした。
君子が「あなたは女の子だから
暗いからダメだ」という。
鞠子も「一緒に行く」という。
二人は合羽を着て医者をよびに
雨の中へ走って行った。
途中でだれかがつけてくる。
気持ち悪くて
立ち止まって
顔を見ることにした。
つけていたのは鉄郎だった。
医者は風邪だと言って薬を
くれた。ふたりは
夜道鉄郎がいたので助かったと
いった。鉄郎は雨のために
野宿ができないので
常子の家に泊めてもらおうと
思ったけど
ちょうど
常子と鞠子がでてきたので
後をつけたといった。
「声をかけてくれたら」というが
「気まずかった」という。
米を食ってあれほど怒られた
ので、それほど困っている
のかと気まずかったらしい。
昼間見かけたとき
あのときなぜ走って逃げたのかと
鞠子がきくと
枇杷の実を取ろうと思っていたと
いう。
常子と鞠子はやっぱりと
顔を見合わせ
大笑いをした。
美子の熱は下がった。
日曜日なので君子は
美子のそばにいるという。
そこへ大家さんが来た。
大家さんは小橋家がお金に困って
いるらしい話を聞いたという。
鉄郎から聞いたらしい。
家賃をまけてやってくれと
いわれたという。
それはできないといったといった。
そして、もしも・・・お金がない
って時が来たら
援助してくれるひとを
紹介するからという。
援助する人とは・・・
妾を募集している金持ちの男
らしい。
住所を教えておくから
その気になったらいってと
大家は言う。
それを聞いていた美子は
鉄郎に
「妾って何?」と聞く。
おどろく鉄郎。
しばらくして、鉄郎は常子と
鞠子を呼び出して
妾の話があると
いった。
当然ふたりとも
驚いた。
**************
このころ、妾というのは
普通にあったらしいです。
ちょっといい感じの人妻で
夫の先立たれて
生活に困っているとすれば、お妾
さんになったら?という
話しになるわけです。
今では考えられませんが
いまは、女性でも
働きながら子供を育てることが
できる世の中だから。
当時と全く違います。
女性が働きながら子供を育てるなんて
できるわけがありませんでした。
それは、あさが来たでも
話しが何度も出てきたとおり
女性の自立が否定されていた時代
だからです。
女性は、男につかえて家を守ると
いうのが使命で
外で働いてお金を儲けるのは
できないことだと
言われていました。
女性の経済的自立は
ありえないこととされて
いました。
だから、女が一人で子供を育てる
というのは、大変なことだった
のです。
美子はそんな経済苦をわかっていて
病気で具合が悪くても
いいだせなかったわけですね。
今なら、母子家庭では
さまざまな援助がありますけどね。
