九転び十起き2
サトシは「加野屋が炭鉱の経営を
できなくなるようにしてやる」と
つぶやく。
宮部はその声が聞こえず
「何か言ったか」と聞く。
サトシは宮部の声掛けに
そっけなくいった。
「そこにいたら上から石炭が
ふってくるから」と。
宮部はあわてて外へ出た。

あさはつわりの苦しさに
耐えていた。
新次郎はあさを連れて帰ること
になった。出発の日あさは
「しばらくは帰れないけど
よろしく」といった。
鉱山の男や女たちが
あさを見おくるために
集まってきた。

治郎作は
「まかせておけ」という。
カズは、「どうかご無事で
生まれますように」といった。
子供たちは
「あさねーちゃん
頑張って」という。
あさは、鼻にミカンをくくりつけた
顔で「おおきに」と答えた。
こうしていると
みかんのにおいで
新次郎のびんづけの油のにおいが
わからなくていいという。
籠が来て
いよいよ山を去る時が来た。
新次郎はなぜか誰かを探して
いるかのようだった。
亀助は残ることになった。

駕籠屋が来て
あさは乗り込み
みんなに送られて去っていった。

その姿を
サトシは不敵な顔をして
みていた。

こうしてあさは加野屋に
数日後ついた。

そして、つわりがきついという
ので、よのは、針の先生を
呼ぶことにした。
あさのつわりは一か月以上
つづいたのち
ようやく落ち着いていった。
腹帯の帯祝いの儀式が
終わった。


あさは、普段は元気なのだが
つらいということはこういうこと
なんだとわかったという。
新次郎は「無茶したらあきまへん」と
いった。「あんただけの体じゃないのだし」
という。

あさは、「はい、その通りにいたします」
といった。
「こんな苦しいことがあることを
おなかの子供が教えてくれたのだろう」と
あさはいった。
「無理はしません。
無理は子が生まれた後にします。」

そういうと
みんな笑った。
「ほどほどにしてな」と
正吉が言う。

弥七が「このごろ髷を言うて
いる人が少なくなった」といった。
断髪令がでたらしい。
「西洋ではちょんげを
ぶたのしっぽといわれる」と
かのがいう。

「しつれいなことや」と
みんな笑った。
季節は夏。
「ああいうさっぱりした頭がいい」
と弥七はいった。
新次郎はさ「っぱりか。。。」と
考える。
あさは、相変わらずみかんのにおいが
いいという。

そして、今井からは
たくさんの薬が送られてきた。
銀行の立ち上げに忙しくて
大阪に来られないという。

加野屋の重役会議で
今井が銀行を立ち上げたら
今までの両替屋も
そうなるのではないかと
正吉が言う。
加野屋はこれからどうするかと
話をする重役たち。
「3年前にあさが加野屋を銀行に
したいといった。」と正吉が言う。
そういえば
あさがバンクの話を
はつにした。
今井の和歌山の土地を提供
するのはただでやるのではなく
志のあるひとに
銀行が金を貸すという
システムだと
いった。
今の加野屋は、両替商の看板をだして
いるが、そっちのもうけはさっぱりで
ほとんどが
石炭で儲けている。
「先祖代々の商売を続けようと
思ったら銀行にしなくては
行けないのですか」と
栄三郎が聞いた。
正吉は
「お前たちの判断だ」という。
栄三郎は
店に座って
鴈助に「どう思うか」と聞く。

「それは胡散臭い」と
鴈助は言う。
「銀行はいっときの流行りで
すたれていくのでは」と
栄三郎と鴈助は話をする。

新次郎は、やってくる客の
頭を見ていた。

そして栄三郎は銀行について
どう思うかと
新次郎に聞いた。
「新しいこともいいことだ」と
新次郎は言うが
しかし
商いにかけては
ノーコメントだといって
店を出て行った。

「なぜあのように商いを嫌がるの
か」と
栄三郎は鴈助に聞く。

すると出て行ったはずの新次郎が
帰ってきて
栄三郎と鴈助を
呼び
「一緒に行こう」といった。
どこへ・・・・・・

あさは廊下の掃除をしていたが
掃除をしていると
きれいな子供が生まれるといって
廊下を磨いていた。
そのとき五代が来た。

「八代目も主人も出かけて
いてすみません」とあさは
五代にいった。

五代はあさが倒れていると
聞いてきたが
案外元気そうなので
安心したという。
「寄合所にも行けれない」と
あさがいうと
「子供を産み育てることも
お国のためにですから」と
五代は言う。
「しかし
あなたが
母親になるなんてなぁ~~」
といった。

そして五代は前に行った米会所を
再建しようと
思っているといった。

あさは、そんな話を聞くと
動きたくてむずむずするという。

あわてることはないと
五代は言う。
「お金は墓場には持って行けれない。
それよりも
後世に何を残すかということが
問題だ」という。

そこにうめが
あわててやってきた。

新次郎の様子がおかしいらしい。

「何言うてるの?」といって
あさが店に出ると
新次郎が・・・

あさは、びっくりして

「さっぱりぽんや」と
いった。
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サトシの態度はどう見ても
危険な感じがします。
あさがお産で苦しい思いをして
いるのにことかいて
何を企んでいるのでしょうか。

そして新次郎は明らかに
サトシの正体を知っていて
何も言わないでいるのは
なぜでしょうか。

五代の後世に何を残すかが
問題だといいましたね。
それをあさは心に焼き付け・・

た、と思いますよ。

生まれてくる子供が幸せに
暮らせる国を目指して
あさはがんばるのですが
まだまだ
考えは江戸時代が残って
います。

さっぱりぽんや・・・
つまり
新次郎が
まげを
切ったのでしょうね・・
はははは・・・。
玉木さんは
髷姿より
断髪のほうが
似合いますし
ますます
イケメンぶりを発揮すると
おもいますが、新次郎は
子持ちでも、もてるのでしょうか。