京都、最後の贈り物1
あさの頑張りで炭鉱が動き始めた。
あさも大阪へ帰ることになった。
その前に新次郎に手紙を書くあさ。
炭鉱が加野屋のものだと思うと
転がっている石炭ひとつにも
愛着がわき
従業員さんも
わが子のように思えると
手紙につづった。
その手紙を宮部に託した。
宮部は「明日帰るというのに
旦那様に手紙を書くってまめですね。
男前の旦那様をもつと
心配でしょうね」と
いう。
「別に心配などしてません」と
あさがいう。
「これで商売が軌道に乗ると
いいのだが」と
亀助が言う。
昨日新次郎が言っていた
お金はひとを変えるという事を
思い出した。
そこへ宮部が手紙が来たと
いって持ってきた。
それは
京都の祖父が危篤という
手紙だった。
そのころ、はつは京都にいた。
「あさか?」
と忠政がきく。
「はつだす」
とはつがいうと
「道理でお行儀のいい
すわりからだと思った」と
いった。
「心配していたけど
元気そうだ」と忠政は
いう。
はつは、「お顔を見られて
うれしい」という。
「いつ死んでもいい」と
忠政は言うが。
そこへ、大股でやってくる
足音が
聞こえた。
いきなり障子があいて
「おじいちゃん、死んだらあかん」と
あさが
叫んだ。
忠政は「まだ死んでないぞ」という。
あさは、「よかった」といった。
そこにはつの子供、藍の介を
梨江がつれてくる。
「利口そうな子やな。
久太郎と大違いや」と忠政が
いう。
はつとあさは
縁側で話をした。はつは
さっきは祖父は気丈にしていたが
ほんとうは、医者はもう長くない
といったという。
そのまえに自分たちに夢でもいいから
会いたいと
自分たちがいた部屋で
寝起きをしていたと
はつがいう。
旅姿のあさに梨江は着物を用意した。
「お付きもつけないで一人で来るなんて」と
梨江は言う。
そして炭鉱の話をふってきた。
あさは「そうだす。
九州のおなごはんはりっぱです。
お母さんよりも気丈なひとはいないと
思っていたけど九州のおなごはんは
気丈だ」といった。
あさが墨をつけたままの顔だったので
梨江は注意した。
あさは、びっくりして
着物をもらって
恰好を整えるために
さっていった。
あさは、まだ若いと言っても
25だから、もっときちんと
してほしいと
梨江ははつに言う。
「加野屋のお姑さんもどう思ているの
だか」というと
はつは、ふと顔を曇らせた。
よのがそっと藍の介をみに来たことが
あるからだ。
はつのほうはどうなのかと梨江はきいた。
みんな元気なのかということだ。
あれから菊は藍の介べったり。
みんな元気で働いている。
もしかしたら、青物というものは
人を元気にする力をもって
いるのかもしれないと
いう。親子五人身に足りた暮らしをして
いますので心配しないでほしいと
いった。
はつが着ている着物は
梨江の着物だった。
「来るとわかっていたらもっといい
着物を仕立てたのに」と
梨江は言う。
「これで充分だ」とはつはいった。
「ここにいる間貸してくださいね」と
いうので、「他人行儀だ」と
梨江は言った。
その頃、大阪ではよのが店にいる正吉に
愚痴を言う。
あさは、九州から帰って来ると
おもったら
今度は京都へ行ったと
いう。
「もううちを開けてひと月だすがな
これで加野屋の嫁というのだろうか」と
いう。
正吉は
「加野屋のためにあさは働いている
のだから、そんなこというたら
だめだ」という。
「あさが抗夫たちに
カツを入れたおかげで
炭鉱が動き出した」という話をした。
雁助は「そない書いてありますな」と
亀助の手紙をみていう。
新次郎は、「それにな」と
いった。
「今はおじいちゃんが危篤だから」と
いう。
「そうだすか
そうやってみんな私をいけずな
姑扱いしたらよろしいがな・・
それが年取った者の役目いうもんや。
そやけどな
そやけど・・・」
よのが泣き出した。
正吉は
機嫌を取った
「あんたがそんな人だとみんな思ってないし
な。店先で泣いたらあかんがな」
「そうだすか?
みんな若いほうがいいと思っている
のでは?あささんかて
若くないけどな・・・」
と、いけずをいいながら
正吉に機嫌を取ってもらいながら
さっていった。
新次郎は、「あのやり取りこの一か月で
なんべんやってますのや。」とあきれる。
雁助は「あれが夫婦円満の秘訣か・・・
さすが旦那様や。」
という。
新次郎はあさから手紙はあったかと
うめに聞く。
うめは「無事に京都についたそうです」と
いった。
あさはおじいちゃん子なので
間に合ってよかったという。
忠政は一番のあさの理解者だった。
うめは新次郎も早くあさに会いたかった
だろうに、京都へ行くことを許して
くれてほんまにお優しいことでと
感謝をした。
新次郎は「わてなんかどうでもいい」と
いった。
だが、台所にいくと
あさがいないので
「寂しいがな」という。
ふゆの泣き声が聞こえた。
驚いた新次郎は
外にいた冬が泣いているのを見た。
「あれ?
おふゆちゃん??」
「新次郎さま・・・」
ふゆは大声で泣き出した。
「どないしましたんや?」
そのころあさは
懐かしい今井のお店にはいって
いました。
「わぁ~~~」
顔をきらきらさせて活気のある
店を見るあさだった。
***************
そうなのよ
そうなのよ
宮部が男前の旦那様を持つと
心配でしょうねと言うたでしょ。
で、
新次郎はあさがいないさみしさを
こらえて
いるわけで・・
そこにあさより若いふゆが泣いている
のですよ。
もしかしたら
もしかしたら・・
と思いませんか。
原作では
旦那様は
妾を持ちます。
その妾とはあさの
付き人なのだそうです。
よのが若いほうがいいでしょうしねと
正吉に愚痴るところがありますよね。
あさよりふゆが若い・・・・・
そうです・・・
うめのわけないと思います。
ふゆかもしれません。
商売に夢中になるあさは
加野屋のために働きます。
新次郎にとってそれはうれしい
半面寂しいことなのでしょう。
でも、ふゆは何を泣いていたので
しょうか???
あさの頑張りで炭鉱が動き始めた。
あさも大阪へ帰ることになった。
その前に新次郎に手紙を書くあさ。
炭鉱が加野屋のものだと思うと
転がっている石炭ひとつにも
愛着がわき
従業員さんも
わが子のように思えると
手紙につづった。
その手紙を宮部に託した。
宮部は「明日帰るというのに
旦那様に手紙を書くってまめですね。
男前の旦那様をもつと
心配でしょうね」と
いう。
「別に心配などしてません」と
あさがいう。
「これで商売が軌道に乗ると
いいのだが」と
亀助が言う。
昨日新次郎が言っていた
お金はひとを変えるという事を
思い出した。
そこへ宮部が手紙が来たと
いって持ってきた。
それは
京都の祖父が危篤という
手紙だった。
そのころ、はつは京都にいた。
「あさか?」
と忠政がきく。
「はつだす」
とはつがいうと
「道理でお行儀のいい
すわりからだと思った」と
いった。
「心配していたけど
元気そうだ」と忠政は
いう。
はつは、「お顔を見られて
うれしい」という。
「いつ死んでもいい」と
忠政は言うが。
そこへ、大股でやってくる
足音が
聞こえた。
いきなり障子があいて
「おじいちゃん、死んだらあかん」と
あさが
叫んだ。
忠政は「まだ死んでないぞ」という。
あさは、「よかった」といった。
そこにはつの子供、藍の介を
梨江がつれてくる。
「利口そうな子やな。
久太郎と大違いや」と忠政が
いう。
はつとあさは
縁側で話をした。はつは
さっきは祖父は気丈にしていたが
ほんとうは、医者はもう長くない
といったという。
そのまえに自分たちに夢でもいいから
会いたいと
自分たちがいた部屋で
寝起きをしていたと
はつがいう。
旅姿のあさに梨江は着物を用意した。
「お付きもつけないで一人で来るなんて」と
梨江は言う。
そして炭鉱の話をふってきた。
あさは「そうだす。
九州のおなごはんはりっぱです。
お母さんよりも気丈なひとはいないと
思っていたけど九州のおなごはんは
気丈だ」といった。
あさが墨をつけたままの顔だったので
梨江は注意した。
あさは、びっくりして
着物をもらって
恰好を整えるために
さっていった。
あさは、まだ若いと言っても
25だから、もっときちんと
してほしいと
梨江ははつに言う。
「加野屋のお姑さんもどう思ているの
だか」というと
はつは、ふと顔を曇らせた。
よのがそっと藍の介をみに来たことが
あるからだ。
はつのほうはどうなのかと梨江はきいた。
みんな元気なのかということだ。
あれから菊は藍の介べったり。
みんな元気で働いている。
もしかしたら、青物というものは
人を元気にする力をもって
いるのかもしれないと
いう。親子五人身に足りた暮らしをして
いますので心配しないでほしいと
いった。
はつが着ている着物は
梨江の着物だった。
「来るとわかっていたらもっといい
着物を仕立てたのに」と
梨江は言う。
「これで充分だ」とはつはいった。
「ここにいる間貸してくださいね」と
いうので、「他人行儀だ」と
梨江は言った。
その頃、大阪ではよのが店にいる正吉に
愚痴を言う。
あさは、九州から帰って来ると
おもったら
今度は京都へ行ったと
いう。
「もううちを開けてひと月だすがな
これで加野屋の嫁というのだろうか」と
いう。
正吉は
「加野屋のためにあさは働いている
のだから、そんなこというたら
だめだ」という。
「あさが抗夫たちに
カツを入れたおかげで
炭鉱が動き出した」という話をした。
雁助は「そない書いてありますな」と
亀助の手紙をみていう。
新次郎は、「それにな」と
いった。
「今はおじいちゃんが危篤だから」と
いう。
「そうだすか
そうやってみんな私をいけずな
姑扱いしたらよろしいがな・・
それが年取った者の役目いうもんや。
そやけどな
そやけど・・・」
よのが泣き出した。
正吉は
機嫌を取った
「あんたがそんな人だとみんな思ってないし
な。店先で泣いたらあかんがな」
「そうだすか?
みんな若いほうがいいと思っている
のでは?あささんかて
若くないけどな・・・」
と、いけずをいいながら
正吉に機嫌を取ってもらいながら
さっていった。
新次郎は、「あのやり取りこの一か月で
なんべんやってますのや。」とあきれる。
雁助は「あれが夫婦円満の秘訣か・・・
さすが旦那様や。」
という。
新次郎はあさから手紙はあったかと
うめに聞く。
うめは「無事に京都についたそうです」と
いった。
あさはおじいちゃん子なので
間に合ってよかったという。
忠政は一番のあさの理解者だった。
うめは新次郎も早くあさに会いたかった
だろうに、京都へ行くことを許して
くれてほんまにお優しいことでと
感謝をした。
新次郎は「わてなんかどうでもいい」と
いった。
だが、台所にいくと
あさがいないので
「寂しいがな」という。
ふゆの泣き声が聞こえた。
驚いた新次郎は
外にいた冬が泣いているのを見た。
「あれ?
おふゆちゃん??」
「新次郎さま・・・」
ふゆは大声で泣き出した。
「どないしましたんや?」
そのころあさは
懐かしい今井のお店にはいって
いました。
「わぁ~~~」
顔をきらきらさせて活気のある
店を見るあさだった。
***************
そうなのよ
そうなのよ
宮部が男前の旦那様を持つと
心配でしょうねと言うたでしょ。
で、
新次郎はあさがいないさみしさを
こらえて
いるわけで・・
そこにあさより若いふゆが泣いている
のですよ。
もしかしたら
もしかしたら・・
と思いませんか。
原作では
旦那様は
妾を持ちます。
その妾とはあさの
付き人なのだそうです。
よのが若いほうがいいでしょうしねと
正吉に愚痴るところがありますよね。
あさよりふゆが若い・・・・・
そうです・・・
うめのわけないと思います。
ふゆかもしれません。
商売に夢中になるあさは
加野屋のために働きます。
新次郎にとってそれはうれしい
半面寂しいことなのでしょう。
でも、ふゆは何を泣いていたので
しょうか???
