おばあちゃんの大仕事1
よのは千代のお見合いの話を
まとめようとした。
新次郎にもあさにも協力を
もとめた。
相手は東柳啓介だった。
よのは千代の初恋の相手を
きにいって、千代と結婚させたい
とねがっていた。

千代はその話を聞いてうれしく
思った。
その夜、千代はあさの部屋に来た。
本当に啓介と見合いをしてもいいのだ
ろうか、自分より啓介が頭が良くて
品がいいし・・・
とか
あさは千代に女子大学校へ
入学を希望していたのに
結婚して
いいのだろうか?
とか
しかも婿養子にのってくれるのだろう
かとか

あさが忙しいのにまたこんなことで
走り回ってもらうのは
いいのだろうか
とか

千代にとっては細かい
悩みがあった。

あさは、千代はよのににて
いるのでいいお嫁さんになると
いった。
その様子をみていた新次郎が
はいってきた。

三人でにぎやかに笑い合った。

数日後
あさと新次郎は
大隈邸にでむいた。
そこで成沢と合流した。
寄付金がなかなか集まらないが
発起人大会を
やろうと成沢は言った。
これで、本当に女子大学校が
できるとアピールができると
成沢は言った。
あさも新次郎も賛成した。
大隈綾子も
賛成した。
成沢はそれだけをいうと
出かけて行った。

成沢は長州の生まれで
ご一新の騒ぎの時は
お家騒動などがあって
苦労しただろうと
新次郎が言う。
そのため成沢は
世界を変えるためには軍事では
泣く教育であると
信念を持っていた。
政治より教育だというのだ。

あさは綾子にもう一つお願いが
あるという。
綾子は新次郎を見て思ったことが
あった。
それはあまりにもめぐまれた
あさの境遇だった。

綾子は言った。

あさは贅沢だという。
やりがいのある仕事を持っていて
そのうえに女子大学校を作るという
夢も持っている。
かわいらしい娘と
うるわしい旦那様
がいて
贅沢だと
綾子は言い切った。

そのうえ、もうひとつお願いなんて
一切聞かないといった。
あさと新次郎は「聞いてくれ」といった。

綾子は自分と勝負をしましょうと
いう。
何の勝負とかと思ったら
・・・
あなたが私にかったら
そのお願いを聞きましょうと
いった。

和歌山では
藍の助がみかんの山に
仕事に行った。

「本当は藍の助は
どう思っているのだろうか」と
はつはいう。

「これでよかったのだろうか」と
惣兵衛と話をした。
惣兵衛は藍の助を
栄達が連れて帰ってくれた
からこそ、いまがあると
言う。

そして、それとは別に
もう、山を売ったほうがいいのでは

といった。

はつは驚いた。
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養の助の兵役で
人手を奪われたはつたちは
藍の助に帰ってもらったことが
良かったのかと悩んだ。

一方、千代の縁談をなんとしても
やり遂げたいと願うよのは
あさと新次郎に協力を求める。
千代の縁談はこうして進み始めた。