自慢の娘1
あさは一命を取り留めた。
そして加野屋にもどってきた。
そのころ和歌山では
惣兵衛が菊に大阪に山王寺屋を
再開するのは諦めてくれという。
「ようも私の最後の夢、奪うて
くれましたな!」
菊ははつに八つ当たりをする。
ある日のこと
その菊が倒れた。
痛い痛いというが・・・
腰の
骨折だった。
はつが藍の助に電報をと
いうが、菊が
知らせるなという。
はつはその通りにするといった。
惣兵衛は菊の最後の望みを
断ち切ったので
こうなったのかなという。
はつは、医者に教えてもらった
骨接ぎさんに
お願いしに行くという。
惣兵衛はそれは自分が行くから
はつには東京のお父さんの所へ
いく予定ではないのかと聞く。
はつは、菊のことが心配で
菊も大事なはつの母親であると
の考えだった。
養の助はみかんの仕事をしに行く
という。
今日は自分が全部やるから
といって出ていった。
はつは、養の助がしっかりして
来たのでうれしくなった。
惣兵衛ははつにも養の助にも
感謝した。
加野屋では
雁助からの手紙が来た。
雁助は一家で神戸に来て
マッチ工場を経営しているという。
加野屋のもと大番頭だったと
いうことで神戸では信頼されて
いる。
加野屋には手を合わせているという。
亀助は椅子の話をした。
平十郎の椅子が大きいとか
いろいろいうのだが、なぜここまで
椅子にこだわるのかと
新次郎はきつくいう。
新次郎は相談役の椅子と
加野商店の副社長の椅子と
尼崎の紡績工場の
椅子でみっつあるという。
そこへ頭取が呼んでいると
言われた。
新次郎は
椅子の数や大きさで人間が
決まるものではないと
いって、不機嫌そうに出ていった。
あさは、小さい椅子が一つある。
「これで充分ですわ・・」と
笑った。
平十郎は藍の助と一緒に
でていっている。
お昼ご飯を一緒に食べている
らしい。
仲がいいと評判だった。
そろそろ千代が帰って来る
と亀助が言う。
新次郎の不機嫌なのは
その件であるとあさはいう。
そのころ千代は里帰りの準備をしていた。
そして、啓介のことを思った。
―「実に、別嬪だな・・」
―「運が良ければまた会える
かもしれないね。」
「会われへんかったやん」
そこへ宣が帰ってきた。
先に実家に帰ったはずだが
どうやら親と喧嘩したらしい。
「僕の夢はもろくも崩れた」という。
「お母ちゃんが
卒業したら
お嫁に行けて・・・これ以上学問
したらあかんて。。。
顔を見たこともない男のところなど
嫁ぎたくない・・・
もっともっと勉強したい
のに・・・・」
宣は泣いた。
加野屋に戻った千代は
座敷に呼ばれた。
縁談の話である。
千代は「おおきに」という。
栄三郎は
「千代はいいお婿さんを迎えて
加野屋を支えてほしい」という。
新次郎は千代はまだ子供やと
いうが、
よのは、
あささんもさちさんも
千代の年にはとうにお嫁に
きてますといって
反論した。
よのは、「同じ年頃がいいのでは」と
いうが・・・
さちの実家は顔が広い。
さちも探しているという。
あさは千代に
「急ぐ必要ない
決めるのはあんただす」と
いう。
千代は言われるがまま
女学校へ行って
世間知らずであることが分かった
という。
もう少し時を待ってから
結婚したいという。
すると新次郎はうれしそうに
そうかそうかと
喜んだ。
千代はあさに相談があるという。
でも、明日にするといった。
あさが千代から相談を受けるのは
初めてのことだった。
******************
菊の骨折は年を取った故だと
しても、痛いですよきっと。
腰の骨だから
じっとしていられないほど
痛いですよ。
うちの姑も
なぜか痛い痛いというので
病院でレントゲンを撮った
けど
異常なしだったので
湿布をもらっただけでした。
でも痛くて痛くてとなくので
おかしいのではないかと
主人は病院に掛け合ったのですね。
すると、別の病院を紹介されて
そちらへ行ったわけです。
痛い、痛いと言いながら。
するとその病院で
レントゲンを取ったら
腰の骨折がわかったとの
ことです。
おかしいでしょ?
最初の病院で
なんでわからへんのかと
腹が立ちましたわ。
その間、姑はイタイイタイの連発ですよ。
やっと、治療方針が決まり
入院となって落ち着きました・・・。
菊さんの無念さもなんとなくわかり
ますが・・・。
男女雇用均等法など影も形もない
この時代に、娘は親の言うとおりに
嫁に行かねばなりません。
嫁にいったら
その家を守るために
働かねばなりません。
それこそ
朝から晩までです。
宣は、きっと顔も知らない上に
自由を奪われる人生に反発をしたかった
のでしょうが、どうあがいても
親に逆らうことはできません。
千代もきっと
親が決めた人と
結婚するのでしょう。
その覚悟はあるのでしょうが
・・・・・
相談とは???
あさは一命を取り留めた。
そして加野屋にもどってきた。
そのころ和歌山では
惣兵衛が菊に大阪に山王寺屋を
再開するのは諦めてくれという。
「ようも私の最後の夢、奪うて
くれましたな!」
菊ははつに八つ当たりをする。
ある日のこと
その菊が倒れた。
痛い痛いというが・・・
腰の
骨折だった。
はつが藍の助に電報をと
いうが、菊が
知らせるなという。
はつはその通りにするといった。
惣兵衛は菊の最後の望みを
断ち切ったので
こうなったのかなという。
はつは、医者に教えてもらった
骨接ぎさんに
お願いしに行くという。
惣兵衛はそれは自分が行くから
はつには東京のお父さんの所へ
いく予定ではないのかと聞く。
はつは、菊のことが心配で
菊も大事なはつの母親であると
の考えだった。
養の助はみかんの仕事をしに行く
という。
今日は自分が全部やるから
といって出ていった。
はつは、養の助がしっかりして
来たのでうれしくなった。
惣兵衛ははつにも養の助にも
感謝した。
加野屋では
雁助からの手紙が来た。
雁助は一家で神戸に来て
マッチ工場を経営しているという。
加野屋のもと大番頭だったと
いうことで神戸では信頼されて
いる。
加野屋には手を合わせているという。
亀助は椅子の話をした。
平十郎の椅子が大きいとか
いろいろいうのだが、なぜここまで
椅子にこだわるのかと
新次郎はきつくいう。
新次郎は相談役の椅子と
加野商店の副社長の椅子と
尼崎の紡績工場の
椅子でみっつあるという。
そこへ頭取が呼んでいると
言われた。
新次郎は
椅子の数や大きさで人間が
決まるものではないと
いって、不機嫌そうに出ていった。
あさは、小さい椅子が一つある。
「これで充分ですわ・・」と
笑った。
平十郎は藍の助と一緒に
でていっている。
お昼ご飯を一緒に食べている
らしい。
仲がいいと評判だった。
そろそろ千代が帰って来る
と亀助が言う。
新次郎の不機嫌なのは
その件であるとあさはいう。
そのころ千代は里帰りの準備をしていた。
そして、啓介のことを思った。
―「実に、別嬪だな・・」
―「運が良ければまた会える
かもしれないね。」
「会われへんかったやん」
そこへ宣が帰ってきた。
先に実家に帰ったはずだが
どうやら親と喧嘩したらしい。
「僕の夢はもろくも崩れた」という。
「お母ちゃんが
卒業したら
お嫁に行けて・・・これ以上学問
したらあかんて。。。
顔を見たこともない男のところなど
嫁ぎたくない・・・
もっともっと勉強したい
のに・・・・」
宣は泣いた。
加野屋に戻った千代は
座敷に呼ばれた。
縁談の話である。
千代は「おおきに」という。
栄三郎は
「千代はいいお婿さんを迎えて
加野屋を支えてほしい」という。
新次郎は千代はまだ子供やと
いうが、
よのは、
あささんもさちさんも
千代の年にはとうにお嫁に
きてますといって
反論した。
よのは、「同じ年頃がいいのでは」と
いうが・・・
さちの実家は顔が広い。
さちも探しているという。
あさは千代に
「急ぐ必要ない
決めるのはあんただす」と
いう。
千代は言われるがまま
女学校へ行って
世間知らずであることが分かった
という。
もう少し時を待ってから
結婚したいという。
すると新次郎はうれしそうに
そうかそうかと
喜んだ。
千代はあさに相談があるという。
でも、明日にするといった。
あさが千代から相談を受けるのは
初めてのことだった。
******************
菊の骨折は年を取った故だと
しても、痛いですよきっと。
腰の骨だから
じっとしていられないほど
痛いですよ。
うちの姑も
なぜか痛い痛いというので
病院でレントゲンを撮った
けど
異常なしだったので
湿布をもらっただけでした。
でも痛くて痛くてとなくので
おかしいのではないかと
主人は病院に掛け合ったのですね。
すると、別の病院を紹介されて
そちらへ行ったわけです。
痛い、痛いと言いながら。
するとその病院で
レントゲンを取ったら
腰の骨折がわかったとの
ことです。
おかしいでしょ?
最初の病院で
なんでわからへんのかと
腹が立ちましたわ。
その間、姑はイタイイタイの連発ですよ。
やっと、治療方針が決まり
入院となって落ち着きました・・・。
菊さんの無念さもなんとなくわかり
ますが・・・。
男女雇用均等法など影も形もない
この時代に、娘は親の言うとおりに
嫁に行かねばなりません。
嫁にいったら
その家を守るために
働かねばなりません。
それこそ
朝から晩までです。
宣は、きっと顔も知らない上に
自由を奪われる人生に反発をしたかった
のでしょうが、どうあがいても
親に逆らうことはできません。
千代もきっと
親が決めた人と
結婚するのでしょう。
その覚悟はあるのでしょうが
・・・・・
相談とは???
