若奥さんの底力5
銀が使えなくなるというので
銀目手形を持った民衆が
加野屋に押し掛けた。
すべて応じると
加野屋がつぶれると
いうので
あさに何とかしてくれと
新次郎から頼まれる。
あさは店の外へ出て
民衆の前に立つ。
「わたしは加野屋の嫁の
あさといいます・・・」
あさは、「お金は信用が第一なので
加野屋をうそつき呼ばわりしないで
欲しい」という
また、「主人の正吉は臥せっている」と
いうが、民衆は商人は嘘をつくと
いう。
「奥へ行ってみてきたらいい」と
いうと一瞬静かになるが
「女だと思って
だまされるな」と
先導する男がいる。
また騒々しくなった。
ある子供を抱いた奥さんは
「あんたも女やったら考えてほしい」
という。
「こんな紙切れなのかもしれない手形
をつかまされて、年寄りや乳呑児を
かかえて、どうしたらいいのか」と
いう。
あさは、ふと
「大変ですね・・・」
と、話に耳を傾けた。
すると男たちも
「若奥さん、あんたでいいから
お金ひきかえてくれへんか」と
いう。
また、店の前が騒々しくなった。
あさは、困り果てた。
あさは店の中に入って
お金をだした。
「何の用意をしてますのや」と
新次郎が聞く。
正吉の許可が出たら
引き換えるつもりだと
いった。
正吉がその話を聞いて
「あさちゃんのいうとおりに
引き換えをしてやってほしい」と
いう。
しかし、雁助は新政府に10万両を
支払って蔵の中にはあまりお金がないと
いう。
それでもかまわないと正吉は言う。
「だしなはれ!!!
あさちゃん、これでよろしいのか?
わしが許す。
新次郎、蔵を開け
早く開け~~~!!!」
こうして、店の騒ぎは収まった。
どうしてもお金がいる人優先に
引き換えをやったのだった。
小さな商いをしている人、
病人を抱えている人
こうして、あさは一人づつ話を
聞いて、引き換えをした。
「すみません」、とあさは
正吉
よの
新次郎に
謝った。
商いのためのお金がなく
なった加野屋。
正吉はその借金を貸してくれそうな
ところがあるという。
昔、お金を都合してあげた
奈良の玉利さんというひとがいる
という。
「その人を調べて見ます」と
いってあさは出て行った。
「こんどは奈良ですか?
まって・・」と
よのはあさを追いかける。
正吉は新次郎に礼を
いわねばならないと
いった。
新次郎はそんなことは今まで
なかったので、なんでだろうと
思う。
昔、新次郎の
許嫁ははつだったが
山王寺屋が、あさではなく
はつにしてほしいといった。
正吉は、とんでもないと
怒ったが
新次郎が
自分はあさが好きだとい
ったので、許嫁ははつから
あさに変わった。
それを正吉は
感謝した。
正吉は「自分が間違って
いた」という。
「この家にあさちゃんが来て
くれたので本当によかった。
あのこは金の卵だ。
あんたは人を見る目が合った
んや。
卵はだれかあっためてくれる
人がいないと返らない。
その役目は新次郎がだ」という。
正吉は自分の代で加野屋を
つぶしたくないと
いった。
よのは、あさを奈良に行かしたくない
という。
あさは「行きます」という。
「この家を守るために
行きます」という。
そのころはつも同じことを
菊に言った。
「じぶんにこの家を守るために
何かできることがあるのか」と
きいた。
山王寺屋は使用人がいなくなり。
荒れ放題の家と店と
なった。
「琴なんか弾けても何の役にも
立たなかったな・・
そや、あんたのおつきのふゆは
今日限りで出て行ってもらう
ことにしたさかい」
といった。
はつは驚いて
部屋を飛び出し
ふゆをよんだ。
答えがない。
はつは、絶望して
「もういやや・・・
もういやや・・・・」と
つぶやく・・・
すると井戸の中になにか
おちていた。
白いものがあった。
いつぞやふゆが
あさから
受け取ったという
手紙かと
おもった。
はつはそれを棒切れで
とろうとしたが
バランスを崩して
井戸の中に落ちた。
ふゆは
「おはつさま
おはつさま
誰か・・・おはつ様が」
とさわぐ。
井戸の底で
はつは
その手紙をみてびっくり
した。
へのへのもへじの
顔がかいてあって
「わろてね。。。。」
と書いてあった。
はつは
「なんやの、何が書いて
あるのかと思った」と
いって
「あはははは」
と笑った。
「この家に来て
こんなに笑ったのは初めてや」と
はつはいう。
そんなとき、惣兵衛が
「大丈夫か」と
声をかける。
「いま、助けに行くからな」と
いって、なわを井戸に掘り込んで
井戸の底に降りてきた。
「なにしてるんや、死んだかと
思ってびっくりしたわ」と
惣兵衛は怒る。
「井の中の蛙というか・・・」
とはつが言いかけて
惣兵衛ははつを抱きしめた。
「よかった
よかった・・・死んだかと思った・・
よかった・・・」
と、惣兵衛はつぶやく。
そして一人で
なにか笑っていたのではと
惣兵衛が聞く。
はつは
手紙のへのへのもへじを
みせて
「旦那様に似てますね」と
いった。
惣兵衛は「これか。。。。」
と聞く。
はつは
あさにそっと
声をかけた。
「おおきに
あさ・・・」
そのころ時代は明治に変わった。
あさは、奈良に借金に
むかった。
山王寺屋では
菊が
惣兵衛と
はつをまえに
今井が新政府の御用達になった
ので、今井に、お金をかりに
いってくるように
と
はつに命じた。
栄達は「なんてことをさせる
のや」というが・・
「あんたらにできることは
それしかあらへん。」
菊がいった。
惣兵衛は
震えていた。
はつはじっとそれをみた。
********************
時代が大きく変わるということを
あさに教えたのは
五代。
それを感じたのはあさ。
商人はその場合はどうするのかと
いつも考えているのは
あさ。
そして正吉はあさを金の卵
だといった。
おとなしいだけの嫁はいらんと
正吉は言ったが
あさは、その通り
おとなしいだけの嫁ではなかった。
新次郎は
人を見る目が合ったのか
それとも
偶然にあさが好きだったのか
これが運命というもの
なのでしょうか。
そして
惣兵衛はかわいそうなことに
商人としての
才能がない。
根性もない。
山王寺屋はこれから、発展する
ことが望めない。
銀が使えなくなるというので
銀目手形を持った民衆が
加野屋に押し掛けた。
すべて応じると
加野屋がつぶれると
いうので
あさに何とかしてくれと
新次郎から頼まれる。
あさは店の外へ出て
民衆の前に立つ。
「わたしは加野屋の嫁の
あさといいます・・・」
あさは、「お金は信用が第一なので
加野屋をうそつき呼ばわりしないで
欲しい」という
また、「主人の正吉は臥せっている」と
いうが、民衆は商人は嘘をつくと
いう。
「奥へ行ってみてきたらいい」と
いうと一瞬静かになるが
「女だと思って
だまされるな」と
先導する男がいる。
また騒々しくなった。
ある子供を抱いた奥さんは
「あんたも女やったら考えてほしい」
という。
「こんな紙切れなのかもしれない手形
をつかまされて、年寄りや乳呑児を
かかえて、どうしたらいいのか」と
いう。
あさは、ふと
「大変ですね・・・」
と、話に耳を傾けた。
すると男たちも
「若奥さん、あんたでいいから
お金ひきかえてくれへんか」と
いう。
また、店の前が騒々しくなった。
あさは、困り果てた。
あさは店の中に入って
お金をだした。
「何の用意をしてますのや」と
新次郎が聞く。
正吉の許可が出たら
引き換えるつもりだと
いった。
正吉がその話を聞いて
「あさちゃんのいうとおりに
引き換えをしてやってほしい」と
いう。
しかし、雁助は新政府に10万両を
支払って蔵の中にはあまりお金がないと
いう。
それでもかまわないと正吉は言う。
「だしなはれ!!!
あさちゃん、これでよろしいのか?
わしが許す。
新次郎、蔵を開け
早く開け~~~!!!」
こうして、店の騒ぎは収まった。
どうしてもお金がいる人優先に
引き換えをやったのだった。
小さな商いをしている人、
病人を抱えている人
こうして、あさは一人づつ話を
聞いて、引き換えをした。
「すみません」、とあさは
正吉
よの
新次郎に
謝った。
商いのためのお金がなく
なった加野屋。
正吉はその借金を貸してくれそうな
ところがあるという。
昔、お金を都合してあげた
奈良の玉利さんというひとがいる
という。
「その人を調べて見ます」と
いってあさは出て行った。
「こんどは奈良ですか?
まって・・」と
よのはあさを追いかける。
正吉は新次郎に礼を
いわねばならないと
いった。
新次郎はそんなことは今まで
なかったので、なんでだろうと
思う。
昔、新次郎の
許嫁ははつだったが
山王寺屋が、あさではなく
はつにしてほしいといった。
正吉は、とんでもないと
怒ったが
新次郎が
自分はあさが好きだとい
ったので、許嫁ははつから
あさに変わった。
それを正吉は
感謝した。
正吉は「自分が間違って
いた」という。
「この家にあさちゃんが来て
くれたので本当によかった。
あのこは金の卵だ。
あんたは人を見る目が合った
んや。
卵はだれかあっためてくれる
人がいないと返らない。
その役目は新次郎がだ」という。
正吉は自分の代で加野屋を
つぶしたくないと
いった。
よのは、あさを奈良に行かしたくない
という。
あさは「行きます」という。
「この家を守るために
行きます」という。
そのころはつも同じことを
菊に言った。
「じぶんにこの家を守るために
何かできることがあるのか」と
きいた。
山王寺屋は使用人がいなくなり。
荒れ放題の家と店と
なった。
「琴なんか弾けても何の役にも
立たなかったな・・
そや、あんたのおつきのふゆは
今日限りで出て行ってもらう
ことにしたさかい」
といった。
はつは驚いて
部屋を飛び出し
ふゆをよんだ。
答えがない。
はつは、絶望して
「もういやや・・・
もういやや・・・・」と
つぶやく・・・
すると井戸の中になにか
おちていた。
白いものがあった。
いつぞやふゆが
あさから
受け取ったという
手紙かと
おもった。
はつはそれを棒切れで
とろうとしたが
バランスを崩して
井戸の中に落ちた。
ふゆは
「おはつさま
おはつさま
誰か・・・おはつ様が」
とさわぐ。
井戸の底で
はつは
その手紙をみてびっくり
した。
へのへのもへじの
顔がかいてあって
「わろてね。。。。」
と書いてあった。
はつは
「なんやの、何が書いて
あるのかと思った」と
いって
「あはははは」
と笑った。
「この家に来て
こんなに笑ったのは初めてや」と
はつはいう。
そんなとき、惣兵衛が
「大丈夫か」と
声をかける。
「いま、助けに行くからな」と
いって、なわを井戸に掘り込んで
井戸の底に降りてきた。
「なにしてるんや、死んだかと
思ってびっくりしたわ」と
惣兵衛は怒る。
「井の中の蛙というか・・・」
とはつが言いかけて
惣兵衛ははつを抱きしめた。
「よかった
よかった・・・死んだかと思った・・
よかった・・・」
と、惣兵衛はつぶやく。
そして一人で
なにか笑っていたのではと
惣兵衛が聞く。
はつは
手紙のへのへのもへじを
みせて
「旦那様に似てますね」と
いった。
惣兵衛は「これか。。。。」
と聞く。
はつは
あさにそっと
声をかけた。
「おおきに
あさ・・・」
そのころ時代は明治に変わった。
あさは、奈良に借金に
むかった。
山王寺屋では
菊が
惣兵衛と
はつをまえに
今井が新政府の御用達になった
ので、今井に、お金をかりに
いってくるように
と
はつに命じた。
栄達は「なんてことをさせる
のや」というが・・
「あんたらにできることは
それしかあらへん。」
菊がいった。
惣兵衛は
震えていた。
はつはじっとそれをみた。
********************
時代が大きく変わるということを
あさに教えたのは
五代。
それを感じたのはあさ。
商人はその場合はどうするのかと
いつも考えているのは
あさ。
そして正吉はあさを金の卵
だといった。
おとなしいだけの嫁はいらんと
正吉は言ったが
あさは、その通り
おとなしいだけの嫁ではなかった。
新次郎は
人を見る目が合ったのか
それとも
偶然にあさが好きだったのか
これが運命というもの
なのでしょうか。
そして
惣兵衛はかわいそうなことに
商人としての
才能がない。
根性もない。
山王寺屋はこれから、発展する
ことが望めない。
