旦那様の秘密2
「この山の持ち主になるなら
実のあるところを見せてもらわないと
いけない。」
治郎作はあさにいう。
「実のあるところ??」
そこであさは、みんなに話を
することにして
人を集めてもらった。
「大阪から来ました
白岡あさともうします。
今度この炭鉱をやらしてもらう
ことになりました。」
「白岡だす
やっち。
あははははは」
さっそく、やんやと
いわれる。
「大阪のおなごが筑前の山に
なんしにきたのか?」
あさは、文明の発展と
石炭の必要性を
話した。
「それがどげんした。」
「日本の文明のためにも
加野屋は石炭をほらなあかんのです
みんなで掘って掘って
明るい未来を作りましょ」
「あははは
何が掘って掘ってだ
これやから
ばからしくて
おなごの下では働けるものか」
「あはははは」
と笑いものにされた。
「はぁ?」
「加野屋は両替屋だ。
大阪のごうつくばりの
金貸しが
石炭で儲けたいと思っている
だけだ!」
あさは、かちんときた。
「ごうつくばりの
金貸し?
はぁ??」
「サッキから黙って聞いてましたら
ききずてなりまへんな」
「さっさと大阪に帰って
腰抜けの旦那を連れてこい」
「そうだそうだ」
「おなごに仕事を任せるような
能なしが
どげな
顔か
みてみたいもんだ!」
「あははは・・・・」
あさは、「腰抜けとか
能無しとか」
といいながら
抗夫たちのもとに
近づいていった。
亀助は、はらはらしている。
「うちのことやったらまだしも
お父様や旦那様の悪口は
金輪際許しまへん。
それにこんな得にならないような話
をだらだらして
何ちゅう時間の無駄だすか。
一日でも石炭掘るのを休んだら
うちかて
あんたたちかて
大損するのが
わかりまへんのか?」
すると
「許しまへんとは
なんだ?
やるのか??
え??」
といいながら
男が
あさに暴力を振るおうと
ちかづいてきた。
亀助は
「こっち
こっち」と
あさをつれて
そこから
逃げていった。
「あきまへん
あきまへん」
と亀助。
宮部は
「奥さんに怪我でもされたら
支配人の落ち度だから」と
そういうことで
あさをかばって
逃げて行った。
みんな「あはははは」と
笑ってそれを見ていた。
そのころ大阪のはつの住む納屋では。
菊が横になって
藍の介を見ていた。
かわいいと思うのか
思わないのかわからないけど
「もう、継ぐ家もないのだから
あんたは普通の子供だ」と
子供相手に
わけのわからないことを言う。
はつは、「積み荷を運ぶので
藍の介をみててください。
すぐ帰ってきますから
えらいすみません・・・」
そういってはつは外へ
いった。
「わたしはな
あんたの子守りなんかせえへん。
あんたの継ぐ山王寺屋は
あんたのお父ちゃんやおじいちゃん
んのせいで
のうなってしまったんやで。
あんたなんか
ただのちっちゃい
ションベンたれや!!!」
孫相手に
そんなことを言う菊だった。
そこへ
「ごめんやす」
と人が来た。
よのとかのだった。
菊はあわてて
自分の場所にあがって
むしろを天井から
おろして
見えないように隠れた。
よのは何をしに来たのかと
いうと、
藍の介とはつをひきとりたいと
いうのだ。
こんな貧乏なところで
子育てなどできないと
いった。
「名前は新之助だったかな?」
「藍の介です」とはつはいう。
そして、手土産をわたして
「本当はうちの嫁になる予定だった
のに」、とはつにいう。
「運命のいたずらと言えばそうだけど
これからは一緒に暮らそう」と
いうのだ。
「惣兵衛はいないし、
はつが本当の嫁みたいに
思うし、はつさんもうちを
本当の母親だと思ってほしい」という。
「この子連れて、うちで暮らしてくれたら
いいのに・・・。
あんたかて
柔らかい布団で寝たいやろ
おいしい、お菓子も食べたいやろ?」
その時ネズミの声が聞こえた。
よのとかのは驚いて
去って行った。
はつは、よのに
加野屋に行く気はないという。
妹をよろしくお願いしますと
いった。
よのは、とりあえず帰っていった。
あのネズミの声は菊の
しわざだった。
「加野屋に行っていい暮らしをした
いのだろう?」という。
「私はあの暮らしをしたい。
このお菓子かて、惣兵衛が好きで
月に三回は買っていたのに」と
いって
おまんじゅうを一個手に取り
口に運んだ。
「う~~~ん
懐かしいわ・・・」
一方九州筑前の炭鉱では
誰一人働かずに夜になった
「これでおなごは泣いていぬるだろ
いい気味だ」
「あはははは・・・」
と抗夫たちは
笑っていた。
あさは、大阪に手紙を書いた。
お米を送ってくださいとの手紙
だった。
ここで腹を据えてなんとかしようと
思っているのだ。
そこに、抗夫の妻らしき
女性がやってきた。
そしておにぎりを差し入れた。
彼女は治郎作の妻カズだった。
カズは、「大きな声では言えないけど
石炭を掘ってもらわないと
お金にならないので生活が
苦しくなるといった。
だからあさには頑張ってほしい。
いくら言っても男は話を聞かない
から」という。
あさは、炭鉱の中のことを詳しく
教えてほしいといった。
その話を治郎作が聞いていた。
翌朝となった。
あさは、薄暗いうちに
炭鉱の穴に入っていった。
それを見ていた治郎作は
「なにしているんだ、こらぁ!!!」
と叫んで
あさを追いかけた。
炭鉱のなかにいるあさの手を取って
外へ連れ出した。
そして思いっきりあさの
頬を殴ったのだった。
「痛ったぁ~~~~
ええええええ???」
驚くあさだった。
*****************
山の男たちにとって
実のあるところとは
この女のもとで働くことを
うれしいと思えるようなところを
見せてみろということだろう。
あさは、お上手から入ろうと
したが、九州の気性の荒い
男たちには、通じない。
彼らだって女相手に
喧嘩して勝って当然だが
いい気はしないはずである。
あさは、泣いて逃げて帰るどころか
ここまで来るのに
紆余曲折がありました。
妻が旦那をおいて長期出張に
出るのです。
その間の旦那の世話は・・・・
お妾さんを持ってもらわないと
どうにもならないと
つらい決断をしたあさでした。
また、お金がないのに炭鉱を買うこと
を決めて
それに協力してくれた正吉は
橙からの米蔵を売るということまで
いってくれました。
新次郎も、妾よりあさを選んでくれました。
はつも、応援してくれます。
石炭を掘らないと
日本の文明が遅れることも
五代から学びました。
新時代になって両替屋では
加野屋が成り立っていかない
山王寺屋のように
つぶれると
あさは、危惧しました。
お家を守ることを第一と考え、コドモ
を作るより
商売をすることを選んだあさでした。
おんなだてらにと
言われても
それを耐えてくれたのは
加野屋の家族でした。
あさは、加野屋の代表です。
自分を認めない抗夫たちは
加野屋を認めないのと同じだと
責任を感じました。
しかしです・・・
炭鉱は
危険なところです。
それを勉強していなかった
のでしょうか。
あさ…提灯もって
炭鉱へ入るなんて
危ないではないですか。
わたしは化学はわかりませんが
たしか
有毒ガスがあって
爆発するかも・・・
とか
毒ガスで倒れるかも
とか・・・????
だから治郎作が
怒って止めに入ったのでしょう
か?
それとも、女が入ったら
許されないと
思ったのでしょうか。
明日へ続くです・・・・・
「この山の持ち主になるなら
実のあるところを見せてもらわないと
いけない。」
治郎作はあさにいう。
「実のあるところ??」
そこであさは、みんなに話を
することにして
人を集めてもらった。
「大阪から来ました
白岡あさともうします。
今度この炭鉱をやらしてもらう
ことになりました。」
「白岡だす
やっち。
あははははは」
さっそく、やんやと
いわれる。
「大阪のおなごが筑前の山に
なんしにきたのか?」
あさは、文明の発展と
石炭の必要性を
話した。
「それがどげんした。」
「日本の文明のためにも
加野屋は石炭をほらなあかんのです
みんなで掘って掘って
明るい未来を作りましょ」
「あははは
何が掘って掘ってだ
これやから
ばからしくて
おなごの下では働けるものか」
「あはははは」
と笑いものにされた。
「はぁ?」
「加野屋は両替屋だ。
大阪のごうつくばりの
金貸しが
石炭で儲けたいと思っている
だけだ!」
あさは、かちんときた。
「ごうつくばりの
金貸し?
はぁ??」
「サッキから黙って聞いてましたら
ききずてなりまへんな」
「さっさと大阪に帰って
腰抜けの旦那を連れてこい」
「そうだそうだ」
「おなごに仕事を任せるような
能なしが
どげな
顔か
みてみたいもんだ!」
「あははは・・・・」
あさは、「腰抜けとか
能無しとか」
といいながら
抗夫たちのもとに
近づいていった。
亀助は、はらはらしている。
「うちのことやったらまだしも
お父様や旦那様の悪口は
金輪際許しまへん。
それにこんな得にならないような話
をだらだらして
何ちゅう時間の無駄だすか。
一日でも石炭掘るのを休んだら
うちかて
あんたたちかて
大損するのが
わかりまへんのか?」
すると
「許しまへんとは
なんだ?
やるのか??
え??」
といいながら
男が
あさに暴力を振るおうと
ちかづいてきた。
亀助は
「こっち
こっち」と
あさをつれて
そこから
逃げていった。
「あきまへん
あきまへん」
と亀助。
宮部は
「奥さんに怪我でもされたら
支配人の落ち度だから」と
そういうことで
あさをかばって
逃げて行った。
みんな「あはははは」と
笑ってそれを見ていた。
そのころ大阪のはつの住む納屋では。
菊が横になって
藍の介を見ていた。
かわいいと思うのか
思わないのかわからないけど
「もう、継ぐ家もないのだから
あんたは普通の子供だ」と
子供相手に
わけのわからないことを言う。
はつは、「積み荷を運ぶので
藍の介をみててください。
すぐ帰ってきますから
えらいすみません・・・」
そういってはつは外へ
いった。
「わたしはな
あんたの子守りなんかせえへん。
あんたの継ぐ山王寺屋は
あんたのお父ちゃんやおじいちゃん
んのせいで
のうなってしまったんやで。
あんたなんか
ただのちっちゃい
ションベンたれや!!!」
孫相手に
そんなことを言う菊だった。
そこへ
「ごめんやす」
と人が来た。
よのとかのだった。
菊はあわてて
自分の場所にあがって
むしろを天井から
おろして
見えないように隠れた。
よのは何をしに来たのかと
いうと、
藍の介とはつをひきとりたいと
いうのだ。
こんな貧乏なところで
子育てなどできないと
いった。
「名前は新之助だったかな?」
「藍の介です」とはつはいう。
そして、手土産をわたして
「本当はうちの嫁になる予定だった
のに」、とはつにいう。
「運命のいたずらと言えばそうだけど
これからは一緒に暮らそう」と
いうのだ。
「惣兵衛はいないし、
はつが本当の嫁みたいに
思うし、はつさんもうちを
本当の母親だと思ってほしい」という。
「この子連れて、うちで暮らしてくれたら
いいのに・・・。
あんたかて
柔らかい布団で寝たいやろ
おいしい、お菓子も食べたいやろ?」
その時ネズミの声が聞こえた。
よのとかのは驚いて
去って行った。
はつは、よのに
加野屋に行く気はないという。
妹をよろしくお願いしますと
いった。
よのは、とりあえず帰っていった。
あのネズミの声は菊の
しわざだった。
「加野屋に行っていい暮らしをした
いのだろう?」という。
「私はあの暮らしをしたい。
このお菓子かて、惣兵衛が好きで
月に三回は買っていたのに」と
いって
おまんじゅうを一個手に取り
口に運んだ。
「う~~~ん
懐かしいわ・・・」
一方九州筑前の炭鉱では
誰一人働かずに夜になった
「これでおなごは泣いていぬるだろ
いい気味だ」
「あはははは・・・」
と抗夫たちは
笑っていた。
あさは、大阪に手紙を書いた。
お米を送ってくださいとの手紙
だった。
ここで腹を据えてなんとかしようと
思っているのだ。
そこに、抗夫の妻らしき
女性がやってきた。
そしておにぎりを差し入れた。
彼女は治郎作の妻カズだった。
カズは、「大きな声では言えないけど
石炭を掘ってもらわないと
お金にならないので生活が
苦しくなるといった。
だからあさには頑張ってほしい。
いくら言っても男は話を聞かない
から」という。
あさは、炭鉱の中のことを詳しく
教えてほしいといった。
その話を治郎作が聞いていた。
翌朝となった。
あさは、薄暗いうちに
炭鉱の穴に入っていった。
それを見ていた治郎作は
「なにしているんだ、こらぁ!!!」
と叫んで
あさを追いかけた。
炭鉱のなかにいるあさの手を取って
外へ連れ出した。
そして思いっきりあさの
頬を殴ったのだった。
「痛ったぁ~~~~
ええええええ???」
驚くあさだった。
*****************
山の男たちにとって
実のあるところとは
この女のもとで働くことを
うれしいと思えるようなところを
見せてみろということだろう。
あさは、お上手から入ろうと
したが、九州の気性の荒い
男たちには、通じない。
彼らだって女相手に
喧嘩して勝って当然だが
いい気はしないはずである。
あさは、泣いて逃げて帰るどころか
ここまで来るのに
紆余曲折がありました。
妻が旦那をおいて長期出張に
出るのです。
その間の旦那の世話は・・・・
お妾さんを持ってもらわないと
どうにもならないと
つらい決断をしたあさでした。
また、お金がないのに炭鉱を買うこと
を決めて
それに協力してくれた正吉は
橙からの米蔵を売るということまで
いってくれました。
新次郎も、妾よりあさを選んでくれました。
はつも、応援してくれます。
石炭を掘らないと
日本の文明が遅れることも
五代から学びました。
新時代になって両替屋では
加野屋が成り立っていかない
山王寺屋のように
つぶれると
あさは、危惧しました。
お家を守ることを第一と考え、コドモ
を作るより
商売をすることを選んだあさでした。
おんなだてらにと
言われても
それを耐えてくれたのは
加野屋の家族でした。
あさは、加野屋の代表です。
自分を認めない抗夫たちは
加野屋を認めないのと同じだと
責任を感じました。
しかしです・・・
炭鉱は
危険なところです。
それを勉強していなかった
のでしょうか。
あさ…提灯もって
炭鉱へ入るなんて
危ないではないですか。
わたしは化学はわかりませんが
たしか
有毒ガスがあって
爆発するかも・・・
とか
毒ガスで倒れるかも
とか・・・????
だから治郎作が
怒って止めに入ったのでしょう
か?
それとも、女が入ったら
許されないと
思ったのでしょうか。
明日へ続くです・・・・・
