柔らかい心2
新次郎に残された命は短い
ものだった。
それを知らされた家族は
悲しく思った。
あさは、家族写真を撮った。
千代の家族
が収まる
それにあさと新次郎が加わる
それに栄三郎の家族が加わる
それに亀助とうめ、平十郎も
加わる。
新次郎は啓介に家督を
ゆずった。
啓介は加野銀行ばかり
ではなく淀川生命や
加野商店でも
精力的に
働いた。
時代は戦争へむけて進んでいる
ようだった。
世論はその方へ傾き
淀川生命の方針を整える
必要があるとあさはいう。
あさは仕事の合間の
休憩時間には
新次郎のもとに
やってくることにした。
新次郎は
あさと結婚して40年になる
ので
その記念に植樹をしようと
いった。
あさがえらんだのは梅だった。
寒さが厳しくなると
新次郎は意に居着くように
なった。
そのため美和がやってきて
話をする。
また多くの友好関係
が発揮されて
友人たちが
見舞いにやってきた。
なかには・・・・
炭鉱から元親分の治郎作
と支配人だった宮部が
やってきた。
お世話になった新次郎が
病に倒れたというので
という
亀助、あさは喜んだ。
炭鉱を始めたころは
なかなか思い通りにならず
苦労したものだが
ひととのかかわりの中で
あさは、商売を学んだという。
宮部との相撲は青春の
思い出になっている。
新次郎が突然豪華な籠で
やってきたのも
語り草になっている。
やがて、日露戦争がはじまった。
そうなると淀川生命は
どうするかということになる。
あさは、新規の契約をとるのではなく
今の保険をかけてくれた客を
まもるべきだといった。
攻めの一手のあさが
守りになった。
栄三郎はびっくりした。
「この戦争にかったとしても
またこの次の戦争がおこるかも
しれない。
そのためにも
守りに入ったほうがいい」と
あさはいう。
「今の加入者を守るためだ」と主張した。
そして
あさは
大きな
決意をいった。
「うるさいおばさんが意見をする
のもここまでだす。
後は皆さんにお任せ
します。
決めましたのや。
今日限りで商いから
手を引きます。」
弥七
平十郎
亀助
啓介
栄三郎
などは
反対した。
今まであさは「いい奥さんでは
なかったから」という。
「いまは旦那様のそばにいたいから
頼みます。
どうか
そばに居させておくれやす。」
栄三郎は
「わかりました。
加野屋のことは心配しないで
ください。
啓介君のことも大丈夫です。
兄をよろしくおねがいします」
という。
「おおきに
これからのこと
よろしく・・・」
千代は反対したが
あさは、啓介を守って
さちをささえて
この加野屋ののれんを守って
ほしいといった。
事業は近代化されてきている
ので若い人の時代だからという。
新次郎は
自分のために
あさが商売をやめるなど
反対だといった。
あさは、「自分がいたら
新しいお茶のお道具を
かえないからですね?」
と
笑って言う。
亀助は
新次郎も
あさもいない
加野銀行でなにを
どうしようか
と悩む。
そこへ、
女子学生が三人来た。
そして亀助に
「白岡あささんはいらっしゃい
ますか?」
と聞く。
彼女は
あの
平塚明だった。
****************
あさが商売から手をひいた。
それは大きな決意があった
からだった。
片時も新次郎のそばに
いたいという。
親が決めた結婚相手では
あったが、
あさにとって新次郎は
自分の体の一部のように
いつも
一緒に居て
困ったときは
どこかで
支えてくれた。
この旦那様を亡くしたら
自分もあり得ないほど
大事な存在だった
のだった。
その人を失くそうと
しているのである。
世は無常というが
あさも年を取った。
若い人も一緒に働いて
いる。
少し早いかなという
ときに辞めるのも手である。
何かあっても
対応できるからである。
思えば
あさは人に恵まれていた。
それはひとがあさを認めて
いたからである。
あさが自分を他人に認めさせる
には・・・
多くの衝突があった。
その葛藤の中で
あさを認める人は認めて
きたし、認めない人は
さっていった。
が、多くの人は
認めて今に至る。
魅力とは何かと思う。
タレントさんなどは
オーラがあるというが
同じ人間でオーラをもっている
人と持っていない人が
いて・・・
多くの庶民は
持っていないのである。
あさの商売の好奇心は
なみなみならぬもので
壁があればあるほど
がんばった。
その頑張りに人々は
目を見張り
笑う人は笑い
感心する人は感心
した。
あさの魅力を支えた新次郎が
いなくなる。
それは
あさがいなくなることと
同じなのかもしれないと
思った。
新次郎に残された命は短い
ものだった。
それを知らされた家族は
悲しく思った。
あさは、家族写真を撮った。
千代の家族
が収まる
それにあさと新次郎が加わる
それに栄三郎の家族が加わる
それに亀助とうめ、平十郎も
加わる。
新次郎は啓介に家督を
ゆずった。
啓介は加野銀行ばかり
ではなく淀川生命や
加野商店でも
精力的に
働いた。
時代は戦争へむけて進んでいる
ようだった。
世論はその方へ傾き
淀川生命の方針を整える
必要があるとあさはいう。
あさは仕事の合間の
休憩時間には
新次郎のもとに
やってくることにした。
新次郎は
あさと結婚して40年になる
ので
その記念に植樹をしようと
いった。
あさがえらんだのは梅だった。
寒さが厳しくなると
新次郎は意に居着くように
なった。
そのため美和がやってきて
話をする。
また多くの友好関係
が発揮されて
友人たちが
見舞いにやってきた。
なかには・・・・
炭鉱から元親分の治郎作
と支配人だった宮部が
やってきた。
お世話になった新次郎が
病に倒れたというので
という
亀助、あさは喜んだ。
炭鉱を始めたころは
なかなか思い通りにならず
苦労したものだが
ひととのかかわりの中で
あさは、商売を学んだという。
宮部との相撲は青春の
思い出になっている。
新次郎が突然豪華な籠で
やってきたのも
語り草になっている。
やがて、日露戦争がはじまった。
そうなると淀川生命は
どうするかということになる。
あさは、新規の契約をとるのではなく
今の保険をかけてくれた客を
まもるべきだといった。
攻めの一手のあさが
守りになった。
栄三郎はびっくりした。
「この戦争にかったとしても
またこの次の戦争がおこるかも
しれない。
そのためにも
守りに入ったほうがいい」と
あさはいう。
「今の加入者を守るためだ」と主張した。
そして
あさは
大きな
決意をいった。
「うるさいおばさんが意見をする
のもここまでだす。
後は皆さんにお任せ
します。
決めましたのや。
今日限りで商いから
手を引きます。」
弥七
平十郎
亀助
啓介
栄三郎
などは
反対した。
今まであさは「いい奥さんでは
なかったから」という。
「いまは旦那様のそばにいたいから
頼みます。
どうか
そばに居させておくれやす。」
栄三郎は
「わかりました。
加野屋のことは心配しないで
ください。
啓介君のことも大丈夫です。
兄をよろしくおねがいします」
という。
「おおきに
これからのこと
よろしく・・・」
千代は反対したが
あさは、啓介を守って
さちをささえて
この加野屋ののれんを守って
ほしいといった。
事業は近代化されてきている
ので若い人の時代だからという。
新次郎は
自分のために
あさが商売をやめるなど
反対だといった。
あさは、「自分がいたら
新しいお茶のお道具を
かえないからですね?」
と
笑って言う。
亀助は
新次郎も
あさもいない
加野銀行でなにを
どうしようか
と悩む。
そこへ、
女子学生が三人来た。
そして亀助に
「白岡あささんはいらっしゃい
ますか?」
と聞く。
彼女は
あの
平塚明だった。
****************
あさが商売から手をひいた。
それは大きな決意があった
からだった。
片時も新次郎のそばに
いたいという。
親が決めた結婚相手では
あったが、
あさにとって新次郎は
自分の体の一部のように
いつも
一緒に居て
困ったときは
どこかで
支えてくれた。
この旦那様を亡くしたら
自分もあり得ないほど
大事な存在だった
のだった。
その人を失くそうと
しているのである。
世は無常というが
あさも年を取った。
若い人も一緒に働いて
いる。
少し早いかなという
ときに辞めるのも手である。
何かあっても
対応できるからである。
思えば
あさは人に恵まれていた。
それはひとがあさを認めて
いたからである。
あさが自分を他人に認めさせる
には・・・
多くの衝突があった。
その葛藤の中で
あさを認める人は認めて
きたし、認めない人は
さっていった。
が、多くの人は
認めて今に至る。
魅力とは何かと思う。
タレントさんなどは
オーラがあるというが
同じ人間でオーラをもっている
人と持っていない人が
いて・・・
多くの庶民は
持っていないのである。
あさの商売の好奇心は
なみなみならぬもので
壁があればあるほど
がんばった。
その頑張りに人々は
目を見張り
笑う人は笑い
感心する人は感心
した。
あさの魅力を支えた新次郎が
いなくなる。
それは
あさがいなくなることと
同じなのかもしれないと
思った。
