大阪の大恩人1
加野屋には目出度いことが二つ
つづいた。
ひとつは亀助とふゆの結婚。
もうひとつは栄三郎とさちの
結婚だった。
五代はこれで八代目は安泰だという。
よのは、ようよう普通のお嫁さんがきて
くれだと喜ぶ。
しかし、さちのことはどう呼ぶのかと
かのが聞く。
若奥さんはあさだが、比較すれば
さちのほうがわかい。
若くない奥さんを若奥さんと呼ぶのは
どんなものかと
雁助が言う。
それはそうだと
店一同が笑っているときに
あさが炭鉱から帰ってきた。
「なんや、たのしそうやな。」
その瞬間店一同
どきっとした。
よのは、あさをみて
「その貫禄で到底若いとは
いわれしまへんな。」
と
普通の姑のように
いじわるくいった。
結果、
よのは大奥様
あさは奥様
さちは若奥様と
なった。
しばらく、「奥さん」と呼ばれても
あさは、ぴんとこなかった。
千代は六歳になった。
友人たちと店先で
おままごとをしている。
新次郎は、その様子を
ほほえましく見ていた。
今日は千代がお母さん役
だ。
「ごはんを、食べましょ」と
「いただきます。」
というところは
笑いながら見ていたが
「おかあちゃん、これからどこへ
いくの?」と
子供役が言う。
「わたしは、今から炭鉱へ行き
ます。お土産買ってきますから」
といったので
子供役も新次郎も
「えええ??と驚いた。
店では
雁助が座っている。
石炭のほうは
炭鉱で亀助が頑張っている
のでよく利益が出ている。
それは雁助もあさも
よろこんでいるが
こと
銀行のことになると
このふたりは
意見が対立する。
あさはこれから両替商は
やっていけれないという。
明治になってどんどん経済の仕組みが
変わっているのだ。
雁助は反対する。
やっていけれないという。
志のある人にお金を貸して
どうやってそれを回収するのかと
聞く。
あっちにもこっちのも貸して
お金が帰ってこなかったら
どうするのだということだ。
融資である。
あさは、それは儲けてもらってと
いうが、儲かるか儲からないか
わからないと雁助は反対する。
それを度やって見極めるのかと
聞くとあさは、目を見て決めますと
いう。
これは無理なことである。
「まれ」を思い出していただきたい。
まれの弟の一徹の嫁みのりは、農協に勤めて
いた。
まれが、店を出す時、融資の依頼を
農協にした。地元産業の復興として
の一翼である。
しかし、これでは融資はできませんと
却下される。
まれは、なんどもなんども
経営方法や、儲けの出し方などを検討
して書類を提出する。
何度目かでやっと融資の許可が下りた・・
とあった。
つまり、まだ、融資基準だの
レートの問題などが議論されて
いないのである。
栄三郎も代々伝わる加野屋をつぶす
わけにはいかないと反対する。
あさは、今日のところは自分が
負けたと言って
取り下げる。
あさがそのために勉強を
と店の外に出ると
先ほどの千代がたちが
七夕の飾りをかざっている。
一緒にかざろうと
千代があさにいうが
帰って来たら
かざりましょうという。
千代は不満そうだった。
あさは「五代さまの所へいって
お商売の話がある」と千代
にいった。
五代がはじめた商家の師弟を
あつめた商業学校を
視察するあさ。
しかし、「なんで男の子ばっかり
なのか」と五代の秘書三坂にきく。
三坂は「男と女が一緒に居たら
風紀が乱れます」という。
あさは、「あほくさ」といった。
五代は忙しそうだったが
行った先は美和のレストランで
新次郎と飲んでいた。
さつまの焼酎を飲んでいるらしい。
新次郎と
酒談義をする。
そこへ美和が薩摩地方の
郷土料理を作って
もってきた。
よろこぶ五代だった。
五代の話を聞きたいという
旦那衆はたくさんいて
彼らは美和の様なお店を作って
くれてありがたいと
いう。
新次郎は、よく美和の店で
五代とのむが
商売の話はしたことが
ない。
それが五代には不思議だった。
そういうと
新次郎は五代と話が合うのは
お酒だけだといった。
すると五代は
「女性の好みも似てますよ」と
英語で言う。
新次郎は動じずに言い返した。
「わてがこないしてお酒を飲んで
いられるのも
五代さんがあさを一人前の商人にして
くれたからだ」と
感謝した。
五代はびっくりして「英語わかる
のですか」と聞く。
新次郎は
「まさか・・・まるで」と
いったので
また大笑いとなった。
新次郎は「あさがどこへいっても
五代に会えないとぼやいていた」と
いう。
五代は東京やそのほかへの仕事が
あるらしく、大阪は部下に任せて
いるという。
五代は「美和とあさが
美和さん、あささんと
呼び合っているので
自分たちも
しんちゃん、ともちゃんで
呼び合わないか」と
いう。
驚く新次郎。
五代は笑って
「ひょうひょうとしている
新次郎さんがびっくりした顔をみた
かったといって
しんちゃん」といった。
そして真剣に言う。
「あささんはこんなひとではない。
大阪や日本を変えられる方や。
それを見守りたい」という。
さて、あさは千代と約束した
とおり
七夕の飾りを一緒に造って
いた。
五代の作った学校を見て
あさは、五代のビジョンを
感心して言った。
うめは「大阪の恩人だすな」と
いう。
「この御恩はどうやってお返し
したらいいのか」とあさはいう。
「加野屋を大きくしてから」というと
うめは「あかん」といった。
また、あさの商い病がでたという。
千代はあさにいった。
「なんで
なんでだす
なんで
おかあちゃんは
ふつうのおかあちゃんと
ちごてますの??
なぁ
なんでだす?」
あさは、
「はぁ????」
と、驚いて千代を見た。
元なんでだす娘のあさは
このことにびっくりしたの
だった。
**********************
いやぁ~~千代ちゃんは
かわいいわ~~~。
あさの、子供のころより
ずっとかわいいかも?
おままごとは自分の母親を
演じるので
それは
千代にとって炭鉱へ行くのも
自然かもしれないけど
普通の家の子にとっては
おかしなことなのでしょう。
そして、日中、
お出かけするのも
普通の主婦は
しなかったこと
なんでしょう。
千代がなんでだすと
聞くのは当然で
よくよく、話し合わないと
これから
親子の仲は心配です
よね。
五代があささんを見守りたい
と新次郎に
真剣に言ったことを
新次郎はどのくらい
理解しているのでしょうか。
何かが起こりそうです・・・
でないと話にならんけど・・・
加野屋には目出度いことが二つ
つづいた。
ひとつは亀助とふゆの結婚。
もうひとつは栄三郎とさちの
結婚だった。
五代はこれで八代目は安泰だという。
よのは、ようよう普通のお嫁さんがきて
くれだと喜ぶ。
しかし、さちのことはどう呼ぶのかと
かのが聞く。
若奥さんはあさだが、比較すれば
さちのほうがわかい。
若くない奥さんを若奥さんと呼ぶのは
どんなものかと
雁助が言う。
それはそうだと
店一同が笑っているときに
あさが炭鉱から帰ってきた。
「なんや、たのしそうやな。」
その瞬間店一同
どきっとした。
よのは、あさをみて
「その貫禄で到底若いとは
いわれしまへんな。」
と
普通の姑のように
いじわるくいった。
結果、
よのは大奥様
あさは奥様
さちは若奥様と
なった。
しばらく、「奥さん」と呼ばれても
あさは、ぴんとこなかった。
千代は六歳になった。
友人たちと店先で
おままごとをしている。
新次郎は、その様子を
ほほえましく見ていた。
今日は千代がお母さん役
だ。
「ごはんを、食べましょ」と
「いただきます。」
というところは
笑いながら見ていたが
「おかあちゃん、これからどこへ
いくの?」と
子供役が言う。
「わたしは、今から炭鉱へ行き
ます。お土産買ってきますから」
といったので
子供役も新次郎も
「えええ??と驚いた。
店では
雁助が座っている。
石炭のほうは
炭鉱で亀助が頑張っている
のでよく利益が出ている。
それは雁助もあさも
よろこんでいるが
こと
銀行のことになると
このふたりは
意見が対立する。
あさはこれから両替商は
やっていけれないという。
明治になってどんどん経済の仕組みが
変わっているのだ。
雁助は反対する。
やっていけれないという。
志のある人にお金を貸して
どうやってそれを回収するのかと
聞く。
あっちにもこっちのも貸して
お金が帰ってこなかったら
どうするのだということだ。
融資である。
あさは、それは儲けてもらってと
いうが、儲かるか儲からないか
わからないと雁助は反対する。
それを度やって見極めるのかと
聞くとあさは、目を見て決めますと
いう。
これは無理なことである。
「まれ」を思い出していただきたい。
まれの弟の一徹の嫁みのりは、農協に勤めて
いた。
まれが、店を出す時、融資の依頼を
農協にした。地元産業の復興として
の一翼である。
しかし、これでは融資はできませんと
却下される。
まれは、なんどもなんども
経営方法や、儲けの出し方などを検討
して書類を提出する。
何度目かでやっと融資の許可が下りた・・
とあった。
つまり、まだ、融資基準だの
レートの問題などが議論されて
いないのである。
栄三郎も代々伝わる加野屋をつぶす
わけにはいかないと反対する。
あさは、今日のところは自分が
負けたと言って
取り下げる。
あさがそのために勉強を
と店の外に出ると
先ほどの千代がたちが
七夕の飾りをかざっている。
一緒にかざろうと
千代があさにいうが
帰って来たら
かざりましょうという。
千代は不満そうだった。
あさは「五代さまの所へいって
お商売の話がある」と千代
にいった。
五代がはじめた商家の師弟を
あつめた商業学校を
視察するあさ。
しかし、「なんで男の子ばっかり
なのか」と五代の秘書三坂にきく。
三坂は「男と女が一緒に居たら
風紀が乱れます」という。
あさは、「あほくさ」といった。
五代は忙しそうだったが
行った先は美和のレストランで
新次郎と飲んでいた。
さつまの焼酎を飲んでいるらしい。
新次郎と
酒談義をする。
そこへ美和が薩摩地方の
郷土料理を作って
もってきた。
よろこぶ五代だった。
五代の話を聞きたいという
旦那衆はたくさんいて
彼らは美和の様なお店を作って
くれてありがたいと
いう。
新次郎は、よく美和の店で
五代とのむが
商売の話はしたことが
ない。
それが五代には不思議だった。
そういうと
新次郎は五代と話が合うのは
お酒だけだといった。
すると五代は
「女性の好みも似てますよ」と
英語で言う。
新次郎は動じずに言い返した。
「わてがこないしてお酒を飲んで
いられるのも
五代さんがあさを一人前の商人にして
くれたからだ」と
感謝した。
五代はびっくりして「英語わかる
のですか」と聞く。
新次郎は
「まさか・・・まるで」と
いったので
また大笑いとなった。
新次郎は「あさがどこへいっても
五代に会えないとぼやいていた」と
いう。
五代は東京やそのほかへの仕事が
あるらしく、大阪は部下に任せて
いるという。
五代は「美和とあさが
美和さん、あささんと
呼び合っているので
自分たちも
しんちゃん、ともちゃんで
呼び合わないか」と
いう。
驚く新次郎。
五代は笑って
「ひょうひょうとしている
新次郎さんがびっくりした顔をみた
かったといって
しんちゃん」といった。
そして真剣に言う。
「あささんはこんなひとではない。
大阪や日本を変えられる方や。
それを見守りたい」という。
さて、あさは千代と約束した
とおり
七夕の飾りを一緒に造って
いた。
五代の作った学校を見て
あさは、五代のビジョンを
感心して言った。
うめは「大阪の恩人だすな」と
いう。
「この御恩はどうやってお返し
したらいいのか」とあさはいう。
「加野屋を大きくしてから」というと
うめは「あかん」といった。
また、あさの商い病がでたという。
千代はあさにいった。
「なんで
なんでだす
なんで
おかあちゃんは
ふつうのおかあちゃんと
ちごてますの??
なぁ
なんでだす?」
あさは、
「はぁ????」
と、驚いて千代を見た。
元なんでだす娘のあさは
このことにびっくりしたの
だった。
**********************
いやぁ~~千代ちゃんは
かわいいわ~~~。
あさの、子供のころより
ずっとかわいいかも?
おままごとは自分の母親を
演じるので
それは
千代にとって炭鉱へ行くのも
自然かもしれないけど
普通の家の子にとっては
おかしなことなのでしょう。
そして、日中、
お出かけするのも
普通の主婦は
しなかったこと
なんでしょう。
千代がなんでだすと
聞くのは当然で
よくよく、話し合わないと
これから
親子の仲は心配です
よね。
五代があささんを見守りたい
と新次郎に
真剣に言ったことを
新次郎はどのくらい
理解しているのでしょうか。
何かが起こりそうです・・・
でないと話にならんけど・・・
