九転び十起き3
時は流れて秋になり
あさのおなかも大きくなった。
五代友厚は米会所を再開した。
さらもあさのおなかよりも
様子が変わったのは
新次郎と栄三郎の
散切り頭だった、
そんな中
隠居した正吉だけはかたくなに
ちょんまげを守っていた。
よのと二人でお芝居を見に行く
正吉。大変仲がいい。
一方、あさは、新次郎の頭が
「さっぱりぽんや」といってからかう
と新次郎は「世のおなごはんに
えらい評判がいいのですよ」と
いって出かけていく。
あさは追いかけるが
大きなおなかで
追いかけることができない。
なかなかうまくいかない夫婦である。
ところが仲のいいはずの
正吉とよのは
驚くことに二人は対立した。
あさのお産に関して
正吉は
医者にまかせると
いい
よのは、昔から産婆さんだと
いう。
どっちもゆずらない。
とにかくあさは
つわりがひどくて
医者がいいのではと
正吉が言うのも
納得がいくし
お産は病気ではないからと
産婆さんがいいというのも
納得がいく。
この二人がけんかするのは
珍しいことである。
それをみて
鴈助はうめに「珍しいことも
あるものだ」というと
うめは、あさのおなかが大きく
なるのを見ていると
そわそわしてくるという。
「男はお産を自分のことのように
思うことができないから」と
鴈助が言う。
鴈助は、娘がいたらしい。
娘が生まれるときは
どうしたらいいのかわからなくて
家から逃げていったという。
うめは鴈助に娘がいることは
初めて聞いた。
娘は妻が鴈助に愛想をつかしたとき
一緒に実家のある伊予に帰ったという。
(そうなん!!!
伊予って愛媛県やん
なぁ?友近!!!
どういう意味やろ?
この鴈助の言葉に
しみじみとセリフを聞いていた私は
ぶっとんだ。)
しかし、友近は・・・
いや、うめは
さみしそうな顔をして
だまっていた。
(あんた、だまるの?わたしも
伊予の生まれやでと
いわへんのん?)
鴈助はうめが暗い顔をしているので
自分はもう、いっこも気にしてないと
いう。
うめは、長いこと加野屋に勤めていて
鴈助が店以外の自分の話をするのを
初めて聞いたという。
鴈助は「堪忍やで、しょうもない
話をしてしもた」と
謝るが
うめは・・・「そういうことでは
ありません」と・・・
次第に、ぬかるみに入っていく
ようである。
それをふゆがじっと聞いて
いた。
鴈助は「いいや、自分の過去なんか
しょうもない話で
自分は加野屋に一生と
尽くすのだと決めています」と
いった。
「わてのことなんかどうでもいいことダス」
というが
うめも自分も今井に来て
お嬢様がたに生涯尽くすと
決めたことを話すと
なにか・・・・
目に見えない
運命の糸が
結ばれそうになりそうに
なるのかなぁ~~~~~~???
と思った。
「番頭さん・・・うち・・」
うめが緊張していったとき
「なにしてますのや?ふゆ!」
と、立ち聞きをしているふゆに
あさが声をかける。
それで
鴈助と
うめにふゆが立ち聞きしていたのが
ばれてしまった。
うめは
びっくりして
「おあさ様!!!
しかも
ふゆっ!!!」
うめは立ち上がった。
「すんまへん
すんまへん
うち・・
お邪魔してしもうて・・・」
とふゆがいう。
ところが
にぶいあさは
「へ?
邪魔て
なんの邪魔???」
と聞く。
うめは
「そうだす。
邪魔ってなんやの?
いまうちは
番頭さんにあんたの相談を
してたんやで。」と。
「へ?」とふゆ
「へ?」と鴈助。
「そうや、相談や」と鴈助は
うめの空気に乗った。
「そら決まってますがな。
亀助さんのことだす」と
あさはいう。
うめは、それを受けて
「亀助さんからあんなようけの
お手紙をもらって
ちゃんと返事を書いてますのか?」
ふゆは字が下手なので
言葉が詰まった。
あさは、「うちが手伝おうかそれとも
鴈助さんに。。。」
「手伝いまっせ。」
と鴈助。
「亀助も手紙をもらったら
もっと元気になるやろ?
手伝いますよ~~」と
いってあっちへ行った。
あさは、
炭鉱の収支の計算をしている。
新次郎が声をかける。
たまに
おなかが痛くなる。
よく蹴ると
あさはいう。
新次郎は
「元気やな?
早く出たいのかな?」
あさは「さっきの医者か
産婆さんかのことで意見が
あるのかもしれませんね。
どっちがいいというのも
選ぶのがむつかしくて
ややこというのは
そろばん通りに
いかへん」と
あさはいう。
自分の体なのに
腰が痛くなったり
おなかが痛くなったり
何が起きているのかと
思うという。
あさは
子供を安全に出してあげることが
あさのやることだと
きめた。
「安全第一」という考えで
ふたりは
腕のいい医者と
経験がたくさんある産婆の
両方に
お願いすることにした。
医者は
「あと十日」という。
産婆もそう思うという。
正吉は
「あと十日ですか」と
うれしそうだ。
正吉は
「安心した」と産婆と医者に言った。
あさは
よのに、お金もかかるのに
産婆と医者の両方に見てもらい
たいといったことを
謝った。
よのは、昔ながらの女性なので
旦那様以外の殿方に
体を見せるのは・・と
納得に行かない様子だ。
そのとき
かのの大きな声がした。
さっきの座敷で正吉が
倒れたという。
発作である。
ちょうど
あさが診察を受けていて
医者がまだいてたので
大事にならずに済んだ。
あさのおかげだと
正吉は言う。
でも時々こうして
発作が起きていたらしい。
正吉は
「こんなみっともないところを
栄三郎に言わないように」と
あさに頼んだ。
栄三郎はしっかりしているようで
気の弱いところがあるので
でんと構えた
正吉でいなければいけないから
誰にも言わないでと正吉は言った。
あさは「わかりました」と
いった。
よのは、「時々ああなるのよ」と
いう。そしてあさに
「頼むから
無事に生んであの人に見せて
あげてほしい」という。
「頼むわ、お願いします」と
何度も言われた。
あさは
正吉の寿命を感じた。
**************
うめと鴈助です!!!
それをふゆが感じました!
しかし
うめは
ふゆと新次郎の微妙な
気持ちも感じています。
だからこそ
亀助とふゆをどうにかと
思っているのかも
しれません。
正吉はそういうことで
引退を早くしたのでしょう。
去っていく命と
やってくる命・・
あさの気持ちは命の不思議を
感じたのではないでしょうか。
時は流れて秋になり
あさのおなかも大きくなった。
五代友厚は米会所を再開した。
さらもあさのおなかよりも
様子が変わったのは
新次郎と栄三郎の
散切り頭だった、
そんな中
隠居した正吉だけはかたくなに
ちょんまげを守っていた。
よのと二人でお芝居を見に行く
正吉。大変仲がいい。
一方、あさは、新次郎の頭が
「さっぱりぽんや」といってからかう
と新次郎は「世のおなごはんに
えらい評判がいいのですよ」と
いって出かけていく。
あさは追いかけるが
大きなおなかで
追いかけることができない。
なかなかうまくいかない夫婦である。
ところが仲のいいはずの
正吉とよのは
驚くことに二人は対立した。
あさのお産に関して
正吉は
医者にまかせると
いい
よのは、昔から産婆さんだと
いう。
どっちもゆずらない。
とにかくあさは
つわりがひどくて
医者がいいのではと
正吉が言うのも
納得がいくし
お産は病気ではないからと
産婆さんがいいというのも
納得がいく。
この二人がけんかするのは
珍しいことである。
それをみて
鴈助はうめに「珍しいことも
あるものだ」というと
うめは、あさのおなかが大きく
なるのを見ていると
そわそわしてくるという。
「男はお産を自分のことのように
思うことができないから」と
鴈助が言う。
鴈助は、娘がいたらしい。
娘が生まれるときは
どうしたらいいのかわからなくて
家から逃げていったという。
うめは鴈助に娘がいることは
初めて聞いた。
娘は妻が鴈助に愛想をつかしたとき
一緒に実家のある伊予に帰ったという。
(そうなん!!!
伊予って愛媛県やん
なぁ?友近!!!
どういう意味やろ?
この鴈助の言葉に
しみじみとセリフを聞いていた私は
ぶっとんだ。)
しかし、友近は・・・
いや、うめは
さみしそうな顔をして
だまっていた。
(あんた、だまるの?わたしも
伊予の生まれやでと
いわへんのん?)
鴈助はうめが暗い顔をしているので
自分はもう、いっこも気にしてないと
いう。
うめは、長いこと加野屋に勤めていて
鴈助が店以外の自分の話をするのを
初めて聞いたという。
鴈助は「堪忍やで、しょうもない
話をしてしもた」と
謝るが
うめは・・・「そういうことでは
ありません」と・・・
次第に、ぬかるみに入っていく
ようである。
それをふゆがじっと聞いて
いた。
鴈助は「いいや、自分の過去なんか
しょうもない話で
自分は加野屋に一生と
尽くすのだと決めています」と
いった。
「わてのことなんかどうでもいいことダス」
というが
うめも自分も今井に来て
お嬢様がたに生涯尽くすと
決めたことを話すと
なにか・・・・
目に見えない
運命の糸が
結ばれそうになりそうに
なるのかなぁ~~~~~~???
と思った。
「番頭さん・・・うち・・」
うめが緊張していったとき
「なにしてますのや?ふゆ!」
と、立ち聞きをしているふゆに
あさが声をかける。
それで
鴈助と
うめにふゆが立ち聞きしていたのが
ばれてしまった。
うめは
びっくりして
「おあさ様!!!
しかも
ふゆっ!!!」
うめは立ち上がった。
「すんまへん
すんまへん
うち・・
お邪魔してしもうて・・・」
とふゆがいう。
ところが
にぶいあさは
「へ?
邪魔て
なんの邪魔???」
と聞く。
うめは
「そうだす。
邪魔ってなんやの?
いまうちは
番頭さんにあんたの相談を
してたんやで。」と。
「へ?」とふゆ
「へ?」と鴈助。
「そうや、相談や」と鴈助は
うめの空気に乗った。
「そら決まってますがな。
亀助さんのことだす」と
あさはいう。
うめは、それを受けて
「亀助さんからあんなようけの
お手紙をもらって
ちゃんと返事を書いてますのか?」
ふゆは字が下手なので
言葉が詰まった。
あさは、「うちが手伝おうかそれとも
鴈助さんに。。。」
「手伝いまっせ。」
と鴈助。
「亀助も手紙をもらったら
もっと元気になるやろ?
手伝いますよ~~」と
いってあっちへ行った。
あさは、
炭鉱の収支の計算をしている。
新次郎が声をかける。
たまに
おなかが痛くなる。
よく蹴ると
あさはいう。
新次郎は
「元気やな?
早く出たいのかな?」
あさは「さっきの医者か
産婆さんかのことで意見が
あるのかもしれませんね。
どっちがいいというのも
選ぶのがむつかしくて
ややこというのは
そろばん通りに
いかへん」と
あさはいう。
自分の体なのに
腰が痛くなったり
おなかが痛くなったり
何が起きているのかと
思うという。
あさは
子供を安全に出してあげることが
あさのやることだと
きめた。
「安全第一」という考えで
ふたりは
腕のいい医者と
経験がたくさんある産婆の
両方に
お願いすることにした。
医者は
「あと十日」という。
産婆もそう思うという。
正吉は
「あと十日ですか」と
うれしそうだ。
正吉は
「安心した」と産婆と医者に言った。
あさは
よのに、お金もかかるのに
産婆と医者の両方に見てもらい
たいといったことを
謝った。
よのは、昔ながらの女性なので
旦那様以外の殿方に
体を見せるのは・・と
納得に行かない様子だ。
そのとき
かのの大きな声がした。
さっきの座敷で正吉が
倒れたという。
発作である。
ちょうど
あさが診察を受けていて
医者がまだいてたので
大事にならずに済んだ。
あさのおかげだと
正吉は言う。
でも時々こうして
発作が起きていたらしい。
正吉は
「こんなみっともないところを
栄三郎に言わないように」と
あさに頼んだ。
栄三郎はしっかりしているようで
気の弱いところがあるので
でんと構えた
正吉でいなければいけないから
誰にも言わないでと正吉は言った。
あさは「わかりました」と
いった。
よのは、「時々ああなるのよ」と
いう。そしてあさに
「頼むから
無事に生んであの人に見せて
あげてほしい」という。
「頼むわ、お願いします」と
何度も言われた。
あさは
正吉の寿命を感じた。
**************
うめと鴈助です!!!
それをふゆが感じました!
しかし
うめは
ふゆと新次郎の微妙な
気持ちも感じています。
だからこそ
亀助とふゆをどうにかと
思っているのかも
しれません。
正吉はそういうことで
引退を早くしたのでしょう。
去っていく命と
やってくる命・・
あさの気持ちは命の不思議を
感じたのではないでしょうか。
