おばあちゃんの大仕事5
藍の助は惣兵衛に
みかんの防虫剤を
わたした。
「ボルドー液という。
硫酸銅と生石灰を
混合したものなんや。」
そして霧吹きにいれて
ミカンの木に振りかける。
「こうすれば
虫がつかない」と藍の助が
説明した。
「こうすればみんなで手分けして
虫を探さなくても済むのか?」と
惣兵衛が言う。
「だから・・」
藍の助は言う
「山を売らんといてください。」
驚く惣兵衛。
はつはいった。
「旦那様
やってみまひょ!」
はつは虫が苦手だったので
はつは喜んだ。
「まだ効くかどうかわからん
けどな」と
惣兵衛が言う。
千代の見合いの話はさちが
もってくるが千代は
なかなかいい返事をしない。
あさはさちに感謝をした。
そして、初恋の相手はなかなか
忘れられないからと
いうと
さちは、笑って実は千代ちゃんの
初恋の相手は
啓介ではなく
・・・
五代友厚だった。
小さい時から
加野屋にやってくる
五代友厚にすっかり
千代はなついていた。
それをさちは気が付いて
いた。
あさは、全く
わかっていなかった。
「あれが初恋とはな・・・
ともちゃんめ・・」
新次郎は苦々しく言った。
千代はよのの看病をしながら
よのががっかりしているのを
見て残念に思った。
その夜
部屋で宣と話をしていた。
お見合いもできないなら
女子大学校に入ったほうが
よのが喜ぶのではないかと千代が
いう。
宣は、女子大学校に入るのは
本当に学びたい人が入る
ところだ。
仕事をするためという目的を
もっているひとなどだ。
そんな甘い気持ちで入ってはいけない
といった。
宣が真剣に言うので千代は
謝った。
そこへ成沢が
宣を呼ぶ声がした。
あわてて、成沢のもとに駆けつけると
成沢は自分の大学校へ入って欲しい
という。
成沢の良き理解者であり
良き助手だったので
成沢は宣を高く評価した。
あさも、宣を高く評価した。
そして両親を説得すると
いう。
宣は、感動して
うれしいことだと
泣いてしまった。
千代も宣を祝福した。
しかし千代の将来は・・・
宣が東京に行ってしまうのが
寂しいが
またよのと一緒に寝ようとよのに
千代が言った。
よのは、ずいぶんと弱っていた。
あまり食もすすまない。
リンゴのすりおろしたのしか
食べないというので
千代はリンゴを買ってきた。
家の前で
あさにあって、「また買い物ですか?
無駄遣いはしてないみたいだすな」と
いわれて、
千代は「余計なお世話だすと
いってリンゴの袋をもって
振り返った途端
一番上にあった
りんごが
ころころと
転がって行った。
それを
拾ってくれた人がいた。
「すんまへん・・・」
千代がかけつけると
その人は
啓介だった。
「もしかして
もしかして
キミがまだ
独り身だなんて
そんな奇跡はあるだろうか?」
啓介は
りんごを千代にわたした。
千代は笑ってリンゴを受け取り
「はい」
と答えた。
それをみていた
あさは
ぼうぜんとして
「あ、ああああ・・・・」と
驚いた。
新次郎が店から出てきて
「どないしました?」
と聞く。
「千代が
千代が」
とあさがいう。
新次郎も驚いた。
よののへやにはいった千代は
よのに声をかけた。
よのは、目を開けて
千代を見た。
その横にいるのは啓介だった。
「ああ、びっくりぽんやな・・・」
と、よのがいった。
新次郎とあさがはいってきた。
「おばあちゃん・・・」
と
千代と啓介が
頭を下げた。
「かの・・・
旦那様が
うちのわがままをかなえてくれ
ましたんやな?」
「ほんにほんに・・・」
千代は言った。
「啓介さんに聞きました。
おばあちゃんのおかげだす・・」
よのは起き上がって
千代を抱きしめた。
啓介は「ご心配をおかけしました」と
挨拶をした。
「いいえ・・・
ああ、
ほれみてみ・・・
もうお嫁さんみたいやがな・・・」
「ほんにほんに」
「どうか、幸せにしたって
ください・・・」
「はい・・・」
よのは泣きながら
笑っていた。
それから一週間後。
よのの状態が悪くて
身内がよのの周りに集まった。
よのは加野屋のみんなに囲まれて
静かに息を引き取った。
新次郎が
「お母ちゃん
おおきにな・・・」
といった・
栄三郎が
「お父さんによろしゅうな」
といった。
あさが
「お母様
おおきに・・・
至らぬ嫁で堪忍だッせ。
許しておくれなはれな・・・
ほんま、おおきにありがとう
ございました・・・」
といった。
**********************
もしかして
もしかして
キミがまだ独り身だなんて
そんな奇跡があるだろうか
すてきなプロポーズの言葉です。
しかしその前に
リンゴしか食べないとか
リンゴをかって来るとか
そのセリフのうらに
リンゴと言えば
啓介という
伏線がありまして
啓介がやって来るのではと
思いました。
みかんもいいけど
りんごも
きれいな
果物です。
藍の助は惣兵衛に
みかんの防虫剤を
わたした。
「ボルドー液という。
硫酸銅と生石灰を
混合したものなんや。」
そして霧吹きにいれて
ミカンの木に振りかける。
「こうすれば
虫がつかない」と藍の助が
説明した。
「こうすればみんなで手分けして
虫を探さなくても済むのか?」と
惣兵衛が言う。
「だから・・」
藍の助は言う
「山を売らんといてください。」
驚く惣兵衛。
はつはいった。
「旦那様
やってみまひょ!」
はつは虫が苦手だったので
はつは喜んだ。
「まだ効くかどうかわからん
けどな」と
惣兵衛が言う。
千代の見合いの話はさちが
もってくるが千代は
なかなかいい返事をしない。
あさはさちに感謝をした。
そして、初恋の相手はなかなか
忘れられないからと
いうと
さちは、笑って実は千代ちゃんの
初恋の相手は
啓介ではなく
・・・
五代友厚だった。
小さい時から
加野屋にやってくる
五代友厚にすっかり
千代はなついていた。
それをさちは気が付いて
いた。
あさは、全く
わかっていなかった。
「あれが初恋とはな・・・
ともちゃんめ・・」
新次郎は苦々しく言った。
千代はよのの看病をしながら
よのががっかりしているのを
見て残念に思った。
その夜
部屋で宣と話をしていた。
お見合いもできないなら
女子大学校に入ったほうが
よのが喜ぶのではないかと千代が
いう。
宣は、女子大学校に入るのは
本当に学びたい人が入る
ところだ。
仕事をするためという目的を
もっているひとなどだ。
そんな甘い気持ちで入ってはいけない
といった。
宣が真剣に言うので千代は
謝った。
そこへ成沢が
宣を呼ぶ声がした。
あわてて、成沢のもとに駆けつけると
成沢は自分の大学校へ入って欲しい
という。
成沢の良き理解者であり
良き助手だったので
成沢は宣を高く評価した。
あさも、宣を高く評価した。
そして両親を説得すると
いう。
宣は、感動して
うれしいことだと
泣いてしまった。
千代も宣を祝福した。
しかし千代の将来は・・・
宣が東京に行ってしまうのが
寂しいが
またよのと一緒に寝ようとよのに
千代が言った。
よのは、ずいぶんと弱っていた。
あまり食もすすまない。
リンゴのすりおろしたのしか
食べないというので
千代はリンゴを買ってきた。
家の前で
あさにあって、「また買い物ですか?
無駄遣いはしてないみたいだすな」と
いわれて、
千代は「余計なお世話だすと
いってリンゴの袋をもって
振り返った途端
一番上にあった
りんごが
ころころと
転がって行った。
それを
拾ってくれた人がいた。
「すんまへん・・・」
千代がかけつけると
その人は
啓介だった。
「もしかして
もしかして
キミがまだ
独り身だなんて
そんな奇跡はあるだろうか?」
啓介は
りんごを千代にわたした。
千代は笑ってリンゴを受け取り
「はい」
と答えた。
それをみていた
あさは
ぼうぜんとして
「あ、ああああ・・・・」と
驚いた。
新次郎が店から出てきて
「どないしました?」
と聞く。
「千代が
千代が」
とあさがいう。
新次郎も驚いた。
よののへやにはいった千代は
よのに声をかけた。
よのは、目を開けて
千代を見た。
その横にいるのは啓介だった。
「ああ、びっくりぽんやな・・・」
と、よのがいった。
新次郎とあさがはいってきた。
「おばあちゃん・・・」
と
千代と啓介が
頭を下げた。
「かの・・・
旦那様が
うちのわがままをかなえてくれ
ましたんやな?」
「ほんにほんに・・・」
千代は言った。
「啓介さんに聞きました。
おばあちゃんのおかげだす・・」
よのは起き上がって
千代を抱きしめた。
啓介は「ご心配をおかけしました」と
挨拶をした。
「いいえ・・・
ああ、
ほれみてみ・・・
もうお嫁さんみたいやがな・・・」
「ほんにほんに」
「どうか、幸せにしたって
ください・・・」
「はい・・・」
よのは泣きながら
笑っていた。
それから一週間後。
よのの状態が悪くて
身内がよのの周りに集まった。
よのは加野屋のみんなに囲まれて
静かに息を引き取った。
新次郎が
「お母ちゃん
おおきにな・・・」
といった・
栄三郎が
「お父さんによろしゅうな」
といった。
あさが
「お母様
おおきに・・・
至らぬ嫁で堪忍だッせ。
許しておくれなはれな・・・
ほんま、おおきにありがとう
ございました・・・」
といった。
**********************
もしかして
もしかして
キミがまだ独り身だなんて
そんな奇跡があるだろうか
すてきなプロポーズの言葉です。
しかしその前に
リンゴしか食べないとか
リンゴをかって来るとか
そのセリフのうらに
リンゴと言えば
啓介という
伏線がありまして
啓介がやって来るのではと
思いました。
みかんもいいけど
りんごも
きれいな
果物です。
