誇り高き人生1
大阪恐慌が始まろうとして
いた。
取り付け騒ぎが起こるかもと
銀行は緊張した。
そして
その日の朝
弥七と祐作たちは銀行のもんの所
にたっていると
千代とうめが
出てきた。
銀行は預金者たちが
支払いを求めてくるものと
思ってどきどきしているのに
何をしているのだろうと
思って弥七がきくと
今日、啓介が来るというので
千代とうめは出迎えるために
たっているという。
「それは
いい朝でございますなぁ~~」と
こっちはそれどころではないのにと
いわんばかりに
無理して笑った。
ところが
予想通り
男がたちが現れて
「おい、
頭取はいるか」と聞く。
「まだ開店前です」というと
「さてはこの銀行も
あぶないんやなぁ???」
とすごんでくる。
「難波銀行が倒産したと
きいたので
おまえとこも
逃げるきやあらへんやろな
と
大声で
叫び始めた。
そして
銀行前は大騒ぎとなった。
「あかんとうとう
難波銀行のとばっちりが
ここまできたか」と
平十郎が言う。
「なんでこんなことに・・」
サカエが言うと
藍の助が「清国が大きな戦争が
あり、日本と清国の貿易が止まった
ことも理由だ」という。
そのためにお金を使っていた
ひとたちがお金が回らなくなり
不況へと向かって行った。
栄三郎は支払いをしようというが
平十郎は支払い停止にするという。
しかし・・・
お金は客のものだからと
栄三郎は悩む。
新次郎は、へらへらと笑った。
栄三郎は「何をのんきな」という。
「しかし、前もあったな」と新次郎は
いう。
栄三郎は思い出した。
取り付け騒ぎが
あのときご一新の後にあった
と思い出した。
あの時も
あさが窮地を救った。
「もうすぐ、あさが帰って来る」と
新次郎がいった。
おもてでは啓介が到着して
何事かという。
またそのうえ
あさと亀助が帰ってきた。
「前にもこんなことがありましたな」
とあさが言う。
客たちはあさが帰ってきたのに
気が付きあさに詰め寄った。
暴力的な客のふるまいに
啓介はあさがあぶないというが
うめが啓介を止めた。
大丈夫だという。
客たちは加野屋が危ないと聞いて
やってきたという。
「まだ、開店まで五分あります。
まっておくれやす」というと
「わてらや預金者や
自分の金を返せというている
のや。おまえとこも
あぶないのか」
と叫ぶ。
「大丈夫です。
信用してお待ちになってください
と申し上げているのです」と
いう。
「加野銀行はつぶれません!
伝統と信用があります
めったなことでびくともしません
どうか
私どもを信用して
あと
五分・・・
あと四分
まっておくれやす」
あさは笑った。
銀行では難波銀行の
倒産を受けて
これからのことを
相談した。
意見が出たがとにかく
支払うことにした。
あさは「何のために炭鉱を売ったと
おもてますのや」と
いった。
平十郎は元役人の経験上
支払いはしてはいけないという。
政府も手を焼くことだろうと
推察した。
新次郎は銀行の神様のことばも
あるという。
あさは思いだした。
そうだった。
「銀行にとって
一番大事なものはなにか?
それは
信用です。」
渋沢栄一が言ったのだった。
「信用さえあればあとは自然に
ひとがお金を運んできます・・」
といった。
正吉も「お金と言う大切なものを扱って
いるので信用が大切だ」といった。
あさは平十郎にお願いをした。
支払うことに決めたのだった。
加野銀行は預金者への支払いを
つづけた。
座敷では啓介がきて家をつくる計画
を相談していた。
そこへ
あさと新次郎がやってきた。
あさは家のパンフを見て
「いいな~~こんな家
洋服のすそがぶつからなくていいですな」
という。
洋風の家だと
物を下に置かないので
スカートのすそが
引っかかることもないという。
啓介は自分はここで何ができる
のかと考えた。
久しぶりに
新次郎がお茶を入れた。
あさはよろこんだ。
お三味線も聞きたいとあさが
いうが
どうも・・・
あさは
新次郎の様子がすこし違う
事に気が付き
不安を覚えた。
翌日大隈綾子から
加野屋は大丈夫かという
電話が入った。
支払が続くがどうすれば
いいのかと
栄三郎が悩んでいた。
そのとき
あさは
ある考えが
うかんだ。
******************
銀行の取り付け騒ぎは
大変なことです。
しかし
あさはこうなるだろうと
読んでいたので
あわてることはありません
でした。
やはり商才があるのでしょう。
この週のお話は
仕事にかけるあさと
新次郎の内助の功を
描いていますが・・
どうも
新次郎の調子が
よくないようです。
大阪恐慌が始まろうとして
いた。
取り付け騒ぎが起こるかもと
銀行は緊張した。
そして
その日の朝
弥七と祐作たちは銀行のもんの所
にたっていると
千代とうめが
出てきた。
銀行は預金者たちが
支払いを求めてくるものと
思ってどきどきしているのに
何をしているのだろうと
思って弥七がきくと
今日、啓介が来るというので
千代とうめは出迎えるために
たっているという。
「それは
いい朝でございますなぁ~~」と
こっちはそれどころではないのにと
いわんばかりに
無理して笑った。
ところが
予想通り
男がたちが現れて
「おい、
頭取はいるか」と聞く。
「まだ開店前です」というと
「さてはこの銀行も
あぶないんやなぁ???」
とすごんでくる。
「難波銀行が倒産したと
きいたので
おまえとこも
逃げるきやあらへんやろな
と
大声で
叫び始めた。
そして
銀行前は大騒ぎとなった。
「あかんとうとう
難波銀行のとばっちりが
ここまできたか」と
平十郎が言う。
「なんでこんなことに・・」
サカエが言うと
藍の助が「清国が大きな戦争が
あり、日本と清国の貿易が止まった
ことも理由だ」という。
そのためにお金を使っていた
ひとたちがお金が回らなくなり
不況へと向かって行った。
栄三郎は支払いをしようというが
平十郎は支払い停止にするという。
しかし・・・
お金は客のものだからと
栄三郎は悩む。
新次郎は、へらへらと笑った。
栄三郎は「何をのんきな」という。
「しかし、前もあったな」と新次郎は
いう。
栄三郎は思い出した。
取り付け騒ぎが
あのときご一新の後にあった
と思い出した。
あの時も
あさが窮地を救った。
「もうすぐ、あさが帰って来る」と
新次郎がいった。
おもてでは啓介が到着して
何事かという。
またそのうえ
あさと亀助が帰ってきた。
「前にもこんなことがありましたな」
とあさが言う。
客たちはあさが帰ってきたのに
気が付きあさに詰め寄った。
暴力的な客のふるまいに
啓介はあさがあぶないというが
うめが啓介を止めた。
大丈夫だという。
客たちは加野屋が危ないと聞いて
やってきたという。
「まだ、開店まで五分あります。
まっておくれやす」というと
「わてらや預金者や
自分の金を返せというている
のや。おまえとこも
あぶないのか」
と叫ぶ。
「大丈夫です。
信用してお待ちになってください
と申し上げているのです」と
いう。
「加野銀行はつぶれません!
伝統と信用があります
めったなことでびくともしません
どうか
私どもを信用して
あと
五分・・・
あと四分
まっておくれやす」
あさは笑った。
銀行では難波銀行の
倒産を受けて
これからのことを
相談した。
意見が出たがとにかく
支払うことにした。
あさは「何のために炭鉱を売ったと
おもてますのや」と
いった。
平十郎は元役人の経験上
支払いはしてはいけないという。
政府も手を焼くことだろうと
推察した。
新次郎は銀行の神様のことばも
あるという。
あさは思いだした。
そうだった。
「銀行にとって
一番大事なものはなにか?
それは
信用です。」
渋沢栄一が言ったのだった。
「信用さえあればあとは自然に
ひとがお金を運んできます・・」
といった。
正吉も「お金と言う大切なものを扱って
いるので信用が大切だ」といった。
あさは平十郎にお願いをした。
支払うことに決めたのだった。
加野銀行は預金者への支払いを
つづけた。
座敷では啓介がきて家をつくる計画
を相談していた。
そこへ
あさと新次郎がやってきた。
あさは家のパンフを見て
「いいな~~こんな家
洋服のすそがぶつからなくていいですな」
という。
洋風の家だと
物を下に置かないので
スカートのすそが
引っかかることもないという。
啓介は自分はここで何ができる
のかと考えた。
久しぶりに
新次郎がお茶を入れた。
あさはよろこんだ。
お三味線も聞きたいとあさが
いうが
どうも・・・
あさは
新次郎の様子がすこし違う
事に気が付き
不安を覚えた。
翌日大隈綾子から
加野屋は大丈夫かという
電話が入った。
支払が続くがどうすれば
いいのかと
栄三郎が悩んでいた。
そのとき
あさは
ある考えが
うかんだ。
******************
銀行の取り付け騒ぎは
大変なことです。
しかし
あさはこうなるだろうと
読んでいたので
あわてることはありません
でした。
やはり商才があるのでしょう。
この週のお話は
仕事にかけるあさと
新次郎の内助の功を
描いていますが・・
どうも
新次郎の調子が
よくないようです。
