新春 恋心の行方4
あさはふゆと亀助の思いが
ままならぬので
一人でドキドキしていた。
新次郎が帰ってきて
どうしたのかと聞く。
あさは、もともと許嫁が
いたことから恋心を
味わったことがないという。
新次郎にとっては
それは他人ごとだった。
新次郎は、自分は神田屋の
辻占いせんべいを食べたら
なかから女難の相ありという
紙が出てきた。
「大変やというが
あさは、それが嬉しそうに
みえた。
新次郎は嫌味を言われたと思って
怒って出て行った。
あさは、頭に来て自分も
せんべいを食べると
中から「家中で騒動あり」と
でた。
そのとおりだった。

新次郎が縁側で三味線を
引いていると
大股で亀助がやってきた。
そして、ふゆが思って
いるのは新次郎だといった。
それでも人の亭主なので
それはふゆが悪いという。
でも、そんな気持ちを
じっとかかえて
好きでもない男の所へ
嫁ぐなど、かわいそうだ。
という。
新次郎は、そういわれても
何をどうしたらいいのかわから
ない。「で、どうしたらええのや?」
と聞く。
亀助は最後にたとえばどこかへ連れて
いってやるとか
甘いものを食べさせて
やるとか
してやって欲しいという。
それでどうなるのかと新次郎は
わからない。
亀助は怒って
去っていく。

ふゆは白無垢の着物が
かかっている部屋で
千代と一緒に居た。

千代に「これをきて
お嫁に行きます。
千代さんはどんなお人の
お嫁さんになるのでしょうか」
と、話をしていた。
新次郎はそっとはいって
きて、千代を連れて
出かけた。
あさは、店で
新次郎がいないので
どうしたのかと
きくと
弥七が、「えらい前に
ふらっとでていった」と
いった。

あさは、どこか女性の所へ
行ったのだと思った。

新次郎は
女難の相がある
と占いにでたからだ。

あさは、「そうだすか!!!」
と怒って答えたので
弥七は怖くなった。

実は新次郎は
ふゆをつれて
子供相撲を見に行って
いた。
楽しかったと二人で
話をする。
新次郎は子供のころ
一度だけ相撲を取った
と話をする。
それが面白いのか
ふゆは楽しそうに笑った。

そして、亀助がなにか
甘いものを食べさせるとかと
いったので、
甘党どころへ行って
お茶をした。

ふゆはこんなにもたくさん笑った
のは、初めてだと
喜んだ。

ふゆの父親は自分中心の
あらっぽい男で
いつも、母や姉たちは
怒られて怒鳴られて
殴られていたのでふゆは
男というのは
恐ろしいものだと思って
大きくなった。
ところが今井に奉公へ
いったときも
そうではないと思ったし
加野屋にいくと
ますます、いい人だらけなので
間違いが分かったという。
「ふゆはがんばりやさんやな」と
新次郎に言われたり
「ごくろうさん、お父ちゃんも
お母ちゃんも御無事でよかった
がな・・・」
・・・・と。
ふゆは、自分などなにも
とりえのないおなごにも
よくしてくれたと
うれしく思ったそうだ。

「あれ、」新次郎は
空を見上げると
雪がふってきた。
「さあさ、
お土産でもかって
帰りましょう」

といった。
ふゆは
「もう少しだけでいいから
いてほしい」と
新次郎に頼んだ。

あさは、美和のレストランへ
いった。
外から中を見ると
美和が気が付いて
「加野屋の若奥さん」と
外に出て話しかけてくれた。

そして新次郎を探していると
きがついたのか、
新次郎は来ていないと
いった。
帰ろうとすると
「中に入って、座って欲しい」と
いう。

あさは、客はおとこばかり
なので、女でもいいのかと
聞く。
美和は「もちろんですよ」といった。
ただ、客が男ばかりなのが
美和の悩みだった。

お茶はおいしい。
「一緒にのみましょう」と
あさが美和に声をかけた。
「うれしいこと」と、美和は言う。
「女の友達がいないので
女性と
お茶を飲むのはどきどきする」と
いった。

あさは、自分も
はつが和歌山にいて
から女性の友達がいないので
同じだという。
美和は、笑って「これからは
美和と呼んでほしい」という。
あさも、「自分のことは
あさと呼んでほしい」といった。

店に走って帰った新次郎は
亀助を呼んだ。

そして高麗橋の角の茶屋
まで
これをもっていきといって
暖かそうな襟巻を
わたした。
「はい?」
というが
「早く」と言って
亀助を出した。
亀助は納得できず
外に出ると
雪が降っていたので
あわてて走って行った。

そこには
ふゆが泣いていた。
ふゆは
新次郎に、あさがうらやましいと
思っていたと話をした。
自分のようなものでは
ダメだとわかっていても
それでも
お妾さんでもいいからそばにいて
いたいと新次郎に話をしたという。

新次郎はふゆにきつく言った。
「ええか?そんなことしたら
自分を傷つけるだけだ」といった。
「それからな」
といって上着を脱いでふゆにきせ
「うちなんかという
言い方はやめて
自分に誇りを持って」と
いった、

「うちはなんてことを
新次郎さまはおあさ様の
旦那さまなのに
変なこと言ってしまって」と
ふゆはなく。

亀助は
「よかったな。
想いを話せて」といった。

「よく勇気を出しましたね」と
笑いながら言って
襟巻を
ふゆのくびにまいた。

それが
とんでもないことに
発展するらしく

加野屋に
父の日野彦三郎と
結婚相手の山本平蔵があわてて
やってきた。
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ふゆの気持ちを
しっかり受け止めて
新次郎はかっこいいですよね。
亀助も認めるかっこよさなのですが
ふゆは、これで
目が覚めたことでしょう。
自分にとっての幸せを
考えて
結婚すると
思います。

が・・・
はたして

相手が山本なのかどうなのか
それはわかりません。
山本は
お金持ちなので彦三郎にとっては
うれしい話ですが。

ふゆは、どうするのでしょうか。

美和さんの店には女性の客が
いないというのは・・・・
困ったことです。

それでも女性の客が増えると
もっと華やかになって
もっと、お店も活気づくの
ですが。
あさが、こうしてお店にかようことに
なり、女同士の話ができる
ようになると
女性の客が増えるかも
しれません。