若奥さんの底力4
新政府から10万両を工面せよと
いわれた正吉は腰痛が悪く
なる。
あさに疑問に思う。
「新政府が幕府を倒すお金を
なぜ
商人が調達しなければ
ならないのか・・・
大事なお金を
そんな
あほらしいことに渡さないと
いけないという事が
納得できない。」
雁助も
「しょうがおへん」という。
新次郎は「よそさんはどうするんやろ」
という。
あさは
「山王寺屋はどうするんやろ」と
心配する。
山王寺屋では
菊、惣兵衛、栄達が
座敷で話をしていた。
この
10万両の件である。
はつは廊下でそっと
聞いていた。
菊は「そんなお金どこにある
のですか」という・
栄達は「断ってとりつぶし
にでもなったら」
と心配する。
菊は、むかつく。
「新政府っていうても
まだ海のもんとも
山のもんとも
わからないのに」と
いう。
「徳川さまが勝つかもしれない。」
惣兵衛は
「払ったほうがいい」という。
「徳川さまはもう終わりや。
これからは新政府のいうことを
聞いたほうがいい」という。
菊は・・・・惣兵衛のせいだ。
山王寺屋はうまくいっていたの
に・・200年もうまくいって
いたのに
あんたのせいで
こんなに傾いてしまった」と
「全部あんたのせいだ、あんたは黙って
いうことを
聞いていたらよろしいんや!!!」
菊はそういって廊下に出た。
そしてはつがいるのに気が付き
「盗み聞きだすか
さすが今井屋さんは
お育ちがよろしいこと」
といって去って行った。
惣兵衛は何もできない。
その様子をじっとはつは見た。
「ああ、そこやそこや・・・
ああ、きもちいいわ~~」
と腰のマッサージをあさにして
もらって正吉は言う。
「10万両の件はどう思う」と
きくと、「用意は
したくない・・でも・・・」と
あさはいう。
「くやしいけど、いまは
加野屋は借金してでも新政府に
払ったほうがいいと思います」と
あさはいう。
正吉は、「ほお?」といいながら
やっとマッサージが聞いたのか
立ち上がった。
「障子を開けてや」といわれて
あさは障子を開けた。
「いい天気だ」と
あさはいう。
正吉は「借金してでも新政府に払った
ほうがいいというのはなんでや」と
きいた。
あさは、「この日本は新しい朝を迎えている
のかもしれない」といった。
「新しい朝?」正吉は聞いた。
「昔旦那様に言われました。
ようよう考えて進んだ道には
新しいあさが来ると・・・
いま、日本はやっと新しい朝が
来ているような気がすると・・」
あさは、えらそうに言ってしまったと
反省すると
正吉はあさに聞いた根拠を述べた。
「宇奈山さまがお金を返したのも
土方さまが納得してくれたのも
あさがめちゃくちゃいうたからでは
ない」という。
「あさの言い分に一本筋が入って
いるからだ・・・
あんた・・・
言葉はあまり上手やないけど
人の心をつかむんやな。
新次郎も変わって来たしな。
あさちゃん
うちのお金を全部数えてほしい。
その考えに乗りたい。
加野屋は新政府に乗ろうと思う」と
いった。
そのころ、料亭で五代と大久保が
顔を合わせていた。
五代は新政府の参与に抜擢されたと
大久保が言う。
五代は、留学の経験もあり
西洋のことに詳しい。
五代は
「自分は国に戻る」というと
大久保は「もう薩摩藩の人間ではない」と
いう。「日本人になったのだ」と
いう。
「日本人」ということばに
五代は、満足して笑った。
その夜、あさは部屋中、
証文やら、小銭の塊やらを
あつめて
あさは、帳簿を見ながら
そろばんを入れていた。
そこに新次郎がやってきて
「また色気のないことをしている」と
いう。
あさは「すんまへん」といいながら
そろばんをはじく。
「いままで取り返したお金だけでは
焼け石に水やで」と
新次郎はいうが
あさは
「わかっています・・・そやけど
ああ・・・・
お金が欲しいです=====」
と叫ぶ。
新次郎は、「床でそんな話はやめて」
といった。
「こんなお家の一大事では寝ている場合や
おまへん」というと
新次郎は
「加子部屋では寝ていたのにか?」と
つっこむ。
「お金を儲けるには
どないしたらいいのですか?」
とあさがきく。
「そないいうたら
井原西鶴にこんな話が合った」と
新次郎が言う。
「貧乏な男が金持ちに貧しさという病を治す薬は
無いものかと聞きに来た。
その金持ちは早速
長者丸という妙薬の作り方を
教えてくれた。
朝起き5両
家業が20両
夜詰めが8両
始末が10両
達者が7両
この合わせて50両
を粉にして
朝夕飲むからには
長者になることまず
疑いなし
ってな・・・
せや
あ、
確か・・・・」と本を渡した。
「本を読んでいいのですか?」といって
あさは読み始めた。
新次郎はそっと部屋を出て
店を出ようとした。
すると・・・
「旦那様・・・」とあさが
声をかける
「もう読んだんかいな」と新次郎は
あさの早読みに驚いた。
「さきほどの薬のお話には
続きがございました。
男子が囃子芸を習うこと
茶の湯をすること
日中からふろに入ること
これらは
毒薬よりも恐ろしいものなので
心の中で
思う事さえならぬと
書いてあった」という。
そして床に座って手をつき
「おはようお帰りやす」と
いった。
「は・・・かなわんな・・・」と
いって去って行った。
新政府は全国で使える
新しいお金を作ると
宣言した。
そこで大阪で使っていた
銀貨を使えなくして
しまったのだ。
この通達によって大阪は大混乱となる。
加野屋に、銀目手形をお金に変えようと
やってくる来る客が
殺到した。
自分の銀貨の値打ちがなくなると
いうのだ。
山王寺屋でも同じことが起こっていた。
全部引き換えたら
店がつぶれてしまう・・・
惣兵衛はどうしたらいいのかと
悩む。
加野屋でも
主人を出せと
客が来ていると
亀助がいう。
引き換えできないなら
店主を出せというのだ。
具合が悪いと言っても
納得してない。
栄三郎は「それやったらわてか
お兄ちゃんがでるしかないな」と
新次郎に言うが。
新次郎が栄三郎など出せないし
自分も無理だという。
あさは
「ここはひとつ旦那様がびしっと」というが。
「どうしたらいいのかわからない」と新次郎が
いう。
「そうだ
あさ、おまえに頼む!!
おまえは格別なおなごや。
なんとかしてぇな・・・・」
雁助は店の外で客に説明する。
「この銀目手形が無効に
なるのではなく
いったん、金に代えてから降り直し
まるのでどうか。ご安心ください」と
いった。
「何をいうているのかわからない」と
客たちは騒いだ。
「主人を出せ」というが
病床にあると言っても帰らない。
「こんな店など壊してしまえ」と
さわぐしまつ。
「わからん客人やぁああああ」
と雁助がおこったが
どうにもならない。
そこへ
「お待ちやす!!!」
といって
あさがでてきた。
******************
さぁ
若奥さんがどこまでこの取り付け騒ぎを
修めることができるのだろうか。
惣兵衛に代わってから
山王寺屋が傾いたと
菊が言うが
それはどういうことなのだろうか。
この時代、おなごは商売に口を
出したらダメだというが
菊は、りっぱに
商売に口を出している。
この根拠は何かと
思う。
惣兵衛に問題があるのか?
それよりも新政府の調達は
本当に国が傾くような程
とんでもないことだと
思った。
この時代は、たとえば
新選組とか
西郷隆盛とか
高杉晋作とか
坂本竜馬とか
明治にかわる原動力と
なったひとのことを
ドラマ化するけど
この大きく変わるときに
庶民はどうしたのかというと
という部分はあまり出てこなかった
ような気がする。
とくに、両替という資本主義の
根幹を形成する経済にかかわる
商売は・・・
どうなるのか・・・
よくよく
興味がわくものだ。
新政府から10万両を工面せよと
いわれた正吉は腰痛が悪く
なる。
あさに疑問に思う。
「新政府が幕府を倒すお金を
なぜ
商人が調達しなければ
ならないのか・・・
大事なお金を
そんな
あほらしいことに渡さないと
いけないという事が
納得できない。」
雁助も
「しょうがおへん」という。
新次郎は「よそさんはどうするんやろ」
という。
あさは
「山王寺屋はどうするんやろ」と
心配する。
山王寺屋では
菊、惣兵衛、栄達が
座敷で話をしていた。
この
10万両の件である。
はつは廊下でそっと
聞いていた。
菊は「そんなお金どこにある
のですか」という・
栄達は「断ってとりつぶし
にでもなったら」
と心配する。
菊は、むかつく。
「新政府っていうても
まだ海のもんとも
山のもんとも
わからないのに」と
いう。
「徳川さまが勝つかもしれない。」
惣兵衛は
「払ったほうがいい」という。
「徳川さまはもう終わりや。
これからは新政府のいうことを
聞いたほうがいい」という。
菊は・・・・惣兵衛のせいだ。
山王寺屋はうまくいっていたの
に・・200年もうまくいって
いたのに
あんたのせいで
こんなに傾いてしまった」と
「全部あんたのせいだ、あんたは黙って
いうことを
聞いていたらよろしいんや!!!」
菊はそういって廊下に出た。
そしてはつがいるのに気が付き
「盗み聞きだすか
さすが今井屋さんは
お育ちがよろしいこと」
といって去って行った。
惣兵衛は何もできない。
その様子をじっとはつは見た。
「ああ、そこやそこや・・・
ああ、きもちいいわ~~」
と腰のマッサージをあさにして
もらって正吉は言う。
「10万両の件はどう思う」と
きくと、「用意は
したくない・・でも・・・」と
あさはいう。
「くやしいけど、いまは
加野屋は借金してでも新政府に
払ったほうがいいと思います」と
あさはいう。
正吉は、「ほお?」といいながら
やっとマッサージが聞いたのか
立ち上がった。
「障子を開けてや」といわれて
あさは障子を開けた。
「いい天気だ」と
あさはいう。
正吉は「借金してでも新政府に払った
ほうがいいというのはなんでや」と
きいた。
あさは、「この日本は新しい朝を迎えている
のかもしれない」といった。
「新しい朝?」正吉は聞いた。
「昔旦那様に言われました。
ようよう考えて進んだ道には
新しいあさが来ると・・・
いま、日本はやっと新しい朝が
来ているような気がすると・・」
あさは、えらそうに言ってしまったと
反省すると
正吉はあさに聞いた根拠を述べた。
「宇奈山さまがお金を返したのも
土方さまが納得してくれたのも
あさがめちゃくちゃいうたからでは
ない」という。
「あさの言い分に一本筋が入って
いるからだ・・・
あんた・・・
言葉はあまり上手やないけど
人の心をつかむんやな。
新次郎も変わって来たしな。
あさちゃん
うちのお金を全部数えてほしい。
その考えに乗りたい。
加野屋は新政府に乗ろうと思う」と
いった。
そのころ、料亭で五代と大久保が
顔を合わせていた。
五代は新政府の参与に抜擢されたと
大久保が言う。
五代は、留学の経験もあり
西洋のことに詳しい。
五代は
「自分は国に戻る」というと
大久保は「もう薩摩藩の人間ではない」と
いう。「日本人になったのだ」と
いう。
「日本人」ということばに
五代は、満足して笑った。
その夜、あさは部屋中、
証文やら、小銭の塊やらを
あつめて
あさは、帳簿を見ながら
そろばんを入れていた。
そこに新次郎がやってきて
「また色気のないことをしている」と
いう。
あさは「すんまへん」といいながら
そろばんをはじく。
「いままで取り返したお金だけでは
焼け石に水やで」と
新次郎はいうが
あさは
「わかっています・・・そやけど
ああ・・・・
お金が欲しいです=====」
と叫ぶ。
新次郎は、「床でそんな話はやめて」
といった。
「こんなお家の一大事では寝ている場合や
おまへん」というと
新次郎は
「加子部屋では寝ていたのにか?」と
つっこむ。
「お金を儲けるには
どないしたらいいのですか?」
とあさがきく。
「そないいうたら
井原西鶴にこんな話が合った」と
新次郎が言う。
「貧乏な男が金持ちに貧しさという病を治す薬は
無いものかと聞きに来た。
その金持ちは早速
長者丸という妙薬の作り方を
教えてくれた。
朝起き5両
家業が20両
夜詰めが8両
始末が10両
達者が7両
この合わせて50両
を粉にして
朝夕飲むからには
長者になることまず
疑いなし
ってな・・・
せや
あ、
確か・・・・」と本を渡した。
「本を読んでいいのですか?」といって
あさは読み始めた。
新次郎はそっと部屋を出て
店を出ようとした。
すると・・・
「旦那様・・・」とあさが
声をかける
「もう読んだんかいな」と新次郎は
あさの早読みに驚いた。
「さきほどの薬のお話には
続きがございました。
男子が囃子芸を習うこと
茶の湯をすること
日中からふろに入ること
これらは
毒薬よりも恐ろしいものなので
心の中で
思う事さえならぬと
書いてあった」という。
そして床に座って手をつき
「おはようお帰りやす」と
いった。
「は・・・かなわんな・・・」と
いって去って行った。
新政府は全国で使える
新しいお金を作ると
宣言した。
そこで大阪で使っていた
銀貨を使えなくして
しまったのだ。
この通達によって大阪は大混乱となる。
加野屋に、銀目手形をお金に変えようと
やってくる来る客が
殺到した。
自分の銀貨の値打ちがなくなると
いうのだ。
山王寺屋でも同じことが起こっていた。
全部引き換えたら
店がつぶれてしまう・・・
惣兵衛はどうしたらいいのかと
悩む。
加野屋でも
主人を出せと
客が来ていると
亀助がいう。
引き換えできないなら
店主を出せというのだ。
具合が悪いと言っても
納得してない。
栄三郎は「それやったらわてか
お兄ちゃんがでるしかないな」と
新次郎に言うが。
新次郎が栄三郎など出せないし
自分も無理だという。
あさは
「ここはひとつ旦那様がびしっと」というが。
「どうしたらいいのかわからない」と新次郎が
いう。
「そうだ
あさ、おまえに頼む!!
おまえは格別なおなごや。
なんとかしてぇな・・・・」
雁助は店の外で客に説明する。
「この銀目手形が無効に
なるのではなく
いったん、金に代えてから降り直し
まるのでどうか。ご安心ください」と
いった。
「何をいうているのかわからない」と
客たちは騒いだ。
「主人を出せ」というが
病床にあると言っても帰らない。
「こんな店など壊してしまえ」と
さわぐしまつ。
「わからん客人やぁああああ」
と雁助がおこったが
どうにもならない。
そこへ
「お待ちやす!!!」
といって
あさがでてきた。
******************
さぁ
若奥さんがどこまでこの取り付け騒ぎを
修めることができるのだろうか。
惣兵衛に代わってから
山王寺屋が傾いたと
菊が言うが
それはどういうことなのだろうか。
この時代、おなごは商売に口を
出したらダメだというが
菊は、りっぱに
商売に口を出している。
この根拠は何かと
思う。
惣兵衛に問題があるのか?
それよりも新政府の調達は
本当に国が傾くような程
とんでもないことだと
思った。
この時代は、たとえば
新選組とか
西郷隆盛とか
高杉晋作とか
坂本竜馬とか
明治にかわる原動力と
なったひとのことを
ドラマ化するけど
この大きく変わるときに
庶民はどうしたのかというと
という部分はあまり出てこなかった
ような気がする。
とくに、両替という資本主義の
根幹を形成する経済にかかわる
商売は・・・
どうなるのか・・・
よくよく
興味がわくものだ。
