ふたつの花びら1
いまから160年ほど前
あさは京都一の商家に生まれた。
2つ年上のはつは琴の上手なやさしい娘
だった。
ふたりには幼いころからの許嫁がいた。
あさは大阪有数の両替商加野屋の新次郎
に姉のは大阪一の老舗の両替屋
山王寺屋の惣兵衛のもとに嫁ぐことにきま
っていた。
そして時は流れふたりがいよいよ
嫁入りに行く頃になった。
母梨江は二人の娘たちにがんばって
教育をした。
あさは結婚しないと宣言したものの
新次郎は時々今井の家にきては
あさとあっていたので
あさも結婚することにした。
しかしあさは
家族と離れて暮らすという事が
わからないとはつにいう。
次の春には二人は嫁入りという時だった。
あの、大阪へいったとき
はつは惣兵衛は
一度も笑わなかったことを
気にしている様子だった。
あさは本当ははつは結婚したくないと
思っているのではないかという。
あさは、新次郎が笑うとうれしいと
いう。
今日は新次郎が来る日ではないかとうめが
いうが・・
そのとき
客人が来たと
女中が言う。
新次郎だと思って
座敷に走っていく。
座敷の戸を開けると
そこにいたのは菊と
惣べえだった。
あさは、間違ったと思って
戸を閉めて立ち去った。
菊は、「入りはったらいいのに」と
いうが、梨江とはつは緊張して
菊たちと応対している。
菊たちは京都に能を見に来たという。
しかし、この幕末
京都は物騒なところとなって
いた。
世の変わり目だとみんなはいって
いる。
「山王寺屋さんはいかがですか?」と
梨江はいうが
主人の栄達が腰を痛めた以外は
何とも無いと菊はいった。
梨江はお茶のお替りを
といって立ち上がった。
菊はのこったはつと話をした。
きれいに成長したはつに菊は
うれしく思った。
そうべえは、何も言わない。
何で何も言わないのかと
菊が言う。
「嫁になったらいやでも毎日
顔を突き合わすから・・
今何を思っても無駄なこと・・」
と、意味わからないことを言う。
あさは、そっと陰から
見ていてびっくり
した。
菊は、はつはきれいになったから
もしかして、男でもいるのかと
わけありではないかと聞く。
大阪一の老舗の両替屋の嫁になる
のだからあとあとで
わけありがあったらいけないという。
あんたはどうなのかと菊が
はつに畳み掛けて
質問をする。
「なにもありません」と
はつはいった。
あさは、おこっていた。
菊にではない。そうべえが
何も言わずに黙っていたので
腹を立てた。
そして、廊下に立ちあがった
そうべえに
一つお願いがありますと言って
あさは
睨み付けるようにいった。
「おまえが?」とそうべえがいう。
「姉はもうすぐ山王寺屋さんのお嫁さん
になります。
笑って下さい。
姉は自慢の姉です。
やさしい姉です。
もし山王寺屋さんが
一辺でも笑ってくれたら
気が楽になると思うので」と
あさはいうが・・・
「なんでわしが
おまえにそんな指図を受けるんや
おなごのくせに
ちょっとは大人になったと
思ったけど
なかみはあかんたれのままやな
はつも辛気くさいおなごや。けど
おまえよりは
まだましやな」と
このタイミングで笑った。
あさは
驚いた
はつを辛気くさいといったからだ
あさは
こぶしをにぎりしめた。
**********************
このそうべえは
すごい面白いキャラですね・・・
わらいます。
こっちが・・・
ちょっと
このドラマの
客寄せ(名物というか)になるのかもと思います。
菊共々ですが。
この時代、女性の地位は低くて
あさがこのようなことをいっても
そうべえには刺さらなかったのではと
思います。
いまから160年ほど前
あさは京都一の商家に生まれた。
2つ年上のはつは琴の上手なやさしい娘
だった。
ふたりには幼いころからの許嫁がいた。
あさは大阪有数の両替商加野屋の新次郎
に姉のは大阪一の老舗の両替屋
山王寺屋の惣兵衛のもとに嫁ぐことにきま
っていた。
そして時は流れふたりがいよいよ
嫁入りに行く頃になった。
母梨江は二人の娘たちにがんばって
教育をした。
あさは結婚しないと宣言したものの
新次郎は時々今井の家にきては
あさとあっていたので
あさも結婚することにした。
しかしあさは
家族と離れて暮らすという事が
わからないとはつにいう。
次の春には二人は嫁入りという時だった。
あの、大阪へいったとき
はつは惣兵衛は
一度も笑わなかったことを
気にしている様子だった。
あさは本当ははつは結婚したくないと
思っているのではないかという。
あさは、新次郎が笑うとうれしいと
いう。
今日は新次郎が来る日ではないかとうめが
いうが・・
そのとき
客人が来たと
女中が言う。
新次郎だと思って
座敷に走っていく。
座敷の戸を開けると
そこにいたのは菊と
惣べえだった。
あさは、間違ったと思って
戸を閉めて立ち去った。
菊は、「入りはったらいいのに」と
いうが、梨江とはつは緊張して
菊たちと応対している。
菊たちは京都に能を見に来たという。
しかし、この幕末
京都は物騒なところとなって
いた。
世の変わり目だとみんなはいって
いる。
「山王寺屋さんはいかがですか?」と
梨江はいうが
主人の栄達が腰を痛めた以外は
何とも無いと菊はいった。
梨江はお茶のお替りを
といって立ち上がった。
菊はのこったはつと話をした。
きれいに成長したはつに菊は
うれしく思った。
そうべえは、何も言わない。
何で何も言わないのかと
菊が言う。
「嫁になったらいやでも毎日
顔を突き合わすから・・
今何を思っても無駄なこと・・」
と、意味わからないことを言う。
あさは、そっと陰から
見ていてびっくり
した。
菊は、はつはきれいになったから
もしかして、男でもいるのかと
わけありではないかと聞く。
大阪一の老舗の両替屋の嫁になる
のだからあとあとで
わけありがあったらいけないという。
あんたはどうなのかと菊が
はつに畳み掛けて
質問をする。
「なにもありません」と
はつはいった。
あさは、おこっていた。
菊にではない。そうべえが
何も言わずに黙っていたので
腹を立てた。
そして、廊下に立ちあがった
そうべえに
一つお願いがありますと言って
あさは
睨み付けるようにいった。
「おまえが?」とそうべえがいう。
「姉はもうすぐ山王寺屋さんのお嫁さん
になります。
笑って下さい。
姉は自慢の姉です。
やさしい姉です。
もし山王寺屋さんが
一辺でも笑ってくれたら
気が楽になると思うので」と
あさはいうが・・・
「なんでわしが
おまえにそんな指図を受けるんや
おなごのくせに
ちょっとは大人になったと
思ったけど
なかみはあかんたれのままやな
はつも辛気くさいおなごや。けど
おまえよりは
まだましやな」と
このタイミングで笑った。
あさは
驚いた
はつを辛気くさいといったからだ
あさは
こぶしをにぎりしめた。
**********************
このそうべえは
すごい面白いキャラですね・・・
わらいます。
こっちが・・・
ちょっと
このドラマの
客寄せ(名物というか)になるのかもと思います。
菊共々ですが。
この時代、女性の地位は低くて
あさがこのようなことをいっても
そうべえには刺さらなかったのではと
思います。
